脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】B'z / DINOSAUR [2017]


ダイナソーですが何か?

DINOSAUR (通常盤) DINOSAUR (通常盤)
B'z

曲名リスト
1. Dinosaur
2. CHAMP
3. Still Alive
4. ハルカ
5. それでもやっぱり
6. 声明
7. Queen Of The Night
8. SKYROCKET
9. ルーフトップ
10. 弱い男
11. 愛しき幽霊
12. King Of The Street
13. Purple Pink Orange

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去年の話になるんだけど、B'zのライブに行ってきたんですわ。

12/24のクリスマスイヴ、福岡ヤフオクドームに行ってきたの。
クリスマスだというのにみんな良く集まってた。
いや、クリスマスだからこそB'zを観に来たのかもしれない。

ちなみにまだ小さいウチの娘は嫁の実家に預けた。
クリスマスパーティはしてない。娘へのクリスマスプレゼント?
いやウチ仏教だから。改宗しないとサンタ来ないって設定だから。

しかしライブは良かったなぁ。
稲葉の生歌で『いつかのメリークリスマス』を聴けて感無量ですよ。
あまりに沁みすぎてもう思わず心の中で俳句を一句詠んでしまった。

「最高だ いつかのメリー クリスマス」

俺の俳句のセンスの無さやべぇ。季語が入ってるだけ褒めてくれ。


さて、そんなB'zのライブツアーに先駆けて発売されていたのが
このアルバム『DINOSAUR』。ちびっこは皆大好き「恐竜」である。
あとダイナソーといえばダイナソー竜崎。レッドアイズの持ち主。

しかし、邦楽ロック好きにとってB'zというのは微妙な存在だと思う。

何故かって?そうだね、多分ロッキンオンのボス渋谷陽一のせいだね。
まぁ本当に渋谷氏が原因かどうかは知らないけど、
とにかくB'zというのは音楽評論でやたら敬遠されがちだったのだ。

今ではそうでもないかもしれないが、
少なくとも以前は評論家の間ではB'zは完全にスルーされていた。
だから邦ロック界隈でも「B'zはロックじゃない」みたいな言説があった。

理由はまぁ簡単で「分かりやすい売れ線のロック」だったからだ。
海外でいうとボン・ジョヴィとかジャーニー辺りもそんな扱い。

「大袈裟で仰々しいロック」だの「産業ロック」だの言われ、
そしてそんな評論を読んだロキノンボーイズ達も
あの手合いの音楽を聴くのは「ダサい」事だと刷り込まれていたのだ。


だがここ最近のB'zは違う。特段音楽性が変わったわけでも無いが、
露出も増えたしROCK IN JAPANのフェスにも出場して注目された。
それまでB'zを認めてこなかった層にも徐々に浸透してきている感じだ。

で、このアルバム『DINOSAUR』ですよ。
俺はこのアルバムタイトルを見た瞬間に、
「おお、B'zってロックだなぁ」と思った。

音楽評論には「ダイナソー・ロック」という表現があるのだ。
これは先程の産業ロックなどと同じようなニュアンスで使われる言葉で
大袈裟で古臭い、前時代的なロックといった意味だ。

そう、B'zもかつて「ダイナソー・ロック」と揶揄されていたのだ。
時代に取り残された大味でロックっぽい音楽をやっている、
そんな評価をされている事がしばしばあった。


しかしそれでもB'zはずっと人気を保ちながら活動の幅を広げ、
そしてなんと自らこの『DINOSAUR』というテーマを掲げた
大味なアルバムを送り出してきた!これはロックだぜ!

まぁまず表題曲の『Dinosaur』を聴いてくれ。
彼らの挑戦的な意思が十分に受け取れるはずだ。

Call me a dinosaur マネできんだろう
今を生きるのさ 人知れず進化して

ダイナソーと呼ばれてもなんのその。人知れず進化して生き残る。
「はいダイナソーです。で、何か問題でも?」という堂々っぷり。
自分たちに対する目線をも逆手にとって曲にするこのロック魂よ!

そんな表題曲の1曲目だけではない、
2曲目の『CHAMP』も攻めている。

I’m a champ, I am a champ
圧倒的じゃなきゃいけない

日本でぶっちぎりのセールスを誇る彼らだからこその強気なフレーズ。

そろそろトータルセールスでミスチルもAKBに抜かれそうな今、
最後の大きな砦となるのはチャンピオンのB'zってわけだ。
意外とあっさり抜かれたらちょっと恥ずかしいけど頑張って欲しい。

そんなB'zの逞しさを感じるアルバムだ。
後半がちょっとインパクトに欠けるけど『ルーフトップ』は好き。
あとシングルの『声明』『Still Alive』はとても良い。

ちなみにライブは『声明』から幕開け。
稲葉がイカしたスーツを着て記者会見のようなデスクを前にして登場。

声明
この度私は変わります

と歌い上げる姿にクスっと笑いつつもやっぱりイナバ。カッコイイ。

そしてラストが『Still Alive』だった。
『Still Alive』はライブで聴くと凄い良かったな~。


そういや最近B'zのキャッチコピーで
「THE ONLY SURVIVING HARD ROCK BAND IN JAPAN」
というのを見た。
日本で唯一生き残ったハードロックバンドという事だ。

確かにそうなのかもしれない。『Dinosaur』の歌詞に
「いつの間にか友も減ったけど」というフレーズがあって、
それはかつて一緒にやっていたけどもういない仲間たちの事なのかも。
そう考えるとB'zは万感の思いを込めてこの作品を作ったんじゃないかな。


ちなみに俺はB'zは結構聴いてたし
アルバムも10枚くらい持っているんだけど、
実はライブは今回が初めてだった。

きっかけはB'zファンの嫁の友人で、
彼女の誘いで俺と嫁と友人の3人で行ってきたんだが、
結果的に嫁が稲葉にゾッコンはまってしまってやっぱりイナバ。
顔も良けりゃ学歴も良いし運動も出来るし歌も上手い。超出木杉君。
頼むから来世は限りなくポンコツになって欲しい。

そんなわけでB'zを敬遠していた人にも是非聞いて欲しいアルバムだ。
ダイナソーと呼びたきゃ呼びな、そんな強気のB'zが感じられるぞ。

そしてもしかしたら、貴方も稲葉にゾッコンはまってしまうかもよ?


【採点】
・轟くB'zのロック魂 50点
・やっぱりイナバ  20点
・松本もクール    5点
・嫁を返せ     -2点
73点