ゆっくり聴いていってね!!!
こんにちは。ゆっくり茶番劇の魔理沙と
霊夢だ。
どうやらゆっくり解説が商標登録されて問題になっているらしい。
ネットで炎上してるね。
そこで今日は徹底したコンプライアンス違反をモットーとしているこのサイト「脱R論」を一時避難先にして暴れまわってやる事にしたぜ。
いや、このサイトの管理者が面白がって勝手にやってるだけでしょ。
どーせ今回1回きりで終わる思いつきだから大目に見てやってくれ。
私たち使い捨てなのね。悲しいわ。
というわけでここに来た以上は何か音楽の話をしないといけないのでゆっくり解説していこうかな。
何かネタはあるの??
私は正直最近の流行の音楽の事は分からん。だからグッと昔のアルバムについて語っていくぜ。時は1965年、ビートルズの『Rubber Soul』(ゴム魂)だ!
本当にめっちゃ昔のアルバムに遡ったわね。もう50年近く前のアルバムよ。
だが私だって何の理由もなくこのアルバムを選んだわけじゃないんだぜ。霊夢、この話題は知っているか??
あー、知っているわ。邦画の『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞に入賞した件ね。結構ニュースになっていたね。
アカデミー賞で日本映画がここまで評価される事は異例中の異例なので多くの人が注目したんだ。
でもこれがビートルズのアルバムと何の関係が??
ビートルズの『Rubber Soul』の1曲目が何を隠そう、『Drive My Car』という曲なんだよ。
いやいや、それはたまたま一緒だっただけじゃないの??
映画『ドライブ・マイ・カー』があの意識高い系御用達作家の村上春樹の短編小説が原作だという事は知っているか??
それはニュースでもやっていたから知っているわ。あと村上春樹ファンを敵に回すのやめとこ。
村上春樹はビートルズが好きで、ビートルズの曲等をときどき作品に引用しているのだ。
え?てことはこの映画のドライブ・マイ・カー』も…
そうだな、ビートルズの『Drive My Car』が元ネタと考えて間違いないだろう。
そうだったんだ…
もっともビートルズの方の邦題は正確には『ドライヴ・マイ・カー』なので微妙に違っているんだけどな。
細かいなー。魔理沙は言葉の誤用とかに厳しいタイプ??
ああそうだな。「敷居が高い」を平気で使うヤツを見るとイライラするタイプだ。で、こちらがその話題の『ドライヴ・マイ・カー』の曲だ。
ビートルズの曲は有名な曲が多いけど、この曲は聴いた事ないわね…。
確かにメジャーと言えるほど有名ではないが、でもビートルズ好きからすれば全然マイナーでは無い曲だ。ミスチルで言うところの『蘇生』くらいのポジション。
もどかしいポジションね。私はミスチルの『蘇生』は好きよ。でもシンプルにカッコイイ曲ね。
うむ。私もイントロのちょっとズレた調子から入るギターが好きだし、ポールとジョンのツインボーカルも冴えてて良い曲だと思う。 アルバム『ラバー・ソウル』と言えばまずこの曲のギターからの入りが印象深いんで、それでこの曲の事を覚えている人も多いぞ。 私もアルバムイントロクイズがあればこのアルバムは即答出来るぜ。
ファンの間では結構有名な曲ってわけか。でも確かにカッコイイしボーカルも力が入っててアルバムの入りとしては完璧ね。 歌詞は良く分かんなかったけど、これも村上春樹の『ドライブ・マイ・カー』に繋がっているの??
そこなんだが歌詞は多分あまり関係が無さそう。私もなんとか無理矢理解釈しようとしたがこじつけっぽくなりそうな気がしてやめた。その辺りは意識高い村上春樹ファン辺りが勝手に解釈して盛り上げてくれるだろ。
そうなんだ。あと村上春樹ファンになんか恨みでもあんのか。というか魔理沙は『ドライブ・マイ・カー』観たの??
ああ、観たぜ。感想はなんというか「村上春樹だなぁ~」という感想だ。
なんじゃそりゃ!そう言われても私村上春樹の事全然わからないんだけど。
すまん、正直私も村上春樹はかなり昔に少し読んだ事があるくらいのレベルなんで、これはカッコつけた感想になってしまうんだが、 あの空気とか登場人物のキャラクターとかがいかにも村上春樹っぽいと思ったんだ。
それはつまり評価しているの?どうなの?
いい映画だとは思うよ。ただやっぱり評論家受けする映画って感じで、エンタメ映画に慣れた人が観ると面食らうんじゃないかな。 でも構成とか演出とかは本当に良く練ってあって、3時間あるんだけど観ていて全く長く感じなかった。あと音楽もいい感じだったよ。
といっても音楽が前面に出てくることはほぼなくて、終止静かな雰囲気で進んでいくんだけどな。 でも要所要所で入る音楽がアクセント的にいい味を出していた。 ちなみにのっけからいきなりラブシーンがあるから絶対家族では観るなよ。エターナルフォースブリザードで空気が死ぬぞ。
うーん、気になるけど一般受けする映画では無さそうなのは伝わったわ。 音楽もそうだけど、評論家受けする作品と大衆受けする作品って違う事が多いもんね。
その通りだ。だがその点ビートルズってスゲェよな。あれだけ売れて、かつ評論家の評価も抜群だからな。 やっぱり未来永劫これほどのアーティストは出てこないんじゃないかって思うぜ。
トッポみたいに評価するな。でも言っている事は納得ね。ただこの『ラバー・ソウル』には他にもっと有名なビートルズの曲は入ってないの??
これは割と有名だと思うぜ。『ノルウェーの森』だ。
『ノルウェーの森』って言葉、なんか聴いた事あるような…
村上春樹の小説にまんま『ノルウェイの森』ってのがあるからな。
それか!そしてまた微妙にタイトルのカタカナがちょっと違う! 村上春樹って本当にビートルズが好きなのね。
この曲は英語だと『Norwegian Wood』なので「ノルウェーの森」と訳するのは正確には間違っていると言われているんだが、でも「森」の方が曲名としてはなんだか神秘的な響きがあって結果的に良かったと思うぜ。
実際に少し不思議な響きを感じられる曲ね。
この曲は当時の西洋の音楽では珍しかったインドの楽器のシタールを使用した事でも評価されている曲なんだ。ビートルズがそれまでのアイドルバンドから実験的バンドへと移行していく過渡期を象徴する一曲と言える。
そう言われると確かに良くイメージされるビートルズっぽくはないけど、とても魅力的な曲だと思うわ。
ふふふ…霊夢もビートルズに興味が湧いてきたか??
この『ミッシェル』もなかなかいい曲だぞ。
これも違う方向性で落ち着いた曲ね。少し寂しい印象を受けるわ。『イエスタデイ』みたいな。
そりゃ『イエスタデイ』はめちゃくちゃ有名な曲だけど、この『ミッシェル』もかなりの人気曲だぜ。そしてどちらの曲もポールが同じ年に書いた曲という点でも一緒なんだ。ちなみに『ミッシェル』はフランスっぽさを取り入れた曲らしい。
本当にこの時期のビートルズって色んな試みをやっているのね。
そうなんだよ。次の収録曲はそうだな、ジョンの曲『ガール』を聴いてみてくれ。
これもまた物悲しい曲ね。でもさっきのポールの曲とは違う味わいがあって面白いわ。
霊夢も分かってきたじゃないか!『ガール』は悲しい感じはするけど、でも時折ちらっとポップでカワイイ表情を見せてくるのがいいんだよ。
この『ラバー・ソウル』ってアルバムは実は大人しいアルバムなの??
うーんそうだな。私の感覚としても比較的ビートルズ作品の中でも落ち着いたアルバムという印象はあるかな。 でも冒頭の『ドライブ・マイ・カー』だったりポップな曲もいくつか収録されている。 ただミドルテンポの曲が多いのでグイグイくる感じはないし誰もが知ってるような有名な曲も少ないとは思う。
それでもアルバムとしての評価が高いってことなの??
お、それなんだよ!この『ラバー・ソウル』なんだが、私はこれから再評価されるアルバムだと思っている。
え!?どういうこと?
今現在、ビートルズの作品の中で一番支持されているアルバムはおそらくこの『Rubber Soul』の次のアルバム、『Revolver』なんだ。
あーなんだかジャケット見た事あるなぁ。
このアルバムは本当に有名だからな。しかし、一昔前に評価されていたアルバムは『リボルバー』の次のアルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』だったんだよ。それが今は『リボルバー』になってるんだ。
さあじぇんと…ん??なんか長ったらしい名前のアルバムね。覚えられないわ。 えーっと、それは要するに評価されるアルバムが時代と共に変わったって事??
まあビートルズのアルバムに関してはどれも大体が絶対的な評価を受けているので私としては正直大差ないと思っているんだが、それでも最近の傾向として評価されるアルバムってだんだん遡っていく感覚があるんだよ。
つまり評価されたアルバムの前のアルバムも実は大事だった!みたいな話なの?
そう、そのいかにも関ジャムとかが好きそうな「名作の前の作品に秘密がある」的な話だ。みんなが音楽のルーツ的な要素を探るようになってくると、評価が固まった作品の前の作品にその片鱗を見つけたりするんだよ。で、それが繰り返されていくうちに「実はこの前のアルバムも重要なんじゃね」とどんどん以前の作品が注目され始める。
面白いわね。時が流れるにつれて評価対象が逆に昔に戻っていくのって。
だから私は『リボルバー』の評価が一巡した後、この『ラバー・ソウル』にみんなが注目し始めると思う。
でも聴いた感じだとこのアルバムからビートルズの実験的要素が始まった感じだしそれはあり得るかもね。
だろ?勿論『リボルバー』はジャケットからしてもうそれまでのビートルズとは違うわけだ。ビートルズが変化していった事がありありと感じられるアルバムだし実際に私も大好きなアルバムの一つだ。でもその変化の始まりはこの『ラバー・ソウル』から始まっていたんだよ。
この曲は…聴いた事あるかも!?
『In My Life』だ。これがこのアルバムの収録曲の中では一番有名かもな。
ピアノがとても印象的ね。メロディーも耳に残りやすいしノスタルジックな気分になるわ。
この曲のピアノの音は一度録音したテープを倍速再生させる事で生み出された音色だというエピソードも有名なんだぜ。
なんか最近話題の何でも倍速再生する現代人のアイディアみたいね…。
この録音術によって生み出された音楽のアイディアが後の色んな音楽に影響を与えたんだよ。
ビートルズってそういった面でも偉大だったわけね。
だろー?ビートルズなんてもう古典みたいな存在だけど、こうやって振り返るとその凄さが分かるのさ。だから昔のアルバムの話題もたまにやってみると面白いんだぜ。
それはこのサイトの管理人に言ってる??
そうだな。最近アイツは話題の音楽ばっかり追っかけるミーハー野郎になっているからな。 こうやって過去の名盤にも触れて貰いたいもんだぜ。
でも確かに映画『ドライブ・マイ・カー』も話題になったわけだし、『リバルバー』への再注目はあるかもね。
そういう事だ。そしてビートルズは本当に素晴らしいから、そこを皮切りに多くの人に聴いてもらいたいんだぜ。
私も他のアルバムも聴いてみようかな。
お、いいんじゃねーか。じゃあ次にこのサイトでビートルズの話をするときはまたこのゆっくり解説形式でやってもらいたいね。
その前にゆっくり座談会の件がどう決着するかじゃない。というか下手したらこの記事自体消さないといけなくなるんじゃない?
商標登録されちゃったしなぁ…。ここまでこれだけ語ってきたのに私たち消えちゃったりするのかもなぁ。
大丈夫、そのときは画像のアイコンを別人に変えればきっとオッケーよ。
つーかこんな場末のサイト、誰からもお咎め無しなしだろ。
それもそうね。
おう、じゃあそろそろ帰るか。邪魔したな。
失礼しまーす。もう現れる事は無いと思うけどー。
ゆっくりしていかないからね!!
【採点】
・ビートルズ変化の兆し 40点
・評価は遡っていく 40点
・映画のドライブ・マイ・カーも良いよ
5点
・微妙な商標登録 -3点
82点