脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】NUMBER GIRL / OMOIDE IN MY HEAD [1997]


君がOMOIDEになる前に。


暫く前のバレンタイン。2/14。

俺はもう別にチョコなんて要らないし、
なんならホワイトデーにお返しせにゃならんので
義理だろうがなんだろーが貰うのも少し面倒だったり。

ホワイトデー、分かってんだろうな?」的なあの圧。
そう、女子たちが男子たちに足枷を巻きつける日。
それがバレンタインなのだ。だから女子は怖いの。
奴らと相対するには言葉の裏の裏まで忖度しなきゃいけないの。


そんなわけで先日のバレンタインデー、
女子が怖い俺は女子は女子でも女子ではない女子、
ナンバーガールのライブ盤を聴いていた。



なんだろう、バレンタインのあの日、
俺はナンバガがふと聴きたくなったのだ。
最近も色々聴きたい曲はあったんだけど、
でもナンバガがふと聴きたくなったのだ。


そんなバレンタインデーの翌日、2/15。
職場の昼休み中に俺はその事実を知る。

news.nifty.com


ああああああああああああああああああ
ままままままままままマジかああああああ

俺は目を疑った。
自分は幻覚を見ているんじゃないかと思ったのだ。
でも間違いない。あのナンバガが復活するのだ。

ハイスタの復活の時もエルレの復活の時もビビったんだけど、
ナンバーガール復活のニュースを見た俺は
なんだか泣きそうになっていた。こんな事があろうか、と。

なんだろう、
ナンバガの再結成だけはもう無い気がしていたのだ。
あのバンドは歴史に刻まれてしまった感があった。

だが今年のライジングサンのステージで帰ってくる。
ナンバーガールの歴史が一度終結した北の大地で、
17年の時を経て今度は復活する!なんというビッグニュースだろう!


俺が高校の時に解散したバンド、ナンバーガール。

ライブで観た事は無かったけど、本当に好きなバンドだった。
ある日突然、友人から「ナンバーガール解散するってよ」と聞いた。
ショックで言葉にならない「えっ…」を漏らした。あ、言葉になってた。

高校の時のナンバガが解散したときのあの時の感情。
そして復活の報を聞いたこの2019年の今の感情。

あの時の感情はこの今の感情を味わうために、
ずーっと俺の中で17年間貯めていた感情だったのだ…。
あの時、頭の中で途切れていたOMOIDEが、今年蘇った!


宇多田が「仕事にも精が出る金曜の午後」とか
歌ってたけどあれはウソだね。
2/15の金曜の午後、全ッ然仕事手につかんかったわ。
むしろ午後休み取りたかったくらいだわ。

俺はツイッターやってないけどその時だけはあのなんか目障りな
「邦ロック好きと繋がりたい!」的なタグで繋がりたかった。

同じ頃にマイナンバーがどうとかのニュースもあったけど
その文字すらナンバーガールに見えてどうしようもなかった。
ちなみにその日はハンバーガー買って帰った。


ナンバーガールというバンド、
俺は度々このブログでも触れてきたけど
やっぱり知らない人はまだまだ多いと思うの。

知らんかった人はとりあえずまぁこれでも読んでくれ。

drr.hateblo.jp

 

先日アジカン後藤のプライベートスタジオが
テレビで流れれたんだけど、壁にナンバーガールの
札幌ラストライブのポスターが貼ってあったなー。

とにかくナンバーガールは
2000年代以降の数多くのバンドに影響を与えた
邦ロックの立役者なんだよ。


あとはナンバガが登場するこの漫画も読んでおけ。

shonenjumpplus.com


1・2話無料だから読め。ナンバガがどういうバンドか分かるぞ。


さて、というわけでナンバーガールの話題と言えば
この曲は避けて通れないでしょう。『OMOIDE IN MY HEAD』。

これはナンバーガールの記念すべき1stアルバム
『SCHOOL GIRL BYE BYE』の1曲目なんだけど、
やっぱりこの曲を聴くならライブバージョンだ。


そう、ナンバーガールを聴くならばライブ盤は欠かせないのだ。

上記の漫画『ロッキンユー!!!』の中でも描かれていたが、
初期衝動が詰まった『シブヤROCKTRANSFORMED状態』と
解散のラストライブ『サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態』
の2枚のライブ盤(札幌は2枚組なので正確には3枚)は必聴である。


とにかくライブ盤のあの熱気、音圧、疾走感、
あと合間合間で入ってくるボーカル向井秀徳のMC、
あれこそがナンバーガール最大の魅力と言っても過言ではない。


「えーっ、ごちゃごちゃしたライブ盤よりも
 ちゃんとした音源の方が聴きたい!!」とかいう人。
ボーっと生きてんじゃねーよ。チコちゃんに叱られろ。

ナンバガはマジでライブ音源が最強なの。
なんならボーカル向井のMCまで重要なの。
ガチのナンバガ好きはカラオケで向井のMC部分から歌うからな。


というわけでこの曲『OMOIDE IN MY HEAD』を聴くなら
原曲よりもライブ版だし(特にこの曲は原曲とライブで全然違う)、
特にサッポロのラストライブの最後で披露された際の
このバージョンこそが至高なのである。



ちなみにこの動画ではラストライブ・ラストソングと書いてあるけど、
正確にはこの曲の次に『IGGY POP FAN CLUB』が演奏されて終了だ。


「ドラムス、アヒトイナザワ!」の合図と共に曲がスタート。
ドラムロールから唸りを上げるように響くイントロに突入し、
各メンバーの楽器が思い思いになり始める。

それは最初まとまりが無く好き勝手弾いてるようにも聴こえるが、
しかし徐々にそれぞれの糸が絡まって一本の太い糸になるように
次第に音が束ねられて繋がっていく。あの感じが堪らなく好き。

そしてそんな音の絡まりが最高潮に達して、
メインの前奏が始まるあの直前の瞬間に
「オイ!」と雄たけびを上げるライブ会場の観衆。

『シブヤROCKTRANSFORMED状態』のときよりも
ずっと大きくなった皆の雄たけびがサッポロでは聴ける。
これがラストライブなのだという心の叫びも上乗せされて、
皆の気持ちが一つになった「オイ!」はまさにライブ音源ならではだ。


あと声も楽器の一部と捉えるナンバガのスタイル故、
全くと言っていい程歌詞が何と言ってるのか聞き取れない
だがそんな事はこの曲を聴く上では全く関係が無い。

向井のボーカルは楽器と共に在るのだから。
ギターと歌い、ベースと歌い、ドラムと歌う。
それが向井の、ナンバガのボーカルスタイルだ。

バンド全体で歌い奏でる、そんな音が聞こえてくるだけで
脳が体が全身が本能的に気持ちいいと感じる音楽。
この曲は理屈で考える曲ではない、感じる曲なのである。
今、俺すごい良い事言ったよ。考える曲ではない、感じる曲なのだ。


また高難易度リスニング問題となっている
その聴き取りにくい歌詞も、ちゃんと読めば詩的でカッコよい。

ポケットに手を突っ込んで
センチメンタル通りを練り歩く
17歳の俺がいた 


の「センチメンタル通り」ってのは
きっと邦ロックの先駆け的存在の一つ、
はちみつぱい先輩の『センチメンタル通り』の事だと思われる。



ナンバガはこの文学的な歌詞と硬質的なロックというスタイルで
邦ロックに一つの大きな金字塔を打ち立てたバンドなのだ。
2000年代以降に文学的な歌詞のバンドや硬質的な音を鳴らすバンドが
次々に台頭してきたけど、どれも漏れなくナンバガの影響下にある。

ちなみにこの『OMOIDE IN MY HEAD』、
6分を超えるなかなかに長尺の曲なんだけど全く長さを感じない。
それくらいに極上の時間を堪能できる究極のロックナンバーと言える。


先日はナンバーガールの再結成と言う事で、
ナンバガのツイッターや検索のトレンドが一気に上昇したようだ。

トレンドが1~3位までナンバガ関連で埋まるという珍事。
ナンバーガールが再びこんな話題になる未来が来るとは、
一体誰が予想していただろうか!

…と同時に、思った以上にみんなナンバーガールが好きなんだな
とちょっとビックリもしたんだよね。


正直ナンバーガールは当時はそんなに有名ではなかったハズである。

ナンバガと言えば”音楽好きの間では有名”って感じで、
オリコンのチャートでトップテンに入った事すら無くて
一般的には全然名の知れていないバンドだった。

それもそのはずで、ヴィジュアル系が人気だった頃に
当時のロックバンドのイメージとはかけ離れたヴィジュアル
(どこにでもいそうな出で立ち)でメジャーデビューし、
轟音で何言ってるのか分らないような曲を奏でるんだもん。

そんなバンドが一般的に認知されたはずがないんです。
「ナンバガは凄かった!」と言っても決して皆が聴いてたわけではなく
世間的には知らない人間の方が大多数だった事は間違いないんです。


しかし、今回のこの騒がれっぷりはかなり凄いと思った。
つまりそれだけ彼らは解散後から現在に至るまでも
ずっと多くの人に聴かれ続けていたバンドだったという事だ。

確かにナンバガは当時はそこまで売れてはいなかった。
でも2019年に彼らの再結成にこれだけ盛り上がれる人間がいる。
売り上げだけでは測れない、そんな何かがナンバガにはあった
それを17年越しに見せつけたナンバーガールはやっぱり凄いのだ。


どうやらナンバーガールはあのままOMOIDEでは終わらないようだ。
皆それぞれのOMOIDE IN MY HEADが再び動き出すぞ。
君がOMOIDEになる前に、もう一度歌ってみせて欲しい。

どこまで活動するのかは分からないし音源を出すのかも分からない。
個人的にはライブだけの期間限定復活とかの方が、
なんとなくナンバガのブランド的には良い気がしている。

でもこれは是非とも観たい。RSR以外のフェスにも出るんだろうか。
地元福岡のNUMBER SHOTとかには来ないのかな。
時期的にNUMBERSHOTの方がRSRの前なので無さそうだけど。
RIJもRSRより開催が前だしな…。とにかく今後の動向が気になる。
佐賀さいこうフェスに来てくれたりしたらさいこうだけどねw


俺は昔、自分の車に「BABY IN CAR」のマグネットを改造した
OMOIDE IN MY HEAD」を貼り付けようなどという
若さ故のとんでもない黒歴史を製造しようとした事があった。

結局そのアイデアは実行に移される事なく
子どもが出来てからも「BABY IN CAR」すら貼ってないんだけど、
今頃になって無性に作りたくなってきたぜ。

これを機に作って楽しいOMOIDEにしてみるのもいいかもしれない。


【採点】
・まさかの再結成     30点
・未だに衰えない人気   30点
・ライブ盤でこその魅力  30点
・ライジングサン行かねば… 1点
91点