脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】 亜無亜危異 / ANARCHY LIVE 1994 [1994]


パンクするならこういう具合に。

ANARCHY LIVE 1994 ANARCHY LIVE 1994
アナーキー

曲名リスト
1. 東京イズバーニング
2. あぶらむし
3. タレント・ロボット
4. ヒーロー
5. 団地のオバサン
6. 叫んでやるぜ
7. アナーキー・シティ
8. 心の銃
9. 3・3・3
10. 缶詰
11. Ready Steady Go
12. Harder They Come
13. けだるい午後の昼下がり
14. ちきしょう
15. 逃げろ
16. ロックスター
17. 屋根の下の犬
18. ファ ファ ファ
19. 旗をかかげて
20. デラシネ
21. ノット サティスファイド
22. ジョニー・B・グッド
23. 今昔物語

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俺の高校時代と言えば青春パンクブームの真っ只中だった。
俺が青春していたかどうかには関係なく時代は青春を要請していた。
俺はきっと生まれるのが早すぎたんだ…本気でそう思う事がある。

そんな俺らの世代は強制的に聴かされていた青春パンクだが、
当時から「コレって別にパンクじゃなくね?」みたいな批判があった。
そしてそう思われる事について、俺は分からんでも無い側の人間だ。


パンクってのはもっとこう危なっかしくてヒリヒリする
本来はそういう音楽ジャンルだったハズなんだよ。
”青春”みたいな爽やかなワードは似つかわしくないジャンル。

でも青春パンクによってパンクがより身近になった点も否めない。
そしてあの青春パンクブームからも既にかなりの時が過ぎてしまい、
以降パンクのイメージは特に塗り替えられる事も無く記憶に定着した。


が。

先日アナーキーが新作を出したって聞いたもんだから驚いた。
おいおいマジかよ。まさかマジでガチのパンクバンドが新作とか、
いやいやいくらタイムリープものが流行ってるからってそりゃビビるよ。

パンクロックの奴隷
パンクロックの奴隷

うっはー。これぞパンクの上流工程や~。
青春パンクではない、80年代の源流パンクがここで再登場である。
よし、俺の中の青春を綺麗に洗い流してくれ。
俺の青春パンクの記憶を上書きしてくれ。

アナーキーと言えばもうバンド名からして危なかっしさが漂う、
パンクがまだ青春なんかしてない80年代に活躍したパンクバンドだ。
スターリンとかルースターズとかと同じ時期になるんかな。



新作に収録のこの『パンクロックの奴隷』という曲は
実は以前の復活ライブで既に披露はされていたらしい。
いや~この耳ざわりこそがパンクロックの醍醐味だね。
ブルーハーツやエレカシを連想させるワードもパンクだ。


このアナーキー、今年で結成40年となるそうで
なんとサザンと同期のバンドという事になる。
勿論、実質的な活動期間は違うけどかなりキャリアが長いバンドだ。

ただ、ギターの方が昨年亡くなられたそうで
皆で一緒に40周年を迎えられなかったのは何とも残念である。


だがメンバーが欠けた事で「不完全復活」という言葉と共に
再び活動を活性化させてきたアナーキー。
バンド名も漢字で「亜無亜危異」と書くのが正式になったっぽい??
しかしこの漢字の当て字を今の時代にやるとは凄いセンスである。

…と思ったけどもう時代も一周回って逆に有りな感じなんかなコレ。
俺が住む田舎じゃまだ高速下のトンネルとかで見かけそうな気はするが。


というわけで新作はまだちゃんとCDでは聴いてないんだけど、
そんな亜無亜危異さんのライブアルバム
『ANARCHY LIVE 19944』の話である。

彼らは伝説化したようなバンドではあるんだけど、
過去に何回か復活をしており結構ファン想いのバンドでもある。
このアルバムは彼らの1994年の一夜限りの復活ライブの内容を収めた
ライブアルバムであり、俺が所持する唯一のアナーキーのCDだ。


なんでこのCDを持っているのかって?そりゃあんたやっぱり
『東京イズバーニング』『タレントロボット』が入ってるからだよ!
この2曲って確かこのCDにしか入ってなかったんじゃなかったっけ?
俺の記憶が正しければ。多分。おそらく。…少し自信なくなってきた。



『東京イズバーニング』はイギリスを代表するパンクロックバンド
クラッシュの『London is Burning』をコピーして、
クラッシュの英国王室批判よろしくなんと天皇批判
真っ向から繰り広げたやっべー曲なのである。

当然ながらそんな曲は発表出来ないと
80年代にはお蔵入りされてきた曲だったがこのライブ盤で収録された。

何が日本の象徴だ!なんにもしねぇでふざけんな!


ハイ、これがマジのパンクって奴です。
もうこうやって文章書いてるのも恐れ多いです。
特に今の時期とかだったらぜってーアウトな曲ですよね。


そんな曲が入ったCDを大事そうに持ってる俺もヤバイ?
待て待て、言っときますけど俺は天皇批判なんかしないですし
むしろ皇室の存在を支持している側ですよ。
そうやってすぐイデオロギーの話にするのやめてよね。ぷんぷん。

これはパンクロックの史料として所持しているんですよ。
人によってはちょっと引かれるかもしれないけど、でもいいんです。
だから攻撃だけはやめてね。お願い。怖いから。


そして『タレントロボット』も強烈。
芸能界で活躍する人々をバカだの能無しだの言いたい放題。
『東京イズバーニング』のように特定の誰かってわけじゃないけど
ここまでストレートな表現で歌うとこがもうめっちゃパンク。

そう、ちょっとした回り道や上手い言いまわしで表現するのではなく
何でもド直球でぶっ放す爽快感とハラハラ感。
それこそがアナーキーの持ち味なのである。

ふと気になって上記2曲がカラオケに入ってるのか調べたら
ネットで検索した感じではどっちも無さそうだった。
今度、実機で確認してみよっかな。そして入ってたら歌おうかな。
そして引かれようかな。でも逆に褒められたりしたらどうしよう。


さて、このアルバムは上記の曲が収録されているのも魅力なんだけど
やっぱりライブの熱気が伝わってくるのがとても良い。
激しいバンドってライブ盤を聴くのもいいもんなんだよね。

久しぶりにこのCDを引っ張り出して聴いてみたんだけど、
彼らの人気曲も沢山収録されていてほぼほぼベストな内容だと思う。

『心の銃』『Ready Steady Go』『ノットサティスファイド』、
アナーキー初期にあった洋楽カバー等も収録されていて
MCも無く勢いのままに駆け抜ける熱きライブ盤となっている。

このライブがあった1994年頃って亜無亜危異のメンバーも既に
「パンクをやる若者」ってイメージはもう無い年齢だったハズだ。
昔の音源と比べるとやっぱり荒削り感は薄くなっている感はある。
でもパンクなんだ。いくつになってもマジなパンクはパンクだ。


で、この亜無亜危異のライブ盤
中の歌詞カードもなかなかに過激な内容です。

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そしてCDを収める側のトレイを外すと…

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ハイ、これがマジのパンクって奴です。


…コレ、持ってたらどんどん人に引かれていきそうな気がしてきた。
やっぱ売ろうかな。ちなみにこのCD、現在はもう廃盤になってます。
だから今なら結構高く売れるかも…?

と思って調べたらタワレコで普通に買えそうです。チェッ。
歌詞カードやジャケットが気になる方は買ってみよう。
それか俺のとこに頭下げて見に来い。


復活した亜無亜危異。

公式サイトに寄せられたコメントを見ると、
このバンドがいかに多くの人に影響を与えたかが分かる。

anarchy-jap.com


芸能界はクソみたいに歌われながらもこれだけの芸能人に
支持を集めている伝説的なバンド。てか芸能界ってマゾだな。

俺も久々に買ってみようかなアナーキーの新作。
例え引かれたとしても構わない。
俺らはパンクに惹かれてしまう、そんな人間なんだ。


【採点】
・帰ってきたパンクバンド 30点
・危なっかしい収録曲   20点
・危なっかしい歌詞カード 20点
・青春を塗りつぶせ     5点
75点