脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Song】トロピカル~ジュ!プリキュア / Viva! Spark!トロピカル~ジュ!プリキュア [2021]


やる気の出ない方、必見。

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やっほー!!みんなトロピカってる~???
気温も暑くなってきたし、いよいよ夏が始まるよーーーー!!


…更新が大分空いてしまいました。すみません。
あとまわしの魔女たちにやる気パワーを吸い取られてしまい
あとまわしになっていました。でも先日キュアサマーが助けてくれました。


いやね、最近色々と考えさせられる事があったんですよ。

一応それなりの期間、音楽ブロガーと言う名の音楽漫談家業をやってきたんだけど
なんだか今の音楽が置かれている状況を考えたときに一丁前に悩んだりしてね、
真面目な話。まぁその辺りはそのうち書こうかと思いますけど。


というわけで遅ればせながら今年のプリキュアの話だ。
今年のプリキュアはその名も『トロピカル~ジュ!プリキュア』である。

このブログを読んでいる方の何%がプリキュアを履修しているのか疑問ではあるものの
一応恒例行事なのでやっときます。あれ?去年はやってないっけ?
あー去年は病気でダウンしてたもんな。でもキュアグレースが助けてくれたんだよな。


さてさて、今年のプリキュアはもう見るからに暑苦しいアッツアツなプリキュアだ。
なんてったってトロピカルだからね。主人公はキュアサマーだからね。
うあー完全に陽キャじだよコレ。パスタと大貧民にマジギレしてそうなタイプだもん。

そういうわけでね今回のプリキュア、
陰キャでチー牛で漫画の実写化にマジギレするタイプの俺としては
どーしても最初はなかなか慣れなかったんよ。


だって観ました!?冒頭のオープニング曲の動画!
共感性羞恥の見本市みたいなこのオープニング!

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おいおいおいおいおいこの令和のご時世に小林旭のツイストかよ。
ヤバイ。10年前とかならまだしも、今やもう2児の父となった俺には耐えられない。

…というかもしやこの動き…!!
浜崎あゆみのリスペクトか!?

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ほーらやっぱ陽キャじゃん!

陰キャの俺だってなぁ、昔はあゆ好きだったんだよホント。アルバムも買ってたよ。
でもいつの間にか田舎のヤンキーの崇拝対象みたいになっちまってよぉ、
今日も佐賀ではあゆのロゴをつけたワゴンが走ってるんだよ何なんコレ。


…いかん、この曲は正直キツイ
このオープニングと1年間共に過ごさないといけないのか。
頼む、ぺこぱ、時を戻してくれ。え?トロプリも悪くないだろうって?
いや無理無理無理無理、俺がプリキュアに求めてるのはこんなノリじゃないんだよぉ!


…とか俺が勝手に悶えてたら。

この前小学生になったばかりの娘。めっちゃノリノリである。
録画したオープニングを何度も繰り返し体を動かしながら観ている。

え?そうなの?やっぱ子どもってそんな簡単にトロピカっちゃうの??
父さんはこんなにも嫌な汗をかきながら観てるのに、
子どもはそんなにも爽やかな汗をかきながら観てられるの??


そういえば昨年、『ヒーリングっど♥プリキュア』がやってた時、
娘が「もうプリキュア飽きちゃったかも…」と言い出した事があった。

その時はビックリした。だって当時はまだ娘は保育園児。
プリキュアを卒業するには早すぎる年齢である。
むしろ干支がそろそろ3周しそうな俺ですら卒業できていないというのに、
娘が親を追い抜いてプリキュアを卒業するなんて事があって良いのだろうか。


確かに昨年はコロナの影響で放送も停滞してたし、
『ヒーリングっど♥プリキュア』の作風も全体的に派手さは控えめで
マイルドな空気があって良くも悪くも対象年齢がやや高めになってた感はある。

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『ヒーリングっど♥プリキュア』はタイミング的には奇しくも
"病原菌"が悪役という事で結果的にコロナ禍の社会を反映したような形になった。

さらにヒープリは従来のプリキュアの通例とも言えた
「最終的に悪役もプリキュアによって救われる」という命題に対しても
明確にNOをつきつけたという点でも異色のプリキュアになった事は印象深かった。

実は個人的には例え病原菌が悪役だとしても救って欲しかったんだけどね。
それはこの「コロナに負けるな!」という社会の空気の中では難しい事かもしれんが、
でも「コロナに勝つ」というのもちょっと人間の傲慢さが垣間見れるんだよなぁ。
地球上で人間という生物はそんなに偉いんかと。いや俺はまだ死にたくないけどさ。

そんなちょっと重いテーマ性を背負ったヒープリは、
娘にとっては元気溌剌で底抜けに明るいプリキュアのイメージからは遠ざかり、
薄味なものとして捉えられたのかもしれない。


しかし一転して今作のプリキュア、
コロナが明けるという期待感と共に世間も盛り上げていきたいという
強い使命感を持って挑まれたプリキュアだという事が実感できる内容だ。

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現に前作と打って変わって娘の反応が格段に良い。
良かった、まだプリキュアは卒業しないんだね。
卒業するときはちゃんと論文を書くんだよ。

というわけで娘がまんまとハマってるので
結局俺も一緒に観ているのがトロプリというわけだ。
しかし何度も観ているとあの共感性羞恥の塊のようなオープニングにも
自然と慣れてくるし何なら口ずさんでいる。おお、これがプリキュアのパワーなのか。


さて、今回のプリキュアはテーマの一つは「コスメ」。
なるほど、これはいつかありそうだと思っていた題材だ。

視聴率だけでは存続できない昨今のテレビアニメ界、グッズの売り上げも欠かせない。
コスメというコンセプトはグッズ化と非常に相性が良いのだ。
この戦略は正しいけど…親としては少々辛いところでもある。
娘がコスメを欲しがる欲しがる。おいおいどうしてくれるんだトロプリ。

そしてもう一つのテーマは「トロピカル」。つまり海である。夏である。

しかしこれはなかなかに大胆だぞ。
通例プリキュアは物語の終盤の放送時期が冬場なわけで、
クライマックスが夏の時期ではないと分かっているのに敢えてこのテーマ。
果たして話をどう組んでくるのかが今から楽しみである。


また随分とエンタメに振り切っているような印象を受けるトロプリだが、
SDGsだのグレタ女史だの環境相のポエムだの地球環境問題が叫ばれるこのご時世、
人間と人魚、海と環境破壊、そういう視点も盛り込んでくるのではないかと予想する。

あと夏頃に投入される追加戦士は、
近年の傾向からするとおそらく人間ではなく人魚なのではないだろうか。

人種や生物の壁を平気で超えてくるプリキュアは観ている子どもたちにも影響を与え、
当たり前の正義だけはなく色んな生物を尊重する優しさも教えてくれるのだ。
それがプリキュアブランドなのである。だから今作も安心して観ていく事が出来る。


え?俺の推しキュア?(聞いてない)

なんかね、ここ最近ずっと黄キュア推しなんですよ。
昔は青だったんだけどね、ハグプリからは連続で黄キュアなの。

今回の黄キュアは彼女です。『キュアパパイア』

推せるッ!!(確信)


キュアパパイア、もう10年以上前になるけど
フレッシュプリキュアのキュアパインの後輩的なムードを感じる。
「パパイ」じゃないぞ、「パパイ」だからな!間違えるなよ!
「エバンゲリオン」と書いたらめっちゃ怒られるのと同じだぞ。


しかしこのキュアパパイア、めちゃめちゃ凄いキャラだ。

OP観た???
変身前の一之瀬みのり先輩ってこんな感じなんですよ。

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成績優秀な読書家で小説を書いたりもしていた文学少女。

でも変身したらこうなります。

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ヤバない!?


匠も声を失う程の破壊的ビフォアアフター。

ギャップ萌えとかいう次元じゃない。もはや処理不能でメモリ不足である。
飲み会でもあまり喋らず目立たない位置でサラダばっかり食べてる女の子が、
詳しく話を聞いてみると実はグラインドコア大好きでしたみたいなヤバさだ。

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しかしみのりん先輩、普段はメガネなのに変身するとメガネ取っちゃうのね~。

いやまぁメガネっ子がメガネを外すと実はカワイイというのは
日本古来からの定説で確か古事記とかにも書いてあったとは思うんだけど、
俺は敢えてメガネはそのままでも良かったんじゃないかとも思うんだよ…。

でもプリキュアって激しく動いて大変だし難しいのかね…(現実)。


ちなみにみのりん先輩、元文芸部で小説を書いていたという背景もあって
「リアル」という言葉に対しては非常に特別な感覚をお持ちのようで、
自分が体験した「リアル」を大事にしているような気がする。

そう、みのりん先輩はきっとチャットモンチーが好きに違いない。

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コンタクト外して 参加した現実


イメージにも合ってるしね。
もうコレはみのりん先輩とキュアパパイアを推すしかないでしょ。


さてさて、そんな愉快で明るいタッチで子どもウケも抜群のトロプリ。
OP曲も大変にトロピカっています。

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そもそもトロピカルとはどういう事なのか。
俺にはうまく説明は出来ない。しかしこの陽気さとノリの良さ、
マリンバっぽい音(この曲で使ってるのはシンセか)さえあればそれはもう南国だ。

ぶっちゃけメロディラインとかはめっちゃJ-POPって感じの曲なんだけど、
でももうこの強引さがもうトロピカルとしか言えない空気にしています。
強烈です。なんか良く分かんないけどこれがトロピカルかぁ~ってワカラセられる。

こういう勢いって大事。マツケンサンバみたいなもんだ。
でもトロプリのOPは笛も入ってたりしてサンバ要素もあるんよね。
子どもにワールドミュージックに触れさせるという点では非常に有効です。

歌詞も桑田佳祐、宇多田ヒカルばりの日本語と英語のトロピカミックス。
ぜってぇ子どもは意味わかんねぇだろって歌詞だがそれも織り込み済みのトロプリだ。
きっと日本語をポップスに乗せる難しさを知ってるからこその選択なのである。


しかし何故に今トロピカルなんだろう。

ちょっと前タピオカが流行ってた時期に企画会議で上がってたとか?
あーなんか今逆にタピオカ欲しくなったわ。売ってないかなタピオカ。
タピオカ食べたーい。タピオカ食べたい僕は今すぐ君に会いたい。




そういや数年前に音楽でもトロピカル・ハウスってジャンルが
少し流行った時期があったんだよね。あれはちょっと不思議な感覚だった。

俺は特に聴いてはいなかったんで代表曲が何かとかは知らないんだけど、
まぁ一般的に「トロピカル」で連想するようなエンジョイ系の音楽ではなく
EDMの派生っぽいどちらかというとアダルトな音楽って感じだったな。


そう考えると一口にトロピカルと言っても実はそんな単純なもんじゃない、
もっともっと深ーい意味があるのかもしれませんね。
うーむ、もしかして『トロピカル~ジュ!プリキュア 』は
軽いノリと思わせといてとんでもない何かをぶち込んでくる作品なのかもしれない。


ちなみにEDテーマはこちら。

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『トロピカ I・N・G』だ。多分「トロピカアイエヌジー」と読む。
曲の中でそんな風に歌っている箇所がある。
手が横に流れる南国風(というかハワイアン)の振り付けが入った曲だ。

子どもを総踊りさせる事で定評のあるプリキュアのED、
なんと今年はこの曲が玩具と連動するらしい。すげぇ。最早ライブ会場である。
昨今のコロナ禍の中でどうやってアーティストとファンを繋ぐのかという課題にも
意欲的に取り組んでいるあたりがさすがのプリキュアというところだ。


そうだよな、プリキュアはいつだって俺らに元気をくれるんだよ。

最初にこのOPを聴いたとき、
「ああちょっとさすがにしんどいかも…」と思ってた自分を恥じたい。

前作までの反動からなのか、確かに今作からは昔のプリキュアのような
「旧世代感」を感じるしある意味賑やかなプリキュアに回帰したとも言えるだろうが、
でも根底にあるテーマ性はやはり今の時代のプリキュアの文脈を引き継いでいる。

まだ序盤なので分からない事だらけだが、
このコロナ時代を抜けて明るく次の時代を迎えるためのエッセンスが詰まった
”生きるヒント”とも言うべき大胆さを兼ね備えたプリキュアがトロプリなんだ。

一気に子ども向けになったように見え、
しかしパーティムードの影にも何か秘密の隠し玉を持っている、
トロプリはきっとそんな侮れないプリキュアだ。

大げさでもなんでもなく、やっぱりプリキュアには期待しちゃう。
苦難を乗り越えていくためにも、みなさんも是非日曜の朝は
テレビの前でプリキュアのライブ配信を観てみよう。

そうすればきっとトロピカってる月曜日が貴方を待っている。


あー俺もトロピカる部入りてぇ…。


【採点】
・子どもウケ抜群のプリキュア  30点
・メガネっ娘の魅力を味わえ   20点
・トロプリってなんか美味しそう 20点
・タピオカ食べたい       -2点
68点