脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】上坂すみれ / POP TEAM EPIC [2018]


クソアニメにクソじゃないOP。


昨年は日本アニメ100周年という事でアニメに注目が集まった年だった。
そんなわけで俺もアニメ関連の記事をやたら書いた記憶がある。

drr.hateblo.jp


それはそれは俺の中ではもうアニメ>>>ロックな年だった。
ぶっちゃけハイスタの新作よりけもフレ2期のニュースに喜んだ。
LINEでわーすごーいたのしーを使いまくって後輩に引かれた。


そんなわけで今年はアニメの話題はトーンダウンしようと思ってたけど
もぅマヂ無理。ポプテピピックの勢いには勝てなかったよぉ…。

こんなクソアニメの記事書くなんて誰でもやってる事だし、
ガチ考察されてる方々も沢山いるし、俺がやっても…とか考えてたけど
あの忌々しきエンドレスエイトネタをやりやがったので
さすがに放置するわけにはいかなくなった。
どーもエンドレスエイト被害者の会です。リアタイで喰らった世代です。

animeanime.jp


まぁ内容は別にエンドレスエイトとは直接関係無かったけど。
ただ単純なパロディとも思えないところがポプテピの魅力。


えーっと、ポプテピピックを良く知らない方に一言で説明すると
今大人気のクソアニメ。以上。
SNSでポプテピのアイコン使ってるヤツはもれなくクソ。
そういう意味では交友関係を整理するのに便利なアニメだ。

大量のパロディ要素を含んだブラックユーモア、
15分構成アニメを直後に「再放送」する事で30分間もたせるという暴挙。
そして毎回変わる声優陣。何でもアリのカオスアニメである。

こんなやりたい放題が出来てしまうのは、
ポプテピピック自身が自ら「クソ漫画」「クソアニメ」と呼んでいる事だ。

何をやっても「どーせクソ漫画だしw」で片づける事が可能な防御力。
ヤンキーが「どーせ俺らダメ人間だしw」みたいに開き直るのと一緒。
ずるい。どれだけ批判しても響かない。ポリコレ警察もお手上げ案件。
金八先生でも難攻不落の腐ったミカンなのである。

まぁどんだけクソなのかは観て貰った方が早い。

いいですねぇ、これはいい感じのクソっぷりですよぉ。
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そして先日はあのアニメ史において伝説として語り継がれている
アニメ涼宮ハルヒエンドレスエイトを再現しやがった。
同じ内容の話を8回流すという恐怖。あの記憶を蘇らせてきた。


まさに何をやっても良い・何でもアリの無敵状態なアニメ、
そのOPテーマはアニメタイトルでもある『POP TEAM EPIC』だ。
頑張って発音すればギリギリポプテピピックなオシャレなタイトル。

正直、絶対俺はカオスなクソ電波ソングなんだろうと思ってました。
が、何故だかOP曲は結構クソ真面目に作られていたんですわ。
おいおい、曲にも中指立ててやろうと思っていたのにどうしたよ。


小室哲哉中田ヤスタカ的なデジタルサウンド。それも結構重め。
普通にカッコイイアニソンとして成り立ってしまいそうなクールさだ。
確かに作中でゲームをパロディする事も多いし、
電子音がOPになっているのはイメージとしては合っている。

歌詞についても作品のカオスっぷりを忠実に守っているが、
電波系というよりはややヴィジュアル系寄りの世界観。
「打ち切りの先でまた会えるよ」の部分にだけニヤリとするが、
90年代以降のサブカル的な雰囲気が出ていて実にまともな内容である。

いやホント、なんで曲だけ真面目やねん
逆に拍子抜けである。ここもクソだったらちゃんと糞まみれだったのに、
曲がしっかりしているせいで逆に画竜点睛を欠くという不思議な事態。
クソアニメなら曲もしっかりクソにして欲しかった…。
ああ、何だこれ。どんな気持ちなんだ俺。

でもこの曲のYoutubeのサムネイル画像が
すみぺじゃなくてMVの途中に出てくる謎のじいさんである点だけは
ちゃんとクソだなぁって思った。良かった良かった。


あと全体的にちょっと電気グルーヴ感があるなと思ってたら、
どうやらホント電気グルーヴとコラボしたらしい。

www.oricon.co.jp


ポプ子とピピ美が石野卓球ピエール瀧に対応しているらしいぞ。
これは普通に欲しいクソTシャツだ。結構ファン層被ってそうだしね。


思うにこの作品の強さってやっぱり柔軟性なんだと思う。
ハルヒ電気グルーヴの件のように「何にでもなれる」という不定形。
このポプテピピックという作品は自らを敢えて”規定しない”事で
どんなものも入り込んでしまえる「器」になりきっているのだ。

ガンダムUCフル・フロンタルが自らを「意志を受け入れる器」と
表現したように、このポプテピピックに登場するポプ子とピピ美は
これまでの過去のサブカルの流れを一手に引き受けて再現させる
格好のパロディキャラとして描かれているとも言える。

声優が毎回変わっていくのも、そういった「器」のキャラだからだ。
何者でもない。でもだからこそ気兼ねなく何のパロディもこなせる。
パロディってのはやり過ぎると反感を買う事が多いんだけど、
ポプテピピックは自らを徹底して「器」にする事で、
これまでのサブカル的要素のハブとなるポジションを獲得したのだ。


うわ、やっべー。結局俺も気持ち悪い考察書いちゃったよ…。

しかしこの作品がここまで人気になったのは、
やっぱり皆が「何者にもなれない」事に気付き始めた時代だからかも。
個性だの多様性だのが叫ばれる時代の歪みのようなものを感じるの。

勿論自分と同じ人間はこの世に二人として存在しないオンリーワンだ。
しかし本当の意味でオンリーワンになる事がいかに難しいか、
それをみんながうすうす感じるようになった。

結局凡人ってのは人生そのものが誰かのパロディにしかすぎないのよ。
「あなただけの人生」なんてキラキラした言葉を言われても、
誰かに既定された道を誰かと同じように進む人間が大半なの。
羽生結弦を見て彼と同じような人生を自分に重ねられるわけがないの。

そんな時代においてこの『ポプテピピック』がありとあらゆる要素を
吸収しては吐き出すパロディ製造マシーンとして人気になったのは、
必然だったんだよ。自分は何者でもない、でもそれでいい。
誰かのパロディになれる。それだけで十分じゃないか…


…なんてそれっぽい解説を繰り広げてはみたけど、
多分このアニメもやがてはハルヒけものフレンズ等と同様に
「時代を彩った伝説的アニメ」として語られていく事になるんだと思う。

そしてこの2018年を振り返ったとき、
このクソアニメはその文脈の中で「偉大なクソアニメ」として
評価される事になるのだ!

面白い。さぁ、みんな中指を立てようではないか。
ポリコレ警察なんか知らないぞ。
俺たちはクソ野郎だ、でもクソ野郎でも生きていていいんだ。
そんな勇気をくれたクソアニメに中指!万歳!


【採点】
・クソアニメ     ー40点
・クソじゃないOP   50点
・最強のパロディキャラ 50点
・Tシャツ欲しい…    3点
63点

POP TEAM EPIC 【期間限定アニメ盤】 POP TEAM EPIC 【期間限定アニメ盤】
上坂すみれ

曲名リスト
1. POP TEAM EPIC
2. 増殖罵倒少女の愚恋
3. ミッドナイト□お嬢様
4. POP TEAM EPIC (off vocal ver.)
5. 増殖罵倒少女の愚恋 (off vocal ver.)
6. ミッドナイト□お嬢様 (off vocal ver.)

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