脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

【Album】Måneskin / Teatro D'ira: Vol.I [2021]


サイレントマイノリティーの声を聴け。


こんにちは。逆張りおじさんです。

みなさん今日もいい感じに逆ばってますか??
ちゃんと「イカゲームなんか大した事ねーし!」とイキり散らして、しっかりと周囲の人々の反応を困らせていますか?逆張り楽しい逆張り最高。逆張りこそがロック魂の始まりなんですよ!


ハイ、そんなひねくれた私は今日も元気に逆張っていこうかと思います。


というわけで本日の逆張り対象はこちらになります。

今年世界中で大ブレイクを果たしたイタリアのバンドMåneskinでーす!

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PC環境によっては文字化けが懸念される「Måneskin」。
デンマーク語で"月光"という意味らしい。月光…鬼束ちひろ…うぅ…。

そしてこの日本語での呼び方を「マネスキン」とするのか「モネスキン」とするのかはたまた「モーネスキン」とするのか、音楽好きの間ではきのこたけのこ戦争並みに議論が白熱している。

俺の感覚的にはやや「マネスキン」派が有力な勢いではあるが、俺は逆張りおじさんらしく「モネスキン」派でいくぜ。


ちなみに天下のWikipediaさんは今現在「モーネスキン」派である。

ja.wikipedia.org


マネスキンやモネスキンでGoogle検索しても結果表示にWikipediaが出てこない辺り、かなり頑固な「モーネスキン」派だと思われる。


さてさて、2021年も早いもので12月に入ったという事で、色んなメディアが今年の年間ベストみたいな企画をやり始める頃だけど、間違いなくこのモネスキンが今年リリースしたアルバム『Teatro D'ira: Vol.I』は各メディアでも上位選出される事が予想される。

日本ではまだ音楽ファン以外には届いていない彼らだが、音楽にさほど詳しくない方に簡単に説明しておくと、モネスキンは現在世界各国のチャートではSpotifyで軒並み上位を獲得し大ブームとなっているバンドで、世界的を瞬く間に席巻し話題となっている存在だ。聞くところによればTikTokでも人気らしいぞ。

今年の世界の音楽シーンで台風の目だったアーティストは誰だったかと問われれば間違いなく彼らと言える。特にロック界からの喝采は凄いもので、現在のロックシーンの救世主みたいな持ち上げられようである。それくらいに凄い勢いのバンドなのだ。だからそんな彼らのアルバムは年間ベストでも確実に上位に食い込んでくるだろう。


そしてここでワタクシ、逆張りおじさんの登場です!

音楽シーンがざわついているこの雰囲気に、水を差しちゃうイタズラ好きで茶目っ気たっぷりな存在、それが逆張りおじさん!「今日も逆張り一丁お願いしやす!」よーし、まかせろ!おじさん、みんなの期待にしっかり応えちゃうからねっ★


おい、みんな。

モネスキンが大ヒットしてるって言うじゃん?

でも

モネスキンにそんなに期待して大丈夫??


特にロック好きな方々。これは本当にロックシーンが求めている事なのか?
このモネスキンの持ち上げられ方、騒がれ方、ロックの内輪の勝手な盛り上がりじゃないのか?

冷静になるんだ。客観視するんだ。いつも言っているが俺は限りなく一般人の素人に近い自称音楽通なんだ。だから今日はその立場から言わせて戴くぞ。



ではでは、まず彼らが何故今年こんなに注目されたのかだ。
このブログは限りなく音楽ファン以外へ向けた内容を心がけているのでキチンと説明しておこう。

それは今年オランダで開催された「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」での出来事だ。この大会でバンドとして実に15年ぶりに優勝したのがモネスキンであり、ここでパフォーマンスされた「Zitti e buoni」が世界的に話題を呼んだ事がきっかけである。

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見てくれこの彼らのパフォーマンスを。なんつーかすっごいキレイなんですわ。
敢えて綺麗という言葉を使うぞ。ビューティフォーなんですわ。
カッコイイだけじゃない、妖艶で魅力的。聴衆を惹きつける甘美な美しさ。

そう、ご覧になられた方は感じたと思うが、我々が観たのは長らく忘れられていた”古き良きロックスターの姿”だった。クイーンの映画『ボヘミアン・ラプソディ』に熱狂した人なら分かるだろう。あの映画がヒットしたのは「かつて存在したが今は失われたロックスター」を現代のスクリーンに再召喚する事に成功してからに他ならない。

そう、「そういえばこんなバンド久しく観ていなかったなー!」なのである。

というかこのモネスキンの台頭には、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のブームも少なからず後押ししている事は間違いない。あと、そもそも長らく我々はロックスター不在の時代を経験してきたので、ロックスターを知らない人たちはモネスキンを観て「これがあの!」みたいな興奮を味わったとしてもなんら不思議ではない。


とあるパフォーマンスが話題を呼び世界的なモネスキンブームとなった。
1つの動画が一気に拡散されて旋風を巻き起こす、すっかりお馴染みとなったスターダムのルートだ。


偏屈な俺だってさすがに彼らがここまでのブームになっている理由は分かる。

結構ヘヴィなロックなんだけど、音がいちいちカッコよくてこの手のロックに慣れていない人にも馴染みやすい。音に華やかさがあると言えばいいんかな。ラウドロックあるあるの「重くてうるさい」というロジックからは意外とズレた位置にありそうな音。

そして英語の曲もあるんだけど、やはりイタリア語のボーカルが結構癖になるンだわ。
英語にはない発音・アクセントのクセが怪しげなグルーヴ感を生み出し、聴いたことがない人は新鮮味を覚える。

それは何よりボーカル、ダミアーノの歌唱力の賜物だろう。英語の曲を歌っていても何故か不思議なグルーブ感を感じてしまうくらいのダミアーノマジック。強烈なインパクトを放つ彼のボーカルは、聴く人をあっという間に惹きつけてしまうのである。


つーかさー、メンバーみんな若くてカッコイインだわ。

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ハイ出たよ。イケメン。
男はみんなイケメンだしベースのヴィクトリアは超美形の女の子。
俺、昔っからベースの女子には弱いのよね…ベース女子の魅力が世界に広まっていく。。。


みんな正直に言ってごらん。どーせみんな美男美女が好きなんでしょ??


怒んないから。先生怒んないから。はい目をつぶって手を挙げて。美男美女が好きな人ー!はい!全員!死刑!


美形補正って存在するんですよ世の中。モネスキンだってここまで美形だから持て囃されているところあるでしょ絶対。キモいおっさんがモネスキンやってたらこんなに人気になってないもん。つーかキモイおっさんなんてバンドメンバー選考時に顔面で足切りされる存在なんだよ。クソっ。世界的にイケメン税をさっさと導入しろ。

「音楽に顔は関係ないんだ!」ハイハイ、確かにそーですね。でも顔が悪いより良い方が良いに決まってるの。これは真理。普段から年齢とか見た目で差別するの良くないとか高尚な事をいいつつ「モネスキンは若くてカッコよくてステキ!!!」だぁ??

だからそこは別に言わなくていいだろ!ちゃんと音楽だけ聴いて反応しろや畜生!いい加減にしろやああああ!!イケメン税徴収しまあああああす!!!!


すまん、ついつい怒りが先行して取り乱してしまった。


まぁかつてロックの黎明期やグラムロックの時期にもロックバンドがアイドル的人気から流行っていた経緯があるわけでしてね。もう素直に正直にそういう評価をされる事がある事を認めよう。ロックの起点は意外と単純にそういう事だったりする。

だからロックが低迷していると言われるこの時代、色んな意味でモネスキンにロック界からの視線が向けられるのも頷ける。とにかく「人気が出たロックバンド」というだけで大きな期待が寄せられるようになっているわけだ。きっとこれからの季節に流行る「年間ベストアルバム」みたいな企画でも上位ランクインしてくるのは間違いない。


さて、そんなわけでとにかく世界的にカッコイイという事が証明されたモネスキンですが、じゃあ俺は何を言いたいのか。俺もモネスキンの魅力は分かるんだ。ただイケメン美女軍団ってとこがムカつくくらいで、人気の理由も理解しているつもりだ。

俺は音楽好きあるあるの「その年のマイ年間ベストアルバムランキングを作る」みたいな企画をやったことはないし今年もやる予定はないんだけど、仮に今年つくるとしてもこのモネスキンのアルバム『Teatro D'ira: Vol.I』は………多分TOP30にも入れないと思うんだよね。


おっしゃ逆張り上等だコラ!


俺はなぁ世間の評判に流されるような軽い男じゃねーんだよ。ちなみに今思いついた中で今年一番良かったアルバムを選ぶならLittle Simzの『Sometimes I Might Be Introvert』かな。

 

ハイおもっくそベタなチョイスです。音楽通とやらの皆さんからは当たり前体操なアルバムで叩かれますね。すみません。でも知らない人がいたら是非聴いてみてね。めちゃ良いアルバムだから。


俺は以前映画の『ボヘミアン・ラプソディ』を観に行ったときも「いい映画だけどそんなに言うほどかなぁ」みたいな見事な逆張りを発揮した事もあったんだけど、まぁつまりはそういう事ですよ。そんな気分。俺はこの波には乗れない。。。

俺にはどうしてもロック不遇の時代の突破口としてモネスキンを推していく事は出来ない

確かに彼らが大人気となった事は今年のニュースだが、なんというか音楽評論、とりわけロック畑の人が彼らをここまで支持するのは何か違和感があるというか、むしろそういう事態を見て「ああロックってやっぱり低迷してたんだな…」と感じるんだよね。

だって音楽の中でもロックバンドが人気で話題の中心だった時代なら、モネスキンの音楽って「斬新性が無い音楽」と言われてこんなに注目されていなかったハズなんだよ…。



ロックの歴史ってヤツは複雑なんだけど、音楽評論の中ではなんとなく史観とか文脈みたいなのが共有されていて、それが音楽の評価軸となり、売り上げや人気とはまた別に評価されがちなバンドと評価されにくいバンドってのが存在する。

大ざっぱに言うと、音楽業界に影響を与えたり、新たな音楽ジャンルを開拓したアーティストは評価されやすく、ありがちな音楽や大衆性の高い音楽をやるアーティストは評価されない傾向にある。でもこれはまぁどんなものでもパイオニアという存在はリスペクトされるものなので、音楽だってまた然りという事なんだけど。

だから逆に言うとどんなに売れていても音楽メディアによってはそういう評価軸から外れた音楽性のアーティストは評価されにくかったという事だ。かつてダイナソーロックとかアリーナロックとかが皮肉っぽく使われていた頃みたいにさ。


で、「モネスキンってバンドがヤバイ!」みたいなウワサを聞きつけ、俺が彼らを聴いて最初に抱いた正直な感想は「そんなに衝撃的なバンドなの??」だったわけ。

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前述の通り単なるヘヴィさでは片づけられないサウンドに、90年代のオルタナティブさも感じさせたり、面白いとは思うけど、ロックに対する音楽的インパクトとして彼らの音楽をそんなに大きな事件と捉える事が出来なかった。

むしろ昔ながらのコテコテのロック畑の人からこそ避けられそうな音楽ですらあるんじゃないかと思ったのだ。勿論心の底から評価している人もいるだろうけど、俺は音楽的なインパクトの面からするとモネスキンのこの評価にはなんだかとても違和感がある。

だから単純に「へーこれが今流行ってるんだね!」だけなら分かるんだけどさ、「おいおい音楽メディアがこぞってこんなにも彼らを持ち上げているの??」って。


確かに音楽メディア(特にロック)も2010年代に業界が不振になり始めた辺りから、古典的な音楽の評価軸を徐々に緩和してきて色んなアーティストを再評価したりしている傾向にはあるという背景は分かる。

だが俺にはメディアというか業界の「モネスキンをロック再興の起点にしたい」という意図が感じられちゃったのよね…。ロックがイケイケ状態だった頃は「こんなのロックじゃない」みたいな態度を見せる事もあった業界が、今頃になって「とにかく助けてー」みたいな、ね。そこに現れたのがモネスキンだ、と。


だがしかし!”時代背景も含めるのがロックの評論だ”と言うのも尤もな意見である。
つまり「どんな理由であれロックが下火の時代にロックを復活させた」という事実だけで評価に値すると。確かにそれは事実としてはとても重要だと思う。

特に音楽は昔からランキングが非常に重要で注目される業界だ。ここまでランキングに依存度が高い分野も他に無いんじゃないかと思うくらいに(それはそれで個人的には楽しいんだが)。
ロックがランキングから姿を消して存在感が空気になっている中で、そして皆にロックに振り向いてもらうためにも、ここまでチャートを賑わすバンドが出てきたという事実は歓迎するべきではあろう。



…だが、やっぱり言わせてもらう!!



…えーっと、2点言わせてもらう!!

俺がこのモネスキンブームに乗れない理由。

まずひとーつ。

「音楽が単なるニュースみたいに消費されていって良いのか」という点。


確かにこのアルバムはロックの人気が低迷していた中で大ヒットしたアルバムとなったので、もしかしたら音楽評論的にも後々「ロックの再興に寄与したアルバム」と語られるかもしれない。

だがそういったバンドに付随する情報ばかりがピックアップされて消費されていく事で、多くの人が盲目的に「これはろっくのさいこうにきよしたあるばむなんだよだからすごいんだよ」とロボットみてぇな聴き方をしてしまい、肝心の「じゃあそれを聴いてどう感じたのか」という率直な意見がなくなっていく懸念もある。


そんなことあるかよと思う方もいるかもしれないが、真面目な話、最近のSNS廃人達ときたらおかしな事に「好きなもの、良いもの」が自分で決められないので周りの評価で決めてしまう傾向にあるらしいよマジで。なんか偉そうな人が言ってた。

自分の感情を失った人形じゃねーかそんなん。音楽メディアが持ち上げているから、みんなが言ってるから良いアルバムなんだ。そうなんだ。聴いてみた。うーんうーん。なるほど。これは良いらしいからきっと良いアルバムなんだよね。好き。

なんというディストピア。しかし音楽がそこについてまわるトピック的な面ばかりが列挙されていくようになると、ちゃんと音楽を聴いて自分の好みと照らし合わせているのか、それとも音楽を聴いているようで実は評論家の話を聴いて判断しているのかどうかが曖昧になっていったりする事はあると思う。


いいか。率直に感想を言え。ファーストインプレッションを忘れるな。俺がこのモネスキンのアルバムを聴いた感想は「そんなハマらんかった。リトルシムズはしゅき。」。以上だ。「ピカソよりふつうにラッセンが好き」の精神だ。永野を見習え。

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無理して周りに合わせなくていい!自分の感情を信じろ!堂々と「僕はわかりましぇん」と言ったって全然カッコ悪くないんだよ!!


あのな、音楽とか映画とかのジャーナリズムなんて話半分で聞いてりゃいいんだ。

あいつらってすぐ「この作品のこの部分はあの有名なあの作品のオマージュでココは実は過去作のココに接続できていてトリビアトリビア」みたいな事しか言わんだろ??
それでみんな「へーそうなんだ!じゃあきっと良いモノなんだね!!」ってコロッと騙されるんだよ。マジ危険。そのうちジャーナリストから壺とか絵とか買わされそう。

確かに事実は事実だ。ランキングも評価も事実だ。
だからそれを伝えるメディアにも確かに一方的に責任を問う事はできない。

でもみんなそれに影響を受けすぎるな。俺らが聴いているのはあくまで”音楽”なんだ。
トリビア垂れ流しマシンになるなよ。それはWikipediaがやる事で人間のやる事じゃねぇ。
だからこのブログで俺が言ってる事も半分くらい読めばいいぞ。なんなら1/4でもいい。あ、でも1/4はちょっとさすがに寂しいな。やっぱ1/3は読んで。



そしてふたーつ。

そもそもみんなモネスキンをロックとして聴いているのか??問題だ。

ここで言う”みんな”とはジャーナリスト的な方々ではなく、ロックとか歴史とかは良く知らんけど普段から色んな音楽聴いてます!トレンドには詳しいです!モネスキン?あーモネスキンね!!聴いてる!流行ってるよねぇ!いいよね!カッコイイ!!ちなみに好きな食べ物はモスチキン!なんつってキャハハー!みたいなノリで絡んでくる俺がちょっと苦手なタイプの方々の事だ。

昔っから音楽を熱心に聴いてきた方々はモネスキンもしっかりとロックの文脈にはめ込んで語られるだろうしそれを否定するつもりもないんだけど、そもそもみんなはモネスキンをどこまでロックとして認識しているのだろうかという点は俺は結構怪しいんじゃないかと踏んでいる。


特に今の若い人は音楽をジャンルレスに聴いているそうで良い意味でカテゴリーが無いのだ。椎名林檎がカテゴライズを忘れてみましょうと歌っていたのがようやく広まってきたわけ。そんな中で聴かれているモネスキンは「無数にある音楽の中の一つ」であり、「ロックの中の一つ」と言う認識はあまりされてないというわけだ。

何年か前、俺が若い世代と音楽について話していたときにもそれを感じた。色々聴き込んでいる人は別として、普通の人はジャンルを意識した音楽の聴き方をもうしていない。今聴いている曲がロックと呼ばれるかどうかなんて気にしちゃいないのだ。


これって実はかなり厄介な問題で、もしモネスキンをロックの起点にしたいのであれば乗り越えなければならないハードルとも言える。モネスキンの流行=ロックの流行にするにはロックを中心とした音楽メディアがしっかりフォローしていく事が必要だと言える。


まあ、その前にモネスキン自身が自分たちがロックとかどうとか言われる事を面倒臭がっているみたいなんだけどな!

そういえば2000年代初頭にも次世代ロックの旗手として注目されたストロークスってバンドがいるんだけど、彼らも自分たちがそういう目で見られることを嫌ってたみたいだね。


だからなんというか、復活を願うロック業界が流行に乗じてモネスキンにラブコールを送っているけど本人たちは多分どうでもいいと思っているという切ない状況なんですよねコレ。そういう意味ではモネスキン、最高にロックなんだけどね!(爆笑)



ちなみに今年彼らがブレイクしたアルバムは実は2ndで、俺は1stも聴いたんだが2ndの方がゴツっとしたロック路線だった。だから1stも2ndも聴いた印象としては実は色んなタイプの音楽をやっていきたいバンドなんかなという気もしている。


ちなみに新曲も面白くてクール、つまりワタルも納得のおもしろかっこいいぜになっている。

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これはこれでまたクセになりそうな曲だ。
多分ロックがどうとかいう文脈を抜きにしてこういう中毒性がウケているんだろうな。

きっとモネスキンはこんな感じで業界がどうとかは意に介さず好きにやっていくんだろうし、ロック業界は人気の彼らをなんとかロックに紐づけたがる。そしてみんなはそれをトリビアとして消費しロックが復活しているというファクトが形成されていく。

なるほど。シナリオとしてはアリでしょう。



でもね、それでも俺はモネスキンはそんな存在ではない気がするの。
もう今回はこれが一番言いたかった。人気だしその理由も分かるし面白い現象だと思う。ロックの救世主??やっぱりそれはなんか違うんじゃないか???俺が聴いた限りそんな衝撃は走らなかった。それが俺の中の答えである。

いや、そりゃ俺だってロックが好きだしロックに復活して欲しいと思う一人だよ。
でもモネスキンを最初聴いた時に『Is This It?』って思っちゃったのよね。
俺の感性が鈍っているのかもしれない。でもそれが素直で正直な俺の感想なのだ。


メディアが、みんなが、どれだけ絶賛していたとしても俺は迎合しない!
俺はロボットじゃないんだ。逆張りおじさんなんだ。今日も楽しく逆張りするぜ。

「モネスキン、言うほどロックが求めていた存在じゃないだろ説」

例えこれで復活する音楽があるとしてもそれは少なくとも俺が求めていた音楽じゃないだろう。だから俺はあんまりモネスキンに現状ワクワクできていないんですね。


ちなみにロック自体はモネスキンを抜きにしても実際かなり盛り返してきている状態で個人的には嬉しいんですよ。ロック(と呼んでいいかどうかは置いといて)が人気な日本ではなかなか実感できないけど、2010年代は本当に洋ロックが元気がない時代だった。

だがイギリスを中心に続々と面白いロックバンドが出現してきており、相対的にどちらかというとヒップホップがいくとこまでいって頭打ちしたような感じもあって、ロックバンドが元気になってきてますね。あ、リトルシムズはヒップホップだけど。


そこにモネスキンがガツンと人気になって持て囃されている現在。
みんながみんなモネスキンの出現を祝福する中で、俺は空気を読まない事を言ってまさに何余計な事してんだよてめぇみたいに責められそうなわけだけど、でも大丈夫!

なぜなら世間の認知の大多数は「マネスキン」だ。「モネスキン」で通しているこの俺のブログが検索されて読まれる事はまずありえない!大丈夫だあ!ふはははは!


そして最近の「絶対に否定してはいけないSNS24時」的な空気のせいで「本当はモネスキンのこと微妙だって思ってるんけど言い出せない…」というサイレントマイノリティーな人もきっといるだろう。

だから俺はそういうマイノリティ弱者に手を差し伸べる存在でありたいのだ。俺は弱者の味方だ。俺は弱者の声を代弁するぞ。弱者は俺を信頼して欲しい。だから俺が壺とか売ったら買って欲しい。


まぁでもね、ここでモネスキンがこんだけ評価されたら、絶対どこまでまた「なんであいつらが!なにくそーーー!!!」と思うバンドが必ず台頭してくると思うんですよ。それはそれで結果的にモネスキンが影響を与えたとも言えるんだよなぁ。ここがまた面白いところ。影響って正の相関ばかりじゃないからね。

そういうわけでモネスキン人気を快く思ってないバンドの皆さん、今こそ立ち上がる時です。そう、ここからまたロックの新たな時代を創り上げるのです。「俺らこそが本物のロックだ」と、その存在を高らかに証明してみせましょう!!

という流れで、2020年代はロック復興の時代となるのであった。

めでたしめでたし。

ってあれ?

それってやっぱりモネスキンのお陰でロックが復活するって事??


【採点】
・世界中でモネスキン旋風  50点
・マネスキンモネスキン戦争 20点
・弱者に優しい逆張りおじさん 5点
・おじさんの話は半分でいい -3点
72点