脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Billie Eilish / WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? [2019]


日本よ、これが世界だ。

WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO? WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?
Billie Eilish

曲名リスト
1. !!!!!!!
2. バッド・ガイ
3. ザニー
4. ユー・シュッド・シー・ミー・イン・ア・クラウン
5. オール・ザ・グッド・ガールズ・ゴー・トゥ・ヘル
6. ウィッシュ・ユー・ワー・ゲイ
7. ホエン・ザ・パーティーズ・オーヴァー
8. 8
9. マイ・ストレンジ・アディクション
10. ベリー・ア・フレンド
11. イロミロ
12. リッスン・ビフォア・アイ・ゴー
13. アイ・ラヴ・ユー
14. グッドバイ

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日本では令和という新時代が始まったわけですが、
やっぱり今年はこのアメリカはロサンゼルス出身の彼女を
スルーするわけにはいかないのだろうと思っております。

今年最大の話題作と言っても過言では無い。

ビリー・アイリッシュの1stアルバム
『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』!!長いっ!
コートニーバーネットのあのクソ長い1stアルバムの時と同じ気分!!


しかしこのビリーちゃん、弱冠17歳のアーティストながら
世界各国のアルバム・チャートで軒並み1位を獲得し、
話題が沸騰中どころか沸騰しすぎて蒸発しちゃう勢い(蒸発するな)。

「まーたいつもの誇張表現が始まったよ」と思いましたか?
ああん?wikipediaの主要チャートの資料みせてやろうか?ああん?


ドンッ!

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When We All Fall Asleep, Where Do We Go? チャート一覧


見よこの世界征服っぷり。これで流行ってないなんて言わせない。
今世界中が大熱狂しているのがBillie Eilis。データは物語っている。

「でも全然名前を聞いた事が無い!」という方が日本人の大半だろう。
だって上のチャートの「Japanese Albums」の項目を見て戴きたい。
51位ですよ51位。なんだか異世界転生してきたみたいですね。


俺はこれまでもさんざん2010年代の日本は
悲しい程に洋楽の認知度が低くなっていると言ってきたわけだが、
つまり今回もやっぱり全然届いていないという事である。

日本は独自の音楽文化・音楽市場があるから国内だけで十分なんだ
という意見も勿論分かる。だがここまで乖離している理由は
やっぱり洋楽が日本で紹介される機会が圧倒的に少なくなっていて
「今世界で起きている音楽」が伝えられない状況にあるという事だ。


英語圏じゃないからそりゃ仕方ないという見方もあるだろうが、
昔は日本でも洋楽アルバムだってミリオンを記録していたし
今ならYoutubeのお陰で海外の音楽にすぐにアクセスできるんだから、
むしろ全世界で話題の彼女の曲を聴いてみない方が勿体ない!


何より俺はね、
ビリーちゃんって意外と日本でもウケそうだと思うんですよ。



このMVとか凄い日本でもウケしそうな気がしない?
特に若い人とか好きそう。アルバムの冒頭を飾る『bud guy』のMVだ。
今を生きる女の子のストレートな姿を感じる内容でずっと観ていられる。


しかしこのセンスはなんなんだ。

ダウナーな音楽でありがらしっかりとポップに仕上がっている。
ちょっととっつきにくいように思われるかもしれないが、
こういう音楽をすんなり受け入れてしまうのも今の若者なんだろう。

あと彼女の音楽はなんとほぼ兄弟2人による制作であり、
実質的に21歳の兄と17歳の妹のたった2人で曲を作っているというから
これがまた驚きだ。20歳前後にして恐ろしい才能の兄弟なのである。


4曲目『you should see me in a crown』は
日本が誇る現代アートの芸術家、村上隆とのコラボMVが存在する。



これがまたカッコイイ!!
彼女のクールな表情、そしてパジャマ姿などもビリーらしくて素敵。



ちなみにこの『you should see me in a crown』は通常のMVもある。
スマホ視聴に向けた縦型のビデオだが蜘蛛がわらわら登場するため
蜘蛛が苦手な人(俺の嫁)は視聴禁止だ。秒速でビリーが嫌われそう。


まー俺も今回の1stアルバムで彼女の事を知ったわけだが、
前々から評判は高くてこのアルバム自体かなり期待されていたようだ。
つーか去年サマソニに来てたのね。全然知らなかった…。

そういやフーファイターズのデイヴ・グロールが彼女のことを
「ニルヴァーナが浮上した頃のことを思い出させる」と言っていたので
ニルヴァーナが浮上した頃の事を経験(記憶)していない俺は
「なるほどーこれがその空気なのかー」と今噛みしめているところ。
なんか色々違う気もするけど本人が言ってるんだしそうなんだろう…


あと彼女のような現代アート的なミュージシャンが
これほどまでに一般的な支持を得ている事も凄いよね。



この『when the party's over』のMVなんかは
後半はもうホラーみたいで初見は結構怖かった。

そもそもジャケットも怖いし簡単に知人にオススメ出来ない感はある。
「え?ホラーとか好きなんですか?」とか勘違いされたら嫌だし。
ホラー映画が大の苦手だから。もう二度とウチで上映会すんなよ。


しかし彼女の音楽はジャンルとしてはダークポップ?
みたいな言い方になるんかな?最初ビョークっぽい音楽だなと思った。
ただボーカルのウィスパーボイスはビリーの特徴で、
最近流行りのASMRに近い気持ちよさがあるんだと思われる。

ちなみにこの『when the party's over』は
英国のバンドBring Me The Horizonもカバーしてたりするんですね。



こちらのバージョンもアリですなぁ。
あとBring Me The Horizonの新作アルバムも聴いたけど結構攻めてた。


このアルバムタイトルである
「When We All Fall Asleep, Where Do We Go」というのは
10曲目『Bury A Friend』の歌詞だ。

『Bury A Friend』は直訳すると「友達を埋めよ」なので
なんとも怖い気もするが、ここでいう友達は自分の中にある
怖さとか弱さみたいなものを指しているらしい。

しかしビリーの友達で昨年射殺されたラッパー
XXXTentacionの事だという話もあって色々想像させられてしまう。



うーん、この感じ!
ビリーの奔放なステージの映像イイヨー。

ビリーが乗ったベッドが宙づりにされているシーンは人の親なら
危ないから降りなさーい!」と言ってしまいそうなところだが。


怖い印象も受ける彼女だけど、
こういう動画を観ると俺は結構人懐っこいんじゃないかと考えたり。
俺もこんなライブに行ってみたいと思った。

ステージ上でも普段着のような衣装でパフォーマンスするのは、
あまり雲の上の人のようにはなりたくないみたいな事を話していた
本人の意図するところでもあるんだろう。

あと「女性なら笑顔にしてカワイイ服を着なきゃね」みたいな
押し付けみたいなものにも抵抗感を示しているそうなので、
彼女の表現スタイルにはその辺りも良く現れていると思う。


そんなわけで大注目の17歳、ビリー・アイリッシュ。
キャラクター性もあるし、若者を熱狂させる何かを秘めた
次世代のアーティストというオーラを纏っているのは間違いない。

俺は「こんなの日本じゃ流行らない」と断ずるのは早計だと思うし、
ちゃんとメディアで宣伝されていれば
もっと日本でも売れてたんじゃないかと推察する。

確かに英語圏に住んでいる方が伝わりやすいんだろうけど、
特に日本でも若い層なら俺たち大人が考えている以上に
意外ととびつきそうな気がするんだよなー。


洋楽だってもっと日本国民(特に若い人)たちを信じて
音楽メディアも色々と盛り上げてくれればいいのにと思う令和の曙。

ビリー・アイリッシュ、日本でももっと流行れー。


【採点】
・世界中で大ヒット  50点
・日本ではスルー  -20点
・次世代の若き才能  50点
・ちょっと怖いの苦手 -1点
79点