脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】LCD Soundsystem / Sound of Silver [2007]


俺のアンポンタン。

Sound of Silver Sound of Silver
LCD Soundsystem

曲名リスト
1. Get Innocuous!
2. Time To Get Away
3. North American Scum
4. Someone Great
5. All My Friends
6. Us V Them
7. Watch The Tapes
8. Sound Of Silver
9. New York, I Love You But You're Bringing Me Down

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情報弱者、情報強者なんて言いまわしを目にする事があるけど、
個人的にはアレ、どことなくマウンティングのような意図を感じるので
あんまり好きな言葉じゃないのよね。

まぁ置かれた環境によっては
情報弱者的な立場に陥る事はあるのだろうと思うが、
情報強者となるとなんともむず痒い。

情報強者ってのは
本来ならそのジャンルの最先端に携わっている人を指すんだろうけど、
ネットや本なんかで誰でも獲得可能な知識で情報強者と言われても
あまりピンと来ないわけで。

それでももちろん情報は多く知っているに越した事はない。
弱者でいいなんてもの好きはトールギスに乗ってる彼奴だけで十分だ。
ガンダムトライエイジ/TPR-029 トレーズ・クシュリナーダ【箔押し】
あ、彼は弱者じゃなくて敗者か…。


フジロックサマソニと夏フェスの情報が大分出てきているが、
最近音楽についてもすっかり情報弱者になっていた俺は
後追いで今年の来日アーティスト情報を見ていた。

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サマソニはカルヴィンハリスにゴリラズ
フジロックはエイフェックスツイン、ビョーク、フーファイが
ヘッドライナーか。なんだかんだで大物が揃った感。

そーいやゴリラズは新作出すらしいし話題だね。
フーファイは2年前はフジロックのヘッドライナーだったけど、
早くもサマソニで再来日かー。


あれ…?フジロックの出演者… 
LCD Soundsystem…?
活動休止してなかったんですっけ?? いつの間に復活した?

調べたらなんと2年前くらいから復活してたっぽい。マジか。
LCDが出演する事以前に彼らが復活していた事すら知らなかったよ。
こういうところが洋楽好きから情弱wとか馬鹿にされるんだよなぁ。

洋楽好きのそういうところホントウザい。
アイツらが食うスイーツ全部和菓子に変えて、 
しっかり日本の道徳の教科書に準拠させてやりたい。


まぁと言ってもLCD Soundsystemについては
そもそも日本ではあまり馴染みがないんじゃないかと思う。

割と一般人に近い感覚の俺の嫁LCDを知ってるか質問してみたところ、
「え?何それ?音楽ソフトの名前?そんな事より早く風呂洗って欲しい
とぐうの音も出ない回答を戴いた。ごめん、風呂洗うの良く忘れてごめん。

実際、知らない人には音楽ソフトの名前と勘違いされても仕方ないのが
彼らLCD Soundsystemだ。2000年代に人気となった、
アメリカのダンスサウンドを奏でるバンドである。

特に2007年に発売されたこの彼らのアルバム、
『Sound of Silver』は各方面から多大な評価を受け、
21世紀を代表する名盤の一つとして挙げられる事も少なくない一枚だ。


といいつつ俺も当初はこのアルバムの良さが良く分らなかった人間だった。

洋楽ってレンタル開始が遅いうえに入荷するかどうかも分らないので、
購入という選択肢が結構強くなるジャンルである。輸入盤なら安いし。

そんなわけで当時学生だった俺はお金もそんなに余裕が無かった事もあり、
色んな洋楽の新作を買ってはPCに取り込んで一通り聴いて、
別に持っておく程ではないと判断した場合は売りさばくという
資本主義の歯車として洋楽シーンを堪能していた。

このアルバムも確か買ったけど売りさばいた中の一枚だった気がする。
人からは「なんでそんな事するんだこのアンポンタン」と罵られそうだ。
すまん、許してくれ。当時トレーディングカードゲームとかもやってて
お金が無かったんだよ俺。あれも金使うもんなぁ。


だから先日久々にこのアルバムを聴いてみた。
懐かしい感じが蘇ってくる。ああ、こんなんだったなぁ…。

うん…?あれ?このアルバム実は良くね

俺のアンポンタン。こんな良作の魅力に気付かなかったなんて。
どうせ数年後暴落する事が分ってるトレカよりも、
価値を保ち続けるであろうこのアルバムを選ばなかっただなんて。

しかし改めて聴くとこのアルバムは良い。
何が良いって10年前の作品なのにすごい鮮やかに活き活きとしている事。
「色褪せない」などというといきなり陳腐な表現になるが、
だが敢えてこの作品には使いたい。このアルバムは色褪せない


デジタルサウンドというと無機的で冷たい印象もあると思うが、
このアルバムは不思議なまでに有機的で温かみを感じるのだ。
電子音なのにまるで人間が楽器を使って奏でているかのような不思議な感覚。
ダンス・ミュージックでこんな気持ちになれる事はそうそうない。

リードトラックでもある『All My Friends』は評価も高い彼らの代表曲。
J-POPのようなタイトルの曲だがなかなかに熱い歌詞、
そしてそのピアノから始まり緊張感と高揚感が高まっていく展開には
ただただ息をのむしかない。 見事だ。この雰囲気だけで酔えちゃう。


2010年代になって電子音楽も色々な形で表現させるようになったが、
今振り返るとやはりこのアルバムって一つの分水嶺だったのかもしれない。
彼らは2011年に解散したのだが、後進への影響は大きかったと思われる。

なんなんだ俺、マジでなんでこのアルバム売ったんだ。 あんぽんたん
そんなにトレカで強いカードを手に入れて友人に勝ちたかったのか。
うん、そうだろうねきっと。それも大事な事だったんだよ多分。


だが俺は社会人になって、昔売ったCDを買い戻したパターンが結構ある。
その殆んどが2000年代の洋楽だったりするのがまたなんともだが。

よし、このアルバムも買い戻そうかな。
最近またマンガを10冊くらい買ったけど買いなおそうかな。
結局社会人になってもお金が足りない。俺も変わってないなぁ。

そしてもう一つ改めて気づいた事がある。
このCDってジャケットの向きはAmazonに映ってる方向が正しいのかね?
俺はてっきりもう90度右に回転させた方向が正しいと思ってたよ。

情報弱者って怖いね。私は強者になりたい…。


【採点】
・いつの間にか復活 30点
・実は名盤だった  50点
・なぜ売ったし   -2点
・買い戻したい    5点
83点