【Song】モーニング娘。 / 恋のダンスサイト [2000]

２位じゃダメでもなかった。

日々気持ち悪いと虐げられてきたチャートマニアの方々なら、
今から16年前の2000年2月7日のオリコンチャートの件は御存知だろう。

この日のオリコン週間ランキングは史上稀に見るハイレベルな戦いであり、
集計直前まで熾烈なデッドヒートが繰り広げられていたのだ。

このモーニング娘。の代表曲の一つ『恋のダンスサイト』であるが、
モー娘。のシングルの中では『LOVEマシーン』に次ぐ売上で
120万枚超えという大ヒットを記録しているのも関わらず、
週間オリコンランキング最高順位は２位であった。

この時の１位はサザンの『TSUNAMI』だったのだ。
しゃーない。290万枚以上売れた曲だ。そりゃないぜって感じだ。
この結果に対しては蓮舫も「２位じゃダメなんですか」と言える。

でもデイリーランキングでは最初は『恋のダンスサイト』が勝っており
週間でも首位獲得が濃厚だったらしいが、最後に『TSUNAMI』が逆転した。
最終的には２曲とも週間で60万枚超えという熱い戦いとなったのだが、
モー娘。としては非常に悔しい結果となったランキングだっただろう。

ちなみに３位と４位は椎名林檎が２枚同時発売した『ギブス』と『罪と罰』。
どちらも40万枚くらい売った上に２枚同時発売という話題性もあったが、
上位２組がチートレベルなバトルをしていたたため、
残念ながら完全に脇役になってしまった。ああ可愛そうな林檎ちゃん。
ジ・オとキュレベイの争いの中に果敢に飛び込む百式に良く似ている。

そんなわけで２位に甘んじてしまった『恋のダンスサイト』だが、
『LOVEマシーン』で爆発的に売れたモー娘。の、
重要な次の一手として打ち出されたシングルだったわけだが
正直これはかなり大成功な曲だったと思う。

『LOVEマシーン』までのモー娘。はどちらかというと
まだスタイリッシュなアイドルグループといった感じだったが、
ノリノリでおちゃらけ要素も入った『LOVEマシーン』で
一気にイメージを変えて大成功を治めたのだ。

ここで殻を破り切って彼女達のイメージを定着させるためには、
次のシングルが今後の方向性を決める意味でとても重要だった。

そこでこれですよ。
「うーっ！はーっ！」ですよ。

モー娘。の曲にはつんく♂の意向もあってか
70年代後半の洋楽ディスコミュージックの要素が結構見られるのだが、
これは『ジンギスカン』から拝借されたアイディアだろう。

女性アイドルグループが「うーっ！はーっ！」で正拳突きするのだ。
「むっちゃマッチョ」のとこではマッチョポーズまでやってる。
こんなちょっと小恥ずかしい振付けを楽しくやってのけた事で、
モー娘。はそのスタイルと人気を確実なものにしたのだ。

しかもダンスサイトとは何ぞや。
歌詞にはホームページとかいう単語も出てくるし、
インターネッツな雰囲気を感じるが、結局良く分からん。

あと「あなたとハチャ！メチャ！したいわ」とかやめろ。
純真な男子諸君の心拍数が上がって寿命が縮まるだろーが。

でもそれでいいのだ。
振付といい歌詞といい、ちょっとしたおふざけも許される世界。
そんなブランディングを成功させたのがモー娘。だったのだ。

思えばハッチャけた現代型の女子が増えたのは、
このモー娘。の流行もきっかけの一つでは無かっただろうか。

そんなモー娘。が放った決定打の一曲。
SEXYビームは出せないが、
今日はこの曲で俺のホームページ更新するわ。

【採点】
・熱きチャート争い　３０点
・モー娘。の決定打　３０点
・現代型女子の雛型　１５点
・人生のホームページ更新してぇ。
　　　　　　　　　　－３点
７２点