脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Linkin Park / One More Light [2017]


誰コレ?

One More Light One More Light
Linkin Park

曲名リスト
01.Nobody Can Save Me
02.Good Goodbye (feat. Pusha T and Stormzy)
03.Talking to Myself
04.Battle Symphony
05.Invisible
06.Heavy (feat. Kiiara)
07.Sorry for Now
08.Halfway Right
09.One More Light
10.Sharp Edges
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長く活動しているアーティストってのは本当に凄いと思う。

アーティストってのは本人が意識しようがしまいが、
その音楽性に対して世の中の反応というものが必ず返ってくる。
そしてその反応の内容もファンによったり時代によったりと実に様々だ。

急に音楽性が変化したりすると、
「こんな事求めていない」だの「流行りに迎合した」だの言われ、
ずっと同じような音楽性が続くと
「マンネリ化」だの「時代遅れ」だの言われてしまう。

一番良いのはそのアーティストとしてのオリジナリティを軸に据えて、
そのアイデンティティを失わずに、かつ、曲毎あるいはアルバム毎に
別のカラーを打ち出しながら音楽性の幅を変化させていく事だろう。

勿論そんなマネが簡単に出来れば誰も苦労はしないわけだが、
だからこそ長く活動しているアーティストというのは凄いと思う。
上記の流れを読み間違えればアーティスト生命に関わってくるからだ。


さて皆さん、今回俺が何を言いたいかは大体察しがつきましたか?

そうだよ。LINKIN PARKの話だよ。話というかもう愚痴だよ。
愚痴ばかりの人間が嫌いといつも言ってる俺も今回ばかりは愚痴るよ。
酒持ってこい。あ、アルコールやや低めのヤツで。最近弱ってるから。


リンキン・パークは誰もが認める2000年代の代表格バンドだ。
1stと2ndアルバムのあの音楽性は世界中のロックファンを虜にした。

だが3rd以降は徐々に音楽性を変化させており、
その度に賛否両論が巻き起こっていた事は洋楽好きには周知の事実だろう。

「こんなのはリンキンじゃない!」という
まるで実写版○○系の映画を観たときのような感想を抱くファンと
「これはこれであり」「変化を受け入れるべき」などと
やけに俯瞰して従順っぷりを見せつけるファンが入り乱れ、
毎回「ファン続けますか?やめますか?」
新作の踏み絵が差し出されている気分だった。

ちなみに俺は5thについてはかなり好きだったよ。
初期リンキンとは違うものだったけど新機軸を打ち出しており、
この路線はアリ!次も期待しちゃう!と興奮気味だった事を覚えている。

だが6thではパンク寄りのハードコア路線に一気に舵を切り、
またまたその急激な変化でファンをふるいにかけてきたのである。
サドなのかマゾなのか分からない行為だ。リンキン、もう僕疲れたよ。


そしてまた、新作踏み絵の登場だ。7thアルバム『One More Light』。
怖い。怖いよ。踏みたくない。でも踏まないといけない。
これが悲しき洋楽界の掟なのだ。ここで踏まねば洋楽界から追放される。

というわけで感想。

率直に言おう、誰コレ?


今までもリンキンのアルバムで面食らう事はあった。
でもそれでもどこかにリンキンの匂いは感じる事が出来ていたのだ。
なんだかんだいって核となる部分は残っていたんだと思う。

だが今回の作品についてはもう弁解の余地が無い程に別人
DNAが完全に途切れている。血の繋がりの証明が不可能。
そっくりさんとかの方がもっと似てるレベル。
それくらいに別物になっていた。

1stや2ndの大人気だった頃のリンキンしか知らない人、
久しぶりに聴いてみて。そのあまりの変貌っぷりに笑っちゃうから。
フランス料理の店行ったらお茶漬け出てきましたって感じ。

いや、お茶漬けは美味いよ。俺も大好きだよ。あられの部分美味しいよ。
あと俺はまずフランス料理店とか行かないし。でもそういう話じゃない。

お茶漬け出てきた後で「ここはフランス料理店です」て言われても
「おいおい冗談はよし子ちゃんにしてくれよ」的な反応になるわけで、
この作品もリンキンと言われても絶対納得できない、そんな感じって話。


で、だ。
驚くべきビフォーアフターだったとして。
それでいてその内容がいい内容なのかどうかという話である。

正直、非常に凡庸である。
誰もがどこかで聴いた事がある洋楽って感じ。
それならキャッチーかと言われれば特にキャッチーってわけでもない。

この手の音楽が聴きやすいという人も当然いるだろうが、
少なくとも俺の好みでは無い。リンキンの1st2nd辺りが好きだった
洋ロック好きなら尚更そう思うに違いない。
あのイメージと今回のアルバムはあまりにかけ離れている。
もうビフォーアフターがアフターって程度じゃない。アナザーだよこれは。

だから逆にこのアルバムを好きだという人は、
きっと過去のリンキンをすんなりと聴けないだろう。
完全にファン層が別な音楽になっている。

大衆食堂でお茶漬けを頼んだと思ったら、
実はイタリアンなお店でした的なドッキリ。
さっきから思ってたけど、この例え分かりにくいよね。
何言ってんだろうね俺。


とにかく、内容について俺が特に語れる事がありません。すみません。
ラーメン評論家にコンビニスイーツを持ち込んでもどうにもならんでしょ。
俺も頭の整理が出来ないくらいに良く分からんかったのよ。
だが敢えて言わせて貰うなら退屈。そんなアルバム。以上だ!


今までのアルバムでも色々言われてきた彼らだが今作は決定的である。
1stから今作までずっと継続してリンキンファンでいる人間マジで0人説
今までのどの踏み絵にも無かったパターンというか
もう踏み絵というより足つぼマッサージとかの類。
ロックを常用している不健康な人間は踏んでいられない代物だった。

とかいいつつ次が出たらやっぱり買ってしまうんだろうな、とも思う。
むしろこれだけ振れ幅が大きいリンキンパークだからこそ、
次もまた突然変異的にとんでもない何かを持ってくる可能性が高いから。

そう考えてしまう時点で
実は俺はリンキンの掌の上で踊らされているのかもしれない。
結局は踏み絵を踏んでしまう、悲しき洋楽リスナーの性よ…


【採点】
・劇的ビフォーアフター 20点
・DNAの突然変異    20点
・でも次も聴いてしまう 20点
・俺の例えは下手   -10点
50点