脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】[Alexandros] / EXIST! [2016]


邦でもない、英でもない。

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[Alexandros]

曲名リスト
1. ムーンソング
2. Kaiju
3. Girl A
4. Claw
5. O2
6. Feel like
7. Aoyama
8. Nawe, Nawe
9. Buzz Off!
10. クソッタレな貴様らへ
11. Swan
12. I want u to love me
13. 今まで君が泣いた分取り戻そう
14. NEW WALL

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そう、[Alexandros]って[Champagne]だったんだよ。
忘れちゃいけない。あのフランスのワイン業界からの圧力に屈した事を。


その[Champagne]というバンド名の由来だが、
これはあの解散した今でも大人気の英国ロックバンド、オアシスの名曲
『Champagne Supernova』から拝借されているという事は有名である。

そう、[Alexandros]は英国ロックスターへ強い願望を抱いている。
特にイケメンギターボーカルの川上洋平こと戸田よぺ子ことようぺは
その気概が半端ない。もう思想が日本人じゃない。シリア育ちだしな。

彼らドロスは本気の本気でイギリスの大規模ロックフェスである
グラストンベリー・フェスティバル」でヘッドライナーになる事を
目標としているのだ。そこらのバンドとは目標のレベルが段違いだ。

というか自分たちはもう世界で一番の気分でいるのがポイント。
だから後はそれを証明するためにバンド活動をやっているという状態だ。
つまり俺らがついていけてないだけ。ドロスの方が正しいの。分かった?

決して笑ってはいけない。夢はでっかい方がいいって言うじゃないか。
どんな事だって目指すのは自由だぞ。「僕が総理大臣になったら
国旗は君のあの形にしよう」とかだって立派な夢だ。ヤバいね野田氏。


そんな大志を抱いているドロスさんの最新アルバムがお目見え。
去年の『ALXD』から1年と5ヵ月。やはり売れっ子バンドは飛ばします。
今回のアルバムは『EXIST!』。日本語だと「存在します!」だ。
何の事だろう。ST●P細胞?

ちなみにEXISTを逆さにすると「SIX」が浮かび上がり、
これが6枚目のアルバムを意味するとかいう話もあった。
これ後付けじゃないよね?ドロスは後付け多いからなー。どうかなー。

そしてアルバムのジャケットはライオン。
ライオンはAlexandrosのアイコン的動物とかいう話もどっかで見た。
百獣の王だし世界の頂点を狙うドロスにはピッタリだ。
ちなみに[△]はアルファベットのA。上昇志向が感じられて頼もしいね。


さて、バンド名の略式だった前作『ALXD』に比べると、
やたら気合の入ったタイトルとジャケット(ジャケットは初回版が良い)で
存在感をアピってくる今作。実際に待ち望んでいた人も多いだろう。

何せ彼らは今年、ビールのCMに『ワタリドリ』が使用されて
一気に知名度を上げた。ドロスは知らずともこの曲を知っている人は多い。
この曲で新規ファンを獲得した彼らの新作には自然と注目が集まる。


不思議だった。これは不思議なアルバムだった。勿論いい意味でね。
前作と同じような感じなのにどこかしら違う。何かこう風格を感じる。
大物バンド感が漂っている。ライオンジャケ写のせいかもしれないけど。

アルバムの内容は相変わらずのごった煮だ。まとまりなし。
大体彼らのアルバムはコンセプト無しでやりたい事をやってるらしい。
だから川上洋平が引き出しの多さをやたら見せつけてくるわけだ。
くそっ!イケメンなのに!イケメンなのにこんな曲も出来るなんてっ!

しかし今回のアルバムが前作と違うのは「らしくない」事だ。
具体的に言うと邦楽ロックっぽくない。かと言って洋楽っぽくもない
不思議な印象。寿司屋でカリフォルニアロール食う感じ。どっちやねん的な。

大体『Kaiju』とか『Aoyama』とか何故にローマ字なんだ。浜崎あゆみか。
その癖『ムーンソング』はカタカナだ。もう言語感覚がおかしくなる。
ようぺはポケモン新作買ったのかな?買ったとしたらきっとムーンだな。

つーか前作に引き続きアルバム一発目にカタカナ文字で切ない系の曲。
大丈夫か?これ連続でやると暗黙の縛りが発生するぞ。
次回作も頑張れようぺ。応援してる。

そして全体的にちょっと今風の邦楽ロックとは言い難い曲が多い。
『O2』とかもうコープレやレディへ感がたまらない。UK好きが出てる。
あと『Girl A』ってレディへの『Kid A』意識してる?または中森明菜
でも多分レディへだろう。トム・ヨーク好きそうだもんヨーペ。


とまぁ疑問が満載なアルバムなのだが、その英国と日本の間を行くような
独特の作り方が今回の不思議な感じであり、それが結果的に風格となった。
日本にいながら邦楽ロックではなく、かと言って洋楽に染まるでも無い。
この絶妙なバランスで邦ロックの中で抜きんでた存在になりつつあるのだ。

前作の『ワタリドリ』のようなパンチ力のある曲は無いが、
トータルでは今作に漂う不思議な空気感の方が個人的には好きだ。
前作はなんかこう色々やり過ぎた。今回はなんだかんだで一貫性も感じる。

そして実際にこのアルバムは彼らにとって初のオリコン1位となり、
彼らも日本の代表格バンドとなった。バンプやラッドが歩んだ道と同じだ。
しかし彼らには次に海外を落とすという目標がある。まだまだこれからだ。
頑張れヨーペ。打倒ヨークだ。名前で負けてても物理的手段なら勝てるぞ。


しかしこんなに大物になるとは[Champagne]の時には思わなかった。
数年前に友人から[Champagne]のライブチケット譲渡の話があったんだが、
当時はそこまで好きじゃなかったから断ったんだよなぁ。

今思えば行っておけば良かったよ…。
「俺[Champagne]の頃にライブ行ったし」とか自慢したかった…。
こんな俺のちっちゃなプライドを満たすために行っときゃ良かった…。

というわけで今作でさらに大きくなった[Alexandros]。
ただ次はコンセプトでまとめたアルバムを出して欲しいな。
引き出し多いのは分かるけど、なんなら2枚同時発売とかで。

『ワタリドリ』『ムーンソング』路線のアルバムとか聴きたいです。
ヨロシクヨーペ。


【採点】
・目指せ世界の王者   25点
・邦楽ロックぽくない  25点
・洋楽ロックぽくない  25点
・ライブ行っときゃ良かった…
            -2点
73点