脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Official髭男dism / Traveler [2019]


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Traveler Traveler
Official髭男dism

曲名リスト
 1. イエスタデイ
 2. 宿命
 3. Amazing
 4. Rowan
 5. バッドフォーミー
 6. 最後の恋煩い
 7. ビンテージ
 8. Stand By You
 9. FIRE GROUND
10. 旅は道連れ
11. 052519
12. Pretender
13. ラストソング
14. Travelers

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すっかり久しぶりの更新になってしまいましたが、
今過去最大級に私生活がキツイ状態なんで許してくれって感じで。
いや特に誰もあまり待ってない気がしないでもないんだけど。


もうね、抗がん剤治療中にうつまで発症してですね、
抗がん剤と抗うつ剤のダブルパンチ状態なんですよ今。
ぐえー。体も頭も思うように働かない…。

また落ち着いたら詳しく書きたいと思いますが、
とりあえずこんな状態の俺はなかなかまともに
音楽を始めとして趣味も楽しめなくなってるわけですハイ。

調べたらがん治療中の人間がうつになるのはまぁまぁあるらしくて、
それならばそのうち時間が解決してくれると思うんだけどね。
そう思って今は耐える時期を過ごしております。


しかしやはり今年はこのアルバムは避けて通れないだろうと思って
こうやってなんとか記事を書いてるのです。
大ブレイクしたバンドOfficial髭男dism、通称ヒゲダンの『Traveler』。


俺自身は髭ダンについては昨年から知ってはいた。

昨年リリースされた1stフルアルバムの『エスカパレード』収録の
この『ノーダウト』がドラマ主題歌になって、
一気に人気に火がついたイメージがある。



『エスカパレード』も確かに洗練されたアルバムだった。
だが当時はそこまで俺自身はグッとくるほどでも無かったというか、
ここ数年人気の90年代J-POPの路線にあるバンドの1つって印象だった。


何よりそのバンド名が俺は気にくわなかった。
なんなんだ。おふぃしゃるひげだんでぃずむ。
Officialがあるって事はUnOfficialな髭ダンディズムが存在するのか。

つーか別にこのバンド髭が特徴的なメンバーいないじゃんか。
これでOfficialとか言ってんだからかたはらいたし。
セクシーコマンドー部、略してひげ部も黙ってないぞ?
いっそ俺がダンディにヒゲ伸ばしてOfficialになってやろうか?あん?


だがそんなヒゲダン、今年に入り本気を出してきた。
とにもかくにも『Pretender』である。



もうどこのお店行ってもコレばっか流しやがって!

分かった分かった。君の運命のヒトが僕じゃない事は分かったから。
あとシュタゲが好きなのも分かった。
この曲のお陰で地味にシュタゲの人気まで上昇しているらしいやん。


だが勢いのあるアーティストというのは本当に恐ろしいもので。

なんつーか「ゾーンに入る」んだよな。
出す曲出す曲がヒットするというゾーンに入るのだ。
まさに手塚ゾーンならぬヒゲダンゾーンである。


そんなゾーンに入った彼ら、
満を持してアルバムをリリースしたわけですが、
先発に入れてきたこの曲『イエスタデイ』。



バイバイイエスタデイ。くっ…いい曲じゃないか。

『イエスタデイ』なんて単語、ビートルズに遠慮して
絶対に曲名につけたくないタイトルナンバーワンくらいの言葉なのに
この堂々たる存在感。ヤバイ。今のヒゲダンに怖いモノなんてない。


そして2曲目にシングルを配置するパターンきました。
『宿命』です。



この辺りの楽曲からも分かる通り、
彼らの音楽ってのはJ-POPが持っている空気に忠実でありながらも
他のアーティストじゃそう易々とマネできない”洗練”された音楽なのだ。

くそぅ、藤原聡。BUMPの藤クンといい藤原と名の付く人間は
何故にこうも才能があるのか。やはりあの藤原家の末裔ってわけか。
この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思ってるのか。


そんな彼らは本当に良く邦ポップの流儀を心得てらっしゃる。
『バッドフォーミ―』とかフリッパーズギターっぽくてやられた。



強い。ヒゲダンはつおい。こんな洗練されたポップチューン、
最近の音楽シーンにはありそうで無かったよ。
J-POPってこんな感じだったよねってのを思い出させてくれる。


基本的にアーバンなポップ感がメインのヒゲダンだが、
楽曲の幅は結構幅広くてそこがまた人気の1つにもなっていると推測。

個人的に『FIRE GROUND』は特に気に入った曲だ。



しっかりと韻を踏むという音楽の心得を大切にしつつ、
それが曲のカッコ良さと相まってとてもハイセンスな歌いまわしになる。

しかし歌詞の「ジャストザウェイユーアー」の部分が
どうしても「ジャスタウェイユーアー」に聞こえて
銀魂のアレを思い出してしまうのが厄介だ。

まさに良曲の量産体制モードになったヒゲダンは、
今や向かうところ敵なし状態とも言えるかもしれない。

今回のアルバムの半分近くは既発シングルの収録曲なんだけど、
アルバム曲もどれもそれに負けない完成度を誇っている。

『イエスタデイ』と同じく
アルバムリード曲となっている『ビンテージ』。



本来俺はね、こんなあま~いラブソングなんか好きじゃないんだよ。

でもね、体も心も弱り切った今の俺には分かりみがヤバい。
ヒゲダン、ありがとう。そして嫁、ホントにありがとう!

褪せた思い出もビンテージなんて言って
振り返る度に笑えるようにと


こんな歌詞が出てくるなんて老夫婦かよ。
もう既に色んな人生経験を積んできましたって風格すら漂う曲だ。

髭ダンの勢いが良く分かる曲だと思う。
ゾーンに入った今のヒゲダンにはもう何をやらしてもうまくやりそう。
東京五輪の開催地とかももうヒゲダンに決めて貰えばよくない?


そして、こんなにも粒揃いのアルバム『Traveler』なんだけど
曲の配置も構成も実に良い形だと思う。

ギターイントロのみの『052519』から『Pretender』へ入る部分とか
ここでそうきたかって感じ。『Pretender』はやっぱり
このアルバムの中でも重要な軸となっている事を感じる。

その後に『ラストソング』といいつつラストじゃない曲を挟み、
最後の『Travelers』で締める流れも唸らせてくれた。
確かにこの順番で文句なし!って流れのアルバムだった。


この大注目だったアルバム『Traveler』は、
スピッツやBABYMETALといった強豪を抑えて見事チャート1位を獲得。
スピッツファンの俺としては悔しい気もするが、
このアルバムの内容からすれば負けても仕方が無いと納得できる。

そして無敵モードとなったヒゲダンは今年の紅白への出場まで決定
おいおいヒゲダン、どこまで行くんだお前らはホントによ。
つーかスピッツはあんだけ騒がれて結局紅白出場なしかよ。


令和の訪れとともに台頭してきた邦楽のニューカマー。
平成の始まりと共に邦楽に多大な影響を与えたフリッパーズギターと
色々重なってしまうのがまた面白い。

ゾーンに入った彼らは多分次もまたヒット曲を出してしまうんだろう。


しかし俺はそう簡単に奴らを認めるわけにはいかない。

やっぱりOfficialに髭を生やして欲しい
もうほんこれ。ホントそこんとこ一貫性を持たせてほしい。
そうでない限りやっぱりこのバンド名を名乗って欲しくない。

せめて髭男爵の山田ルイ53世くらいには生やして欲しいかな。
今のままじゃみんなひぐち君じゃないか。


【採点】
・まさにヒゲダンゾーン 30点
・快進撃が止まらない  30点
・疲れた心身に染み渡る 20点
・ひげぶとひでぶは良く似ている
             3点
83点