脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

癌になったのでMRI検査のときに流して欲しい曲とか考えてみる


音楽の力で快適な医療を目指せ。

 

先日から入院してた件だけど、
詳細な検査結果が分かりましてまーいわゆるってヤツでした。

悪い部分は手術して切除したし
今のところ転移もしてなそうなんだけど、
後は再発防止のために抗がん剤を始めるか否かという状態です。


いやもうマジで怖いっすよ。

確かに2月くらいから体の調子悪いなと思ってはいたけど、
まさか自分が30代前半で癌になるとは微塵も考えてなかった。

とりあえず『君はGANなのだ』を久々に聴いてみたら
なんだろう、曲に対する印象が以前と全然違ってくるよね。
糸井重里は良くもまぁこんな歌詞を書いたな、と。
でもこういう体験も音楽の面白さなんだろうなとか思ったり。

医療現場に音楽を


さて、今回の一連の闘病生活(まだ終わっちゃいないが)の中で
様々な初体験がありました。手術も絶食も初めてだったし
精密検査いっぱいやったし術後に目覚めたら色んな管刺さってたし。

で、俺は生まれて初めてCTとかMRIといった検査を行ったんだけど
特にMRI検査ってのは撮影中の音がやたらデカイんですね。
ズガガガガガガみたいな。それも結構長時間かかるんですよ。

だからMRIの機械に入る前にヘッドホンをさせられまして、
撮影の間はそこからずーっと音楽が流れてくるわけです。
俺が聴かされていたのは英語詩のカントリー、ボサノバ風の音楽。
とても聴きやすくて落ち着くし検査中の音楽としては最適な気はした。


だが、そこで俺はちょっと疑問に思った。

今回のMRI検査中にヘッドホンで聞かされた音楽、
最適だと思ったのは俺が日本人だからなのではないだろうか。

流れてくる曲の歌詞が英語だから俺はさほど気にならなかったけど、
歌詞に耳を傾けてみると「Hold Me」だの「Be Here」だの歌っていた。

つまりコレは英語圏の人間からすると
私を抱いて!」「ここにいて!」的な事を歌っている曲を
検査中ずっと聴かされているという事だ。

これは実はまずいのではないか。
グローバル化の波によって日本にも外国人が増えている時代だ。
日本人向けには大丈夫でも、もしかしたら外国人にとっては
検査中に落ち着かない曲を聞かされるという事態になりはしないか。


というわけで医療現場のグローバル化に対するこの懸案事項、
手術後に下痢に襲われたこの俺がププっと解決するしかないだろう。

落ち着いた気持ちで検査に臨むために
外国人も、そして日本人でも大丈夫であろう
MRI検査中に流してオッケーなグローバルな邦楽を10曲選んでみた。

観点としては

・外国人が聴いても気にならないように基本的に日本語詩。
・さらに日本語としても強い言葉や直接的な表現が少ない歌詞。
・メロデイーがキャッチー過ぎず、でも暗すぎない。
・テンポが速くなく、でもゆったりしすぎない。
・踊るようなポップさはなく、でも退屈でもない。
・サビの盛り上がりがドラマチックでなく、比較的緩やかな展開。

というあまりにもボヤっとした条件なのに
クソみたいにニッチなニーズに向けた内容である。


まぁ色々と前提を並べたけどつまりは俺が勝手に思いついた10曲だ。
MRI検査中にこれ聴きたかったなというただの感想です。

しかしMRI検査のあの喧騒の中でそれなりに長い時間を過ごすために
誰が聴いてもそれなりに落ち着けるというとても優秀な10曲なのだ。


ではこれからのグローバル医療に役立つ楽曲たちを紹介していこう。

MRI検査でも流せる邦楽10選


①andymori / 1984



もうこれは最初に思いついたね。気分を和ませるには最高の曲。
andymoriの名曲であり2010年代の始まりを告げたファンファーレ。
ミドルテンポで落ち着きがあってノスタルジックな雰囲気が完璧だ。
英語っぽい部分もあるけど問題ない。


②EGO-WRAPPIN' / 満ち汐のロマンス



ゆったりした雰囲気で聴かせる音楽と言えば
邦楽にはエゴラッピンもいるじゃあないですか。
この『満ち汐のロマンス』はヒーリングミュージック的要素もあり、
身も心もリラックスさせるにはうってつけの曲である。


③はっぴいえんど / 風をあつめて



邦楽ならばやはりこの曲は入れておかないといけない気がした。
美しいまでのバランス感覚で作り上げられた邦楽の一つの雛型だ。
緩やかだけど味のある展開でとても心地よい空気が生み出される。
最近NHKのムジカピッコリーノで取り上げられて話題になってた。


④RCサクセション / スローバラード



RCサクセションの綺麗でカッコよくて素敵な曲『スローバラード』
忌野清志郎のボーカルのクセが強いのでそこがやや懸念ではあるが、
じわーっと心が温まる切ない音楽。壮大な感じも大袈裟な展開も無く
でも優しく心に響くこのミニマルな感触が何とも言えない匙加減だ。


⑤くるり / ばらの花



ややポップ感が強めの気もするが、淡々と刻まれるリズムと
散りばめられた音がとても美しく程よいテンションで聴ける曲。
主張しすぎないボーカルも今回のテーマに良く合っている。
くるりはこのタイプが得意なので他にもマッチする曲がありそうだ。


⑥SUPERCAR / YUMEGIWA LAST BOY



独特の浮遊感で不思議な音楽を奏でるスーパーカーの代表曲。
起伏は少なくとも飽きさせること無くじわじわと展開する曲だ。
ヘッドフォンで聴かされれば極上のBGMとして機能する。
ただちょっとテンションが上がってしまいそうな危険性がある。


⑦JUDY AND MARY / KYOTO



アルバム曲ながらジュディマリの中でもトップクラスの人気曲。
ジュディマリの中でもやや異色な曲なんだけど俺も大好き。
YUKIの穏やかなボーカルとうねるギターの調和はやはり絶品だ。
曲の構成も特殊なんだけどそれを感じさせないトコも魅力。


⑧スピッツ / 水色の街



ただただ何も考えずにずーっと聴いていられる曲。
盛り上がる部分はこれといってないけど、曲全体に没入感がある。
意外とバンドサウンドがずっしりしてて骨太なんだよね。
あと間奏がめちゃ幻想的。しかしいつ観てもMVが意味不明。


⑨東京事変 / 落日



シングルのカップリング曲ながらファンからは根強い人気がある曲。
椎名林檎のボーカルの主張がちょっと強いかなとは思うものの、
アコギをベースにしたジャジーな雰囲気に身を委ねたくなる。
やや放り出したように歌われるサビがまた大人っぽくていいんだよ。


⑩MISIA / 果てなく続くストーリー



ドラマチックな曲はあまり落ち着かないから避けたいとか思いつつ、
なんかこの曲はやけにハマりそうな気がしたので選んでしまった。
でも序盤から静かに進行して後半になるにつれて力強くなっていくので
不自然に感情を揺さぶられる事が無く、意外に冷静に聴ける曲だ。


おわりに


さて、どうだったでしょうか。
MRI検査中にもスッと聴けて外国の方にもウケそうな珠玉の10曲。
貴方も検査中に聴いてみたいと思いませんでしたか。

そもそも歌詞無しのBGMを流せばいいとか言うな

歌詞が聴こえつつ、でも感情の揺さぶりは控えめで
適度にリラックスして退屈もしないという絶妙なラインの曲なのだ。
これらを満たす音楽ってありそうで意外と無いと思うぞ。


超ピンポイントでどこに需要があるのか分からない企画だったけど
我ながらいい線いってるんじゃないかと思っております。

でも最近はMRI検査中に映像まで見せるような装置もあるらしいので
落ち着いた気持ちで検査に臨むというニーズは意外に高いのかも。

医療機関従事者でどんな曲を流せばいいのか困っている方、
参考にならないとは思いますが是非とも参考にして下さい(矛盾)。


そして俺もまだ本調子ではありませんが、
引き続き治療に取り組んで参ります。

ホントに人生何があるのか分からない。
だけどだからこそ充実感が感じられる事もある。

まだまだこれからの人生もきっと楽しい事が待ってるんだぜ。
だから決して満たされる事の無い日々をずっと送っていきたい。

そんな事を改めて感じた今日この頃でした。