色々と気になる事情。
放送禁止曲って凄い大人の事情を感じさせる言葉だと思う。
当然作品としては存在するわけだけど、
テレビやラジオのような電波に乗せる事は出来ない。
存在しているけどしていないようだ。シュレディンガーの猫か。
でもどんな作品であれ、
やはり表現したかった何かがそこにあるわけだ。
意図しない解釈のされ方で封印されてしまう例もありそうだが。
憂歌団のこのデビュー曲は放送禁止曲として有名。
放送されてないのに有名とはどんな有名度だよって話だが。
この曲が出たのは1975年なので
高度経済成長がオイルショックの影響で落ち着いた時代だ。
ビルのおそうじオバチャンが「1日働いて2000円!」と叫んでいる。
そんなオバチャンの夢ってのは「かわいいパンティ履いてみたい」。
確かにお掃除オバチャンを小馬鹿にしたような歌詞で、
職業差別というような捉えられ方をされても仕方はないとは思うが、
それこそ職業に貴賎なし、労働問題に対する皮肉とも受け取れないか。
むしろ真意はそっちにあるんだろうけど、
その問題提起そのものが封殺されるというのは、
皆が新しい社会問題に敏感だった70年代という時代背景もあったのか。
さて、
当時の2000円は今だと倍くらいの4000~5000円くらいだろうか。
それから生活費を引いた上でオバチャンが買いたいパンツとは
一体どれくらいの高級パンツか次第で話が変わってくる。
歌詞を見る限りだと「きれいなフリルのついたやつ」とか
「アソコの部分スケてんの」とかかなりのレベル高さが伺える。
というか上級者だろ。何者だよオバチャン。
そもそもの問題のポイントはオバチャンの賃金とか労働環境とか、
オバチャンが欲しがっていたのはどんなレベルのパンツなのかとかの前に、
これを放送禁止にする行為自体がまた差別的なのではってところだが。
でもオバチャンの欲しいパンツのレベルの方も気になって仕方ないのだ。
しかし曲をあえて放送禁止に踏み切るという事は、
そこに差別意識があると認識させるという意味もある。
この辺は非常にデリケートで難しい話だが、
それで問題が浮き彫りになるという面もあるのがなんとも皮肉な話だ。
【採点】
・放送禁止になったという事実 30点
・意外と現代にも通ずる内容 30点
・曲もなかなかキャッチー 10点
・パンツのレベルが気になる ー3点
67点
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