脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】吉田拓郎 / 今日までそして明日から [1971]

歌詞の底知れぬ普遍性。

 

よしだたくろう」と平仮名表記で活動していた頃の曲かな。
フォークロック&ニューミュージックの大御所、吉田拓郎氏の人気曲。

当然リアルタイム世代じゃ無いのだが、
吉田拓郎と言えば一般的なフォークというよりも
どちらかというとニュー・ミュージックのイメージだ。
フォークというカテゴリには収まりきれない方だとは思うが。


で、この曲「今日までそして明日から」なのだが、
クレしんの大人帝国でも挿入された曲としても有名だ。

とにかく俺はこの曲の歌詞が好きだ。

「わたしは今日まで生きてみました」

みました”ですよ!
”きました”ではなく!
この違い、これだけでこの曲の印象がガラリと変わってくる。

「生かされている」のではなく、
「自分の意思で生きている」という主体性に加え、
”みました”と言う事でなんとなく
死ぬ理由も無いから生きているんだよという
主体性はありつつもちょっと生気の無さを感じるという
絶妙なニュアンスまでが表現されている。

「時にはだれかにしがみついて」
「時にはだれかをあざ笑って」
「時にはだれかにうらぎられて」
「明日からも
 こうして生きて行くだろうと」

誰にでも思い当たる節があるような共感できる歌詞だ。

本当にストレートな表現ってこういう事なのだ。
明るい部分も暗い部分も含めて歌う。
昔の曲ってこういう正直な所が多いのも魅力的である。

そして曲全体を通して
このような事がただただつらつらと述べられて終わる。
特に決意や希望のようなストーリー性もなく、
こんな生き方が続くという話だけで終わるのだ。

これがまたいいんだよ!
生き方について歌っていてかつぜんっぜん説教臭くない。
そこから先はリスナー自身でそれぞれ受け取って
それぞれ考えようという余地がある。

でも別に考えなくてもいい。
そうだよねこうして生きてくんだよね、で止めてもいい。

つまりこれは恐ろしい程に超普遍的で全人類的な歌なんです。

そこがこの曲の恐ろしさだ。
全人類にリーチする守備範囲の広さ。
どうせなら自分の意思で生きていたいものだ。


【採点】
・誰もが共感する人生観     30点
・懐かしくも心地よいメロディー 20点
・余韻を残す歌詞        20点
・大人帝国良かったよ       2点
72点

GOLDEN☆BEST 吉田拓郎~Words&Melodies~ GOLDEN☆BEST 吉田拓郎~Words&Melodies~
吉田拓郎 よしだたくろう

曲名リスト
1. 明日に向って走れ
2. せんこう花火
3. 元気です
4. こうき心 ’73
5. 言葉
6. 旅の宿
7. 花酔曲
8. ビートルズが教えてくれた
9. 暮らし
10. 金曜日の朝
11. 夏休み
12. シンシア
13. たどり着いたらいつも雨降り
14. おきざりにした悲しみは
15. まにあうかもしれない
16. 襟裳岬
17. ひらひら
18. 唇をかみしめて
19. 落陽
20. 人間なんて
21. イメージの詩

1. 春だったね ’73
2. マークII ’73
3. ともだち
4. 流星
5. 知識
6. 加川良の手紙
7. 伽草子
8. どうしてこんなに悲しいんだろう
9. 都万の秋
10. おやじの唄
11. 贈り物
12. 結婚しようよ
13. 風邪
14. となりの町のお嬢さん
15. 祭りのあと
16. 制服
17. 外は白い雪の夜
18. 7月26日未明
19. 人生を語らず
20. 今日までそして明日から

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