脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】岡崎体育 / BASIN TECHNO [2016]


やりやがったな岡。

BASIN TECHNO BASIN TECHNO
岡崎体育

曲名リスト
1. Explain
2. MUSIC VIDEO
3. 家族構成
4. FRIENDS
5. Voice Of Heart
6. Outbreak
7. スペツナズ
8. エクレア

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自身も出演したJINROのCM曲『割る!』も話題の岡崎体育だ。
 「岡崎体育÷JINRO」というコラボ名でプロモーションしているが、
普通なら「○○×○○」と”かける”ところを敢えて”わる”辺り岡崎マジパネェ。


あの問題作PV『MUSIC VIDEO』で一気に認知度を高め、
見た目からして既に大物の風格が漂う2016年大注目の新人である。

名前が「体育」なのはあの石野卓球を意識したからだそうだが、
体育感が全く感じられない見た目なのが残念である。
いやむしろそのギャップが面白いのか。ギャップ萌えか。そうか。

そんな彼の見た目になかなかの親近感を覚える俺が、
彼のデビューアルバム『BASIN TECHNO』を聴く事は必然だった。
「盆地テクノ」という意味だそうだ。ちなみに俺は今盆地住まいだ。
色々と親近感が沸くぜ。というか盆地って英語でBASINっていうんだ。
勉強になるなぁ。さすが岡崎マジパネェ。


正直『MUSIC VIDEO』のPVを観たとき、
「こいつやりやがった!」と思ったと同時に、
「この芸風でどこまでいけるのか…?」という心配もあった。


「作風」ではなく「芸風」である。彼の作品は最早「芸」だった。
そしていつまでそのネタが尽きずに曲作り出来るのかが不安だった。

だが彼のこのアルバムを聴いてまだ彼は全然やれそうだと感じた。
『MUSIC VIDEO』だけじゃない、さすが岡崎マジパネェ。


一曲目『Explain』からロックだ。既存のJ-POPへの挑戦とも言える。
カッコよさげなイントロから入って歌が始まったかと思いきや

ゴリゴリのイケてるイントロ終わってここがAメロ

なんて歌詞が始まる。俺の気持ち完全に読まれたよ。メンタリストかよ。

そしてピアノが入ってきたタイミングで

この辺りからピアノが入ってきていい感じになる
メジャーで活躍するバンドがやりがちなアイデア

と歌い上げる。ここで曲の趣旨を理解した。こいつまたやりやがった

サビに入ると「ここからサビ!」2番のサビでは「『Explain』、説明してるだけの曲である。

そして2曲目はあの『MUSIC VIDEO』が続き
その後も他の人気曲『家族構成』『FRIENDS』だ。

特に『FRIENDS』のバンド攻撃はヤバイ
ギャラが分割されるバンドに対してソロなら100%自分のものだと歌う。
そして「バンドざまあみろ!バンドざまあみろ!」の連呼。
岡崎マジでやりやがる。マジパネェ。あんたこそロックだよ。

続く『Voice Of Heart』では結構真面目に曲をやっているかと思ったら、
途中から「やべぇ…歌詞が出てけーへん…」と語りが始まる。
そして歌そっちのけで「バイトの冷凍食品の発注かけたっけ…」と、
次々と心の声が飛び出てくる。そう、まさに『Voice Of Heart』だ。
そして最後はパニックになって終わる。サイケデリックである。

とにかく音楽に対するメタ的表現がスゴイ。
ここまでやれるならきっとこれからもやってくれるんじゃないか、
そんな気持ちにさせてくれるアルバムだ。


そして『Outbreak』を挟み、ラスト2曲は本気で真面目な曲となる。
まぁ多分本人はこっち路線の曲がやりたかったのじゃないかと思うが、
注目を浴びるきっかけがユニークな曲だったお陰で、
少しこの辺りが捻じれてしまった辺りは本人の悩みどころかもしれない。

真面目な曲も全然悪い曲ではないのだが、
いかんせん前半の曲のインパクトが強い上に実際面白い曲だったので、
バランスとしては中途半端に終わってしまった感がある。
ただ「こういう曲だってやるんだ!」という彼の意思は伝わった。

今後も色々とネタを振りまいてくれそうな予感がぷんぷんする岡崎体育。
そんな楽しい期待を感じる事ができる意欲作だ。
盆地住まいで太り気味の奴は特に親近感を抱きながら聴け。

あとそのノリでついでに俺にも親近感を抱いてくれたらナイスだ。

【採点】
・岡崎マジパネェ  30点
・岡崎やりやがった 20点
・岡崎意外と真面目 20点
・岡崎の本名は岡   1点
71点