【Album】Radiohead / KID A [2000]
20世紀最後に現れた世紀の傑作。
Kid a Radiohead 曲名リスト 1. Everything In Its Right Place 2. Kid A 3. The National Anthem 4. How To Disappear Completely 5. Treefingers 6. Optimistic 7. In Limbo 8. Idioteque 9. Morning Bell 10. Motion Picture Soundtrack Amazonで詳しく見る by G-Tools |
さて、たまには真面目にレビューしますかね。
注)一応いつもマジメなつもりだ。
レディへの『KID A』。
これはですね、もうホンマに素晴らしいです。
こんなにも心が洗われるような作品は無い。
もう存在が煩悩の塊のような俺はね、
このアルバム聴くと体積が20%くらい減るよ。
なんか最近心洗ってねーなーとか思ったら
このアルバム聴いてダイエットする。お手軽だ。
と言っても別に美しいアルバムとかいう意味ではない。
どちらかと言えば割と陰鬱で暗くてドロドロした作品である。
聴くと世界が壊れだすというか終末に向かう感覚に襲われる。
そして「ああそうか、俺は狂ってるんだ」と理解する。
精神衛生上良くないかもしれないが、その危うい感覚が堪らなく好きだ。
何が凄いって、英語もろくに聴き取れなくても、
あの音、声、ムードだけで上記のような不思議な納得感が得られる事だ。
やはり歌詞なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです。
アルバムのタイトルは『KID A』。
中森明菜の『少女A』と関連性があるかどうか知らないが(多分無い)、
一人の少年Aのような視点になり、
変わりゆく世界を観察しているかのような作品だ。
どんな旅行をしてもどんな小説を読んでも味わえない、
本当にこのアルバムでしか味わえない経験。
限りなく安っぽい褒め言葉を使わせてもらうが、
これこそが真の「独特」であり「個性的」であり「唯一無二」だ。
さらにこの作品で大事なのは”アルバムである事の必然性”である。
「このアルバムでお気に入りの曲は何か」と言われると…
特に無いんだなコレが!
どういう事かってーと、
このアルバムの曲はどれも”このアルバムの中で光る”という話だ。
これって当たり前のような話で実はなかなか出来ない事なのだ。
1曲だけとりだして聴いても沢尻エリカばりの「別に…」状態。
このアルバムはちゃんと1~10番までを、
ちゃんと順を追って聴く必然性がある。
それでこそ物語が始まりそして終わる体験が出来る。
そうやってアルバムを通して聴く中で、
物凄く感覚が研ぎ澄まされた気分になれるわけだ。
悟りのようなもんだ。仏教の説法聴いた後の気持ちみたいだ。
変な自己啓発本よりよっぽど効果がある。
これぞまさに”アルバムとして”の価値がある作品と言えよう。
半端な自己啓発本買うくらいなら、
中古で500円くらいのこのアルバム買おうぜマジで。
この作品については語りつくせない程の想いがあるんだが…
ただ今でも疑問なのはCDのブックレットの中に
椎名林檎の『茜さす 帰路照らされど…』の歌詞が載った
クッキングシートみたいな謎の紙が入ってたんだけど、
あれ何だったんだ?
当時業界も林檎ちゃん売出し中だったし、
林檎自体レディオヘッド好きだから
まぁそんな理由で入ってたのかもしれんが。
でも何の説明も無かったんで未だに謎の紙のままCDに入れてる。
今でも入ってるのかな?
ちなみにこのアルバムは大好きな俺だが、
このアルバムを好きだというヤツとは友達になれそうにない。
だってこんなアルバム好んで聴く人間とか絶対面倒くさそうじゃん。
でも俺の事は嫌いにならないでください。
【採点】
・完璧なアルバム作品 30点
・緻密な構成と完成度 30点
・SEKAI NO OWARI感 30点
・ダイエット効果あり 5点
・謎の林檎ちゃんクッキングシート
2点
97点