脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Linkin Park / Meteora [2003]


やっぱコレだね。

Meteora Meteora
Linkin Park

曲名リスト
1. Foreword
2. Don't Stay
3. Somewhere I Belong
4. Lying From You
5. Hit The Floor
6. Easier To Run
7. Faint
8. Figure.09
9. Breaking The Habit
10. From The Inside
11. Nobody's Listening
12. Session
13. Numb

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先日LOFTに買い物に行ったときの事だが、
店内のBGMでリンキン・パークの『NUMB』が流れ出した。

俺は一瞬ピクッとなったけど、「べべべ別にリンキン好きじゃねーし」
という謎の強がりを見せるため平静を装い買い物を続けていたけど、
近くの人が曲に合わせて普通に口ずさみ始めてなんか負けた気がした。

こういうところで妙に気取って躊躇するから俺はダメなんだよな。
と、そんな事を考えてたら次はエド・シーランの
『Shape Of You』が流れ始めた。今年を代表する洋楽のヒット曲である。

そこで俺は先程の遅れを挽回しようと体を揺らしてみようとしたけど、
結局曲を良く知らんかったのでハトが歩いてる感じの動きで終わった。
LOFTの洋楽の選曲センス怖い。俺みたいな半端な人間を殺しにきてる。


しかし、やっぱりリンキン・パークは日本でも特に人気が高い
洋楽アーティストである事を改めて感じざるを得ない。


先日、リンキン・パークのボーカル、ベニントンが自殺した。

www.buzzfeed.com


原因は明らかではないけど、
著名アーティストの自殺という事で大きく話題になった。
日本でも沢山の人がSNS等で哀悼のコメントを残していた。
リンキン・パークの名はそれだけ多くの日本人の心に刻まれているのだ。

最近は洋楽、特にロックは日本では殆ど聴かれなくなってしまったけど、
2000年代は実に多くのバンドが日本でも人気を集めていたんだよ。
Linkin Parkはまさにそんな2000年代前半の洋楽の代表選手だった。
1st『Hybrid Theory』と2nd『Meteora』は世界的な大ヒット作だ。

特にこの2ndアルバム『メテオラ』は日本でも愛聴者がかなり多い一枚。
1ndも良いんだけど、日本では何故かこのメテオラが有名な気がする。
なんでだろう。タイトルのドラクエっぽい感じが日本人受けしたのかな。
ちなみにメテオラってのはギリシャ世界遺産の名前らしい。


でも俺自身もリンキンと言えばやっぱりこのアルバムなんだ。
これが出た当時、俺は高校生だったんだけど
いやまぁ周りみーんな聴いてたよねメテオラ。

吹奏楽部の連中もこぞってこのアルバム聴いてて、
ウチの吹奏楽部大丈夫かとか思った。色んな音楽を聴くのは大事だけど。
しかしそれくらいに日本での流行が実感できるくらい人気があったんだ。


90年代後半から人気を博していたニューメタルの流れを汲みつつ、
硬派でかつ感情を揺さぶるようなリンキンのキレッキレのサウンドは
俺たちのようなちょっと気取った高校生には溜まらない御馳走だったよ。

「大人たちには分からない」であろう音楽はいつだって若者の宝物だ。
リンキンのような雰囲気の音楽は当時の邦楽では味わえなかったし、
まさにイケてる高校生のアイテムとしてこのアルバムは人気を集めた。


アルバムの立ち上がり『Foreword』から感じる物々しい雰囲気。
そして徐々に湧きあがってくるロックの王者の風格。
次の『Don't Stay』で一気にリンキンの世界に引きずり込まれていく。
やはり洋楽は違うな、とそう納得せずにはいられないアルバムだった。

3曲目の『Somewhere I Belong』なんか大して歌えもしない癖に
イケてる高校生気取って無理してカラオケで歌っていたんだよなぁ。
そう考えると無理して曲に乗ろうとして失敗する今も変わらないよなぁ。
イケてないよなぁ俺…。成長ってなんだろうなぁ…。



そしてこの『メテオラ』はサウンドも然ることながら
歌モノとしても非常に聴きどころが充実しており、
特に日本的な「サビ」でワッと畳みかけてくる構成の曲が多い。
だからこそ日本でも人気が高いアルバムなんだと推察される。

人気曲『Numb』に『Faint』、MVが凄い『From the Inside』、
そして尺八も使われている『Nobody's Listening』など
圧倒的なパワーで捩じ伏せてくる曲がズラリと並ぶ。
改めて聴くと確かにこのアルバムは粒揃い。超強力打線。


そう、リンキンって俺らにとって黒船的存在だったんだよね。
当時は「日本よ、これが音楽だ」って言われた感じがしてた。
そして今でもこのアルバムを聴くとやっぱり凄いと感じる。
時代を彩ったアルバムでありつつ、普遍的な凄みを持つアルバム。

今活躍している日本の若手アーティストって、
このアルバムに育てられた人間も結構多いんじゃないかね。
それくらいに日本に影響を与えたと言える一枚だ。
未聴の人は是非聴いてみるべし。リンキンの凄さが味わえる。

だからリンキンと言えばやはりこの作品という人は多い。
先日ボーカルが亡くなった際も、SNSのタイムラインには
メテオラの名前が多く挙がっていた。みんなメテオラが好きだったんだ。


そんなリンキンもこの次の作品
『Minutes To Midnight』から変わり始める事になる。
以降、度々作風を変えてファンの間でも物議を醸す事となるのだ。

最新作はもう遠く離れて戻ってこないくらいの変わりっぷりで、
正直がっかりしてしまった。

drr.hateblo.jp


だが、この変化も実はボーカルが自殺する何かしらの
予兆だったのかもしれないと思うと切なく思えてくる。

「何で自殺するんだろう?」
その本当の理由は本人にしか分からない。

でも確実に言える事は、世のクリエイターと言われる人々は
地位や金や名声を得たからと言って満足するような人間ではない事だ。
むしろそれを達成して満足しているようじゃ真のクリエイターではない。

例えそれらを全て手に入れたとしても、
自分の表現したい事が世の中にうまく伝わらなかった場合、
苦悩し葛藤するのが真の表現者という存在なんだろう。
だからこそ自殺するアーティストは後を絶たないわけだ。


今後Linkin Parkはどうなるんだろうか。
残りのメンバーで活動を続けていくんだろうか。
いずれにしても彼が抜けた傷跡は大きい…。

ただ、彼らが放ったこの『Meteora』は
俺らの世代にとって一つのバイブル的アルバムだという事、
そして日本人にとっても大きな存在感のある作品だという事、
その事実だけはどれだけ時が経っても揺るがない。

俺も今度カラオケ行ったら久々にLinkin歌おうかな。
下手糞でも許しておくれ。


【採点】
・リンキンの代表作 40点
・日本人にも大人気 40点
・イケてる高校生のアイテム
           5点
・イケてない高校生も聴いてる
            1点
86点