脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】PIZZICATO FIVE / 東京は夜の7時 [1993]


(残業せずに)早くあなたに逢いたい。


東京は夜の7時。リオは朝の七時。

まさかね、あのピチカート・ファイヴの曲が
リオデジャネイロパラリンピックの閉会式で流れるとはね。

⇒パラ閉会式で「東京は夜の七時」に再注目 元「ピチカート・ファイヴ」野宮真貴も「嬉しい気持ち」 : J-CASTニュース


椎名林檎が編曲で浮雲がボーカルという特別バージョンだ。

しかもこれがまたすっごいオシャレでカッコイイの。
そして東京とリオが互いに地球の裏側という事でこの曲を選んだセンス。
椎名林檎の仕業か。歌詞もいい感じにアレンジされてて椎名林檎スゲェ。


そんなわけでリオで脚光を浴びた曲の原曲、
ピチカート・ファイヴの『東京は夜の7時』だ。
カタカナ表記の場合「ファイブ」じゃなくて「ファイヴ」だからな。
エヴァンゲリオンの事をエバンゲリオンって書くと怒られるのと同じだ。

J-POPの全盛期だった90年代、
ヒットチャートとは別の場所で親しまれていた潮流「渋谷系」。
そんな渋谷系の代表格として活躍していたのが彼らの代表曲がコレだ。

当時の渋谷のCDショップのヒットチャートは、
オリコンのような全国区のチャートとはまるで別の国かってくらいに
内容が違っていたらしい。都会的で洗練された音を好む若者に
こういった音楽が受け入れられ渋谷系が発展していたわけである。

この感覚は90年代サブカルを通ってきた人間には懐かしいだろう。
大量発生したオリーブ少女、ピチカートを聴き、岡崎京子を読み、
コーネリアス派と小沢健二派で仁義なき戦いを繰り広げていた頃の空気。

ちなみにこの辺りの90年代サブカルの匂いは、
東村アキコの『かくかくしかじか』でも出てくる。
この漫画ホント面白くて泣ける。オススメ。
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東村 アキコ
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実にオシャレでウキウキワクワクするような空気感をまとった音楽。
渋谷系を通っていない人間でもこのウキウキな感覚は分かるだろう。
聴いてるだけでオシャレな洋服を身に纏ったかのような気分になる。
今の俺は実際は白シャツにパンツ一枚の裸の大将みたいな格好だが、
この曲さえ聴いてればもう俺はシティボーイなポパイ男子なのだよ。


しかし今思うとこの90年代サブカルの感じって不思議なもんだよ。
まだバブルの残り香があったのかそれとも新しい時代への希望なのか、
混迷した時代の中で「華やかな東京」の文化が生まれたのは面白い。

でもそんなサブカルポジションが、
2000年代中盤以降になると浅野いにおとか相対性理論なわけだから、
渋谷系の華やかさも当時は新しい日本の潮流だったとはいいつつも、
振り返ると実は「最初で最後の花火」だったのかもしれないとも思った。


ワクワクするようなタイムスリップに連れていってくれる音楽。
そう、東京は夜の7時なんだよ。嘘みたいに輝いてるんだよ。
だから残業なんかしないで夜の7時には帰ってあなたに会いたいんだ。

そんな時代の空気をいい加減汲み取って働き方改革しましょうよ。
なんてメッセージもこの曲から感じ取った田舎の夜の八時。

みんな早く帰って楽しい夜にしようぜ!


【採点】
・まさかのリオ五輪起用 25点
・これぞ90年代渋谷系  25点
・聴けば誰でもオシャレ 25点
・「ファイヴ」な     5点
80点

singles singles
小西康陽 ピチカート・ファイヴ

曲名リスト
1. スウィート・ソウル・レヴュー
2. 東京は夜の七時
3. ハッピー・サッド
4. スーパースター
5. 陽の当たる大通り
6. 悲しい歌
7. ベイビィ・ポータブル・ロック
8. メッセージ・ソング
9. イッツ・ア・ビューティフル・デイ
10. モナムール東京

1. 大都会交響楽
2. 恋のルール・新しいルール
3. きみみたいにきれいな女の子
4. ウィークエンド
5. プレイボーイ・プレイガール
6. ダーリン・オブ・ディスコティック
7. ノンストップ・トゥ・トーキョー
8. パーフェクト・ワールド
9. 東京の合唱 ~ 午後のカフェで
10. 12月24日

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