脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

やっぱりもう一回今の時代のロックを考える。


みんなロックなんて聴かない?

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6月9日。

なーがれーるきーせつーのまーんなかーで♪
から早3か月。

6月9日はロックの日!とばかりにロック好きと繋がりたいハッシュタグで
ハッシュハッシュしてらっしゃる皆さんこんばんは。

もし朝の通勤電車の中で読まれている方でしたらおはようございます。
お昼休み中に読まれている方はこんにちは。
大学の講義中に読んでる方。講義ちゃんと受けろ。授業料無駄にすんな。


ロックの日というわけで今日は最近考えている事をまとめながら書きたいと思います。


いーつのことーだかーおもいだしてごーらん♪

かつて俺は今の時代のロックについてちょっと考えた事があった。

drr.hateblo.jp

 
これは当時取り留めもなく思う事を書いた記事だったと思う。
だが俺が根本的に考えている事ってさほど変わってなくて、
ざっくり言えばロックに期待する事はいつだって新しい刺激なんだよねって話だ。

だから誰かがやったことあるような事と全く同じような事やってもさ、
ぶっちゃけ面白くないっつーかなぞってるだけじゃんってなるんよね。
正しいとか間違いとかじゃなくてなんか興ざめしちゃうんですよ俺はって事。


では2021年の6月9日に何を思うのか。
今日はたまに発揮する真面目モードにて書いていこうと思う。

今回も別にこれで一つの結論が導かれるとかそういう話じゃないんだけど、
でも今日考えてた事をいつかまた振り返るときにいいんじゃないかと思ってね。
おっ、なんかキザだな今日の俺。酒は全く飲まなくなったけど今宵の俺は酔ってるぜ。



さて、だらだらと書いていこうとは思うものの、
これを読んでる音楽好きの皆さんに一つだけ最初に教えておかねばならない事がある。


今、世の中で音楽を聴いている人、

マジで 俺 ら だ け です。



これマジだからな!

周りを音楽好きに囲まれてさぞ幸せな日常を送っている
皆さんには到底想像もつかないでしょうけどね!
スーパーの惣菜が安くなるタイミングを狙って日々買い物に出かけているような
スーパー一般人の俺にはよーく分かるんですよ!


みんな思っているほど音楽に興味ない


コレ。音楽が好きな人の人口マジで減ってる。体感で分かる。結構ヤバイって。

あん?

「なんかそういうデータあるんですか?」って??

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うっせぇわ。俺の体感っつってんだろーが。

でも少なくとも俺の周りの個人統計では確実に音楽を追っている人は減っているの。
俺みたいな人間はもう少数になってしまったんだよ…うぇ~ん。


そしたらどーせ皆さんは「日本のシティポップが今海外で人気!」だの
「イギリスのバンドシーンが今熱い!」だの言いたいんでしょ?

そりゃ音楽に興味ある人からすれば明るい話題でしょうけどねぇ、
ハッキリ言わせて貰いますけどまだまだ全然盛り上がりが足りんの。
音楽好きの間でわちゃわちゃやってる感が半端ない。やっべぇやっべぇやっべぇわ。

え?別にいいじゃん?そうかそうきたか。
そうだよね。音楽なんて好きな人同士で盛り上がれればそれでいいもんね。
別にみんなが知らなくても、知っている人達の間でイチャコラしていればいいもんね。


…いいのか?

君たちは本当にそれでいいのか??

俺は人が知らない音楽を知ってるんだ、へへん。
そんなんで俺らは本当にいいのかー!!!???

完全に世間から隔離された音楽愛好家。


俺は先日の個人的企画でボロボロにやられてしまった。

関ジャムで放送された2000年以降のJ-POPベスト30を選ぶ企画、
事前に30連単をガチで予想するというイキリ散らした俺の挑戦。

drr.hateblo.jp

 

いやそうだよな。普通に考えればウルソもTSUNAMIも入るよな。
あーもう俺のバカバカバカバカバカぽかぽかぽかぽか(頭を殴る音)

ここでもう色々反省しました。PPAPとか完全に忘れてたしさ。
それなりに音楽ブログやってきててこのザマよ。もう俺の限界ですわ。
何故かキリンジの『エイリアンズ』は順位までピタリ当てたけどな。

そしてこの関ジャムの予想がガン外れした事で俺はずれている事を自覚した。

なんつーか、俺の視点が完全にロックに寄りすぎていたわけですよ。
ゆらゆら帝国とかさすがに入ってるでしょとか思ってた。
でもそんな事は無かった。ただ関ジャムは悪くない。勝手に期待した俺が悪いんだ。

やっぱりJ-POPという括りならばメジャー曲を選ぶのが普通だよね。
関ジャムってたまにマイナー攻める時があるからもしかしたらと思ってたけど、
こういう大型企画はいろんな視点が混じって結果的にメジャーな形になるんだろうな。
ただカバー曲については「それ選ぶのアリなん?」ってちょっと思った…。


でも誰だったか、個人的にゆらゆら帝国とかを上位に入れてる方はいた。

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こういう所がピックアップされるのはロックファンとしては嬉しかったけどね。


しかしこの孤独な敗戦は俺をハッとさせた。

原点に立ち返れ。

俺がこんなくだらないブログを始めたきっかけはなんだったのか。
音楽をあまり楽しめないという人にも楽しんで貰うのが目的だったはずだ。

今までこのブログが誰に何を与える事ができたのかは定かではない。
もしかしたらひねくれ者を産み出す手助けをしてしまった事もあるかもしれない。
うはは。それはそれでいい。仲間は多い方が良い。種の保存は生物の本能だ。

けどもし俺のブログを見て素敵な音楽に出会えました!
という方がいたのならそれが俺にとっては最高に嬉しい事なのである。
もし下手な出会い系に手を出して疲れた方がいたらココで癒して欲しい。

そう、俺には俺の役割があるはずだ。

俺の好きな音楽を何らかの形で発信・応援しなきゃならんのだ。
人と音楽のマッチングアプリ、あなたに素敵な出会いを提供します。
そういうものに わたしは なりたい。

音楽のパワーは衰退してしまった?


ここでちょいと話題を変えよう。

ご存じの通り、昨年からのコロナ禍で
音楽に限らず色んなものを取り巻く状況が激変している。

きっと全て元の生活と同じようには戻ることはないだろうね。
良くも悪くも世の中の在り方が強制的に変化を余儀なくされている。

しかしオリンピックも含めて色々と議論が紛糾しているこの状況。
なんだろう、俺は残念な気分にさせられる事が多かった。
人間って結局みんな利己主義なんだなって浮き彫りになってしまったから。


”世界中の人類が一つになれるのは、地球外から外敵が来た時”


みたいなさ、そんな事歌ってた曲もあったよね。
「それは一理あるなーw」とかやや皮肉を込めながらも納得してたりしたけどさ。


そして新型コロナによって世界はそれに近い状況になった。

でもどうだ。ワクチン一つにしてもワクチンが出来たとなれば世界各国で争奪戦だ。
どいつもこいつも「あの国はワクチンが早い」だの「俺に早くワクチンをくれ」だの。

人類の叡智ってもんが機能していればなぁ、
感染者が多い国にワクチンを先に回して少ない国は後回しにするのが筋だろぉ?
それなのにみんな他の人は知らん、我先にワクチンをよこせって考え丸出しでさぁ、
結局人間ってそんなもんなんよ。世界平和なんてまだまだ先ですよこんなんじゃ。

実際には国家間で調整する意見もちゃんとあるらしいけど、
でも現状はワクチンの殆どが一部の国で集中して摂取されている状況だそうだ。
あまり報道されていないけど、ワクチンを入手できない国は後回しにされる現実…。

みんな普段は平和が大事とかいいながらさぁ、
やっぱり自分が助かりさえすればいいんじゃないの???
利己的な考えの人が目立ってる。ああかなしい。ぼくはかなしいです。


そしてこんな今だからこそ、この人間の醜さを歌うようなアーティストが
どこからか現れてもいいんだろうけど、少なくとも俺の耳には届いてきていない。
どうしてだろうか。かつて人類皆平等!世界に平和を!と皆が言っていたのは幻想か。

ああ、音楽のパワーってやっぱり弱くなっちゃったのかな…。
もし今が80年代だったら、この状況でも世界中が共鳴するような音楽が
生まれていたんじゃないかとか考えてしまうんだよな。

この状況を癒してくれる音楽という意味では色々あるんだろうけれども、
強い意志をもった音楽というのはどうも見当たらないのよね。
というかもしかしたら、そんな音楽は流行らない時代になったのかもしれないね。

でも音楽の力なんてもともとはそんなもんだったのかもという気もする。
ただ人間ってやっぱ醜いんだよなという諦念が漂う世の中になっちまった。

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不要不急と言われても構わない。


このコロナ禍で、不要不急な事柄のトリアージが始まった。

そこで必ず議論になるの音楽を始めとするエンタメは不要不急なのかだ。
まぁ当然そういう話になりますよね。
そして当然「不要不急じゃない!」と言い張る方々もいらっしゃいますよね。


確かにエンタメが生きる糧になるという話には俺も非常に共感している。

昔紛争中だったボスニアにボランティアに行ったアメリカ人が
現地の人に「シアターの準備をして欲しい」と言われた事があったそうだ。
大変な状況なのになぜ映画なんか…と思っていたらなんと
「今、人間が人間であるために映画が必要なんだ」と言われたらしい。

なるほど、人間が人間であることを護るために
文化的な営みを止めてはいけないという事だろう。いい話である。


でも俺に言わせてもらえば残念ながら不要不急でしょうね。ええ。

おや?もしかして俺がフォローしてくれると思った?
というかいつから俺が味方だと勘違いしていた?


いやでもね、いいんですよ不要不急で。エッセンシャルワーカーじゃなくて結構。
あっさり不要不急と認めちゃうくらいでも全然いいでしょう。

で「不要不急ですが何か?」くらいの心構えになる方が楽だと思うんだよね。

そこで「不要不急だというヤツは文化を分かっていない」とか
上から目線で言い出す輩がいるから結局対立が生まれちゃって前に進まないの。
そんなプライド捨てちまいな。音楽を高潔なものとか妄信するのは俺は好きじゃない。


そもそもですけど、この社会のほぼ全ての仕事が不要不急なんだよ。
俺は今在宅でWEBとか開発とかやってるけど正直世の中に要らない仕事だと思ってるし。
なんだかさ、みんな自分のやってる仕事は高尚な物だと認めないといけない
病気でも流行ってるんじゃないか。だとしたらコロナ以前にそっち治すべきだって。

結構な人を敵をまわすような発言になるけどさ、
IT産業(特に公的部門)なんて無駄なことやって経済を回してる典型例なんだよ。

行政が複雑な制度設計をしてそれに合わせてシステムを構築する仕事を生み出して
それが大企業から地方の企業へと流れて末端まで仕事を与える。
仕事を産み出すために過度な制度を敷くサイクルを繰り返しているわけよ。


でもそれでいいじゃないですか。
多分世の中の大多数が不要不急な仕事で生きているんだから。
自分がさも凄い事やってる側の人間なんて思い上がる方がキモいんだって。

ちょうどこないだアルバム出したバインの田中さんだってな、
去年だったかアーティストが「勇気を与えたい」みたいな事言うの傲慢だって
インタビューで話してたぞ。あの田中さんだってそう思ってんだぞ。分かったか。

あ、新しいアルバムいいっすよね!

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確かに金銭的だったり人との関係が減ったりして色々厳しい状況かもしれない。

でも別に自分自身が完全が絶たれたわけじゃないし出来る事はあるだろう。
だから自分の仕事は不要不急だなんて頑張って主張しなくったっていいし
むしろそう考えない方が楽になれる時もあるはずだ。

自分のやってる事は不要不急と認めた上で「でも止めないもんねww」くらいの気概で
出来る事を続ける方が精神衛生上良いんじゃないかというわけだ。

ロックがつまらなくなっている?


しかし歴史の要所要所で音楽が大事な役割を担ってきた事は否定できない。
特に70年代~80年代、現代にも通ずる価値観が芽生えだしたころだ。
音楽を通して社会的なマイノリティーの苦悩を感じ取ってきた人も多いだろう。

そして現代。どうですか皆さん。

いやー凄い時代になったと思いません??
誰でも簡単にインテリになれる時代ですよ、わはは!

ツイッターアカウント作って女性蔑視なりLGBTなりBLMなりを憂うつぶやきをすれば
ほらもうアナタもインテリ!な時代です。そして量産されるインスタントインテリ。
いいんですよ。誰も間違った事は言ってない。その主張を否定する気もない。


でもね、なんか最近空虚になってません??
少なくとも俺はなった。なんかもうまたかよって思ってきた。


特に創作界隈がこの手の問題やるのって最近供給過多じゃない

気のせいか?飽きっぽい俺の気のせいなのか??
でもここ数年でクリエイターがこれ系の問題を取り上げるの急激に増えたでしょ。
トレンド第一位かってくらいだよ。みんなこの流れを確実に意識してる。

当然まだまだ日本は遅れている部分もあるから言い続けるのは大事だし、
言論分野で大いに盛り上がってくれて結構なんですがね。
ただ創作系はもうそろそろ次のフェーズに移っていきたいというかさ。

ガチなクリエイターってもっと時代の節目を鋭敏に感じ取ってた気がするんだよ。
少なくともトレンドに乗ってウケそうだからってやるような真似はしないハズで。
次世代の価値観って奴を即座に嗅ぎ取って表現してくれるんですね。


前にも言ったけどさ、反戦ソングも差別撤廃ソングもやるのはいい事だけど、
でも今それって俺からすれば余程の事じゃない限りロックじゃないんだよね。
昔それやってた人は間違いなくロックだけど今は当たり前になっちゃったというかさ。

恋愛ソングとかだってみんな飽きるじゃん。
言ってしまえばパターンになっちゃうともう手垢がついてしまう。
それがどんなに正しい事だとしても人間って基本的に飽きるものだから。

つーか恋愛ソングは星野源が先日の件も含めて全て終わらせました。

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星野源…ガッキー…ううっ…。


こうなると「社会問題と恋愛を一緒にするな」と怒られるかもしれんけど、
でもこれは人間の性質的な話でしてね。人は常に新しいものを欲しがる生き物なのよ。
いくら問題提起が大事だとは言え創作がそればかりに塗れるのは好きじゃないですね。


あと正直ポリコレが面倒くさいんですよ最近。

特に誰も意識してない事になんにでも噛みついちゃってさ、
そんなん確実に表現出来る事減るに決まってるでしょ。
んで、そんな窮屈さが本当にみんなが目指す世界なのかって話でして。
単純に色んな事が出来て多種多様なものが溢れる世界の方が理想でしょシンプルに。


…つーかポリコレみたいのですら面倒くさがって
自由に歌うのもまたロックなんじゃあないの?

他の創作ジャンルならまだしも少なくともロックがインテリ系に近づいて
徐々に小難しくなっていって…ってそれってなんかつまんなくない?
つーかこの流れって昔にもあったよね。プログレ⇒パンクの時代辺りに。

という事はこのタイミング…
実はロックにとってチャンスなのかもしれませんよ??
やろうぜ。世の中に蔓延るインスタントインテリ共に泡吹かせに行こうぜ。

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ギスギスした現代にガツンとくる音楽を


さて、いつだったかゴッドタンのマジ歌で、
バカリズムがバシバシくるスゲー曲を作って披露してたんだよ。

 

俺らしくありのままで生きたいと言われても
私らしくありのままで生きたいと言われても
君の基本のパターンを知らない

俺らしくありのままで生きたいとカマされても
私らしくありのままで生きたいとスカされても
君のらしさにそれほど引きがない

誰も知らない道なき道を歩むよとイキられても
振り返らずに道なき道を歩むよとドヤられても
そこは意外とメインストリートだよ


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これ凄くない!?聴いたとき俺は震えたね。

巷で乱発されていた自己啓発ソングを痛烈にからかった歌。
自己啓発系Youtuberがみんな同じような事しか言ってないのと一緒だよ。
サイコーだった。こういうのこそがロックなんだよ!

そう、これです皆さん。
次々と新しい主張を塗り替え上書きしていってこそロックです。
世間に溢れる主張になんて興味が無いのがロックだったんじゃないのか??


そういえば俺が大好きだったチャットモンチーが
歌いたい歌が無くなっていくのが怖いと歌っていた事を思い出すね。

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チャットモンチー(済)…

そうなんだ、常に新しい価値観を探し当て提示するのがアーティストって存在だ。
だとしたらその鉱脈が枯れてしまうのが怖い。そこに触れた秀逸な曲だ。
しかし逆に言えばチャットモンチーですらこんな事を歌う時代に突入していたわけだ。

でもこんな時だからこそロックにやれる事…あるんじゃないか?
このギスギスした世界に刺さるような痛快なIPPONとったるでみたいな、
そんな音楽がいよいよやってくる時なんじゃないか??

バカリズムに負けるな。
もっと剥き出しでストレートでそれでいて爽快な音楽を聴かせてくれよ。

邦楽はまだまだやれるか


とここまで、ロックに力が無くなってきてるんじゃないか説を
色々な見方で俺なりに述べてきてみた。

でもまだまだ新進気鋭のロックバンドがいる事知っているし絶望はしていない。
むしろこのコロナだからこそ誰かが何かをやるかもしれないとも思う。
音楽って逆境を利用してエネルギーを爆発させるみたいな傾向があるしさ。

言い方は悪いけどライブが出来なくなってきたが故に名曲が出来たりするとか、ね。
最近はライブ市場を中心にした曲ばかり需要があったから、
ある意味ではこれでバランスが取れたという面もあるとすら考えられる。


ただ冒頭に戻るが、やっぱり厳しいんじゃないかという気持ちもある。
特に邦楽。世界的には個人的に面白い事もあるけれど果たして日本はどうか。

いやいや日本にも凄いアーティストはいるって?

知ってるって。だから俺は知ってるって言ってるだろ。人の話を聞け。
そしてお前が知ってるのも知ってる。問題なのはな、「俺ら以外」が知らないし
知る術がかなり限られているんじゃないかってのが問題っつってんだよ!



ここで今の時代の音楽の聴かれ方について考察してみる。

音楽の視聴環境は今やSpotifyのようなサブスクがメインになったと言える。
あとはYoutubeのような動画サービスで視聴する人も多い。
言わば誰でも簡単に聴きたい音楽にアクセスできる状況だ。


それはとても良い事だし音楽好きからすれば理想的な環境だ。

しかしデメリットだってやっぱりあるんですよね。
まあ俺も使ってるから悪口ばかりは言えないけどな。

あ、俺もプレイリスト色々作ってるんで聴いてみてね!



もう時代がそうなっちゃったんだから、
さすがに「やだやだCDが良いもーん!」とかは言わんが、
俺もいい年したおっさんだ。批判もしたくなるものなんだよ。

ここに絡めて
今の時代の音楽(主に邦楽)が置かれている状況について考えを巡らせてみたい。

今の音楽を聴く環境は何をもたらすか。


①やっぱりアルバムが聴かれなくなった。

やっぱこうなると思ってましたー。
アルバムなんて「あるばむ?何それ?卒業旅行?」状態じゃん。
これについてはサブスクが出た当時に話した。

Youtubeにしてもサブスクにしても注目されるのは
どうしても曲毎の視聴回数になっちゃうんですよね。
曲単位で聴く習慣がどうしても強くなってしまう。

曲聴いていればアルバムなんて聴かなくてもいいじゃん、と思うかもしれんが
やっぱり俺はこれは損失だと思うね。前に関ジャムでも言ってたでしょ。
アーティストがめちゃめちゃ考えて作っているのがアルバムなんだよ。
関ジャム有難うな。ちゃんとアルバムを紹介してくれる良心的番組だよ。


とは言ったものの今の時代、アルバムの価値って難しいよね。

youtubeで1曲無料公開されているのを聴いて、
じゃあそれが入ってるアルバム聴くかって話で。
多分ほとんどの人がアルバムまで聴かないでしょ?

ここが漫画とかと違ってキツイところなんですわ。
漫画が一話無料公開されてたら続き読みたくなるでしょ。
そこから単行本とかへの導線が作れるわけ。

でも音楽だと多分それが難しいのよね。
うーん、音楽でそこをどうにか実装できんのかな。
曲を途中でぶった切る??うーんそれもなぁ…

あと何よりプログレみたいな往年の名盤がキツイ。
過去の洋楽はアルバム主義みたいなところがあって、
そういう名盤と言われているアルバムにみんなの手が伸びにくいのがキツイ



②大量生産、大量消費の加速

商業主義・消費サイクルが加速しちゃった印象なんだよなー。
一発ウケ狙い!当たれば即拡散みたいな。
なんだかもう情報戦みたいな様相を呈してないか。

そういう音楽の消費のされ方は1990年代のタイアップ全盛期くらいから顕著だが、
最近は特に短くてインパクトのあるものばかりが正義と言わんばかりだ。

なんでも最近の若者はアニメも映画も倍速で観るらしいじゃん。
すげーよね、最短効率でオタクを目指すとかいう効率厨の極みやで。
つーか倍速って大丈夫か。釘宮理恵の声の倍速とか脳味噌に悪影響出たりしないか。

そんな若者が長い曲なんて聴くわけもなく。
なんなら音楽ですら倍速で聴いてそうだしさ。もうそんな時代なんですよ。
となると冒頭ですぐ掴めるような音楽ばかりが作られていくわけです。

そこにイラスト風のMVと歌詞表示を沿えれば現代版J-POPの完成である。
もともと”純粋な音楽”(という定義も難しいけどね)だけで勝負するのは
どんどん厳しくなっていたわけだけど、ここに来てそれはさらに加速中だ。

なんつーか、そもそもだけど音楽って本来こんなに
大量に生み出されて圧倒的スピードで消費されていくもんだったのかね?
自然発生的に生まれた音楽が徐々に伝播していくのが昔のルートだったわけでさ。

そこはもう音楽が商業ベースに乗った時点で避けられない未来だったんだろうけど、
一つの作品に対する思い入れみたいなものは今後も薄くなっていきそうである。


③聴く音楽が偏っちゃうのでは。

これは俺も言えたもんじゃないけど、
今みたいな形で音楽を聴くスタイルが進むと
みんなが聴く音楽の裾野が広がらなくなるのではないかという懸念。

サブスクにしろyoutubeにしろ
曲を聴いてるとおススメの音楽を教えてくれるんですけれど、
するとやっぱりどうしても趣向が近い音楽ばかりになってしまう。

勿論有難い機能でもあるのは否定しないが、
それはつまりみんなが聴く音楽がAIに支配されちまう事なんですよ。
わーお、ディストピア感がありますね!

テレビや雑誌、俺のブログなんかで
普通だったら絶対聴いてないだろう音楽にぶち当たるという偶然、
そういう機会がコンピュータによって排除されていくのだ。

さっきの商業主義に関連する話でもあるけれど、
その人に確実にウケるであろう音楽を狙いうちする手法は
確実性が高い分、不確実性による突然変異を起こしにくいとも言えるわけです。
なんか理系っぽい言い回しだろ。そうだよ俺理系だもん。

なんでも効率化によって最大限のサービスがコンピュータによって提供される代わりに
偶然のドキッ!みたいなキュンが起こらない事態にもなってるのではないだろうか。



④やっぱり儲からない??

良く言われている話だけど、やっぱりCDの方が実入りは大きかったらしいし、
サブスクだとあまり儲からないという話は耳にする。

でもまぁこれはビジネスの構造的な問題なんだからしょうがないかな…。
どの業界でもそうだけど時代の流れに逆らえないという事はあるしね。

ただ漫画市場と音楽市場を比較するってのを度々やったりしてる俺としては、
日本の音楽市場って漫画に比べてなんでこうなっちゃったんだと思うんですよ。
で、やっぱりみんなの音楽に対する相対的価値が下がってるんじゃないかと。

だって漫画ってサブスクみたいなサービスに頼らずとも、
普通にみんな単行本なり電子書籍なりでちゃんと買うんですよね。
漫画にはちゃんとお金を払うという意識がみんなあるんですよ。


以前、音楽市場の規模を漫画市場が抜いたって話をしたんだけどさ、
やっぱり日本って漫画とかアニメに対する審美眼が皆に備わってるんだよな。
日本人の厳しい目に晒されている事で強力な作品が生み出されるというね。

そんな漫画やアニメとかも数年前くらいまで売り上げ至上主義みたいな空気もあって
各作品の支持者も円盤の売り上げで殴り合いを繰り広げる事態だったようだが、
裏を返せばそれは良い作品=ちゃんと売れるという図式が日本で成立するという事だ。

そう考えると音楽の地位ってやっぱり低くなったなって感じるんだよ。
これまで音楽に対してどれだけお金を使ったのか、
おそらく限りなく0円に近い人類がこれからわんさか出てくるんだと思う。

俺みたいにCD1000枚くらい持っててライブグッズなんかにも金つぎ込んで
割とマジでそこそこ良い車が買えるくらいに音楽に金使った事がある人間なんて
絶滅危惧種の天然記念物でユネスコとかになんか指定されそうくらいまであるぜ。

音楽だって市場が活性化しないと話にならんのよね。
特にコロナもあってライブという道もかなり制限されちゃったわけだしさ。
金のために音楽やってるんじゃない!のはそうかもしれんが、
ある程度はビジネス面も考えないと音楽そのものの人気が減り続けてしまう。


今のこの時代、音楽を手軽に聴けるのはいいが個人的には大賛成とも言えない状況だ。
特に日本に関して言えば従来強かったシングル指向がさらに強くなる傾向に。

また音楽市場全体で言えば世界的には実は成長が続いているのに対して
日本は減少が続いている。サブスクだのYoutubeだのの条件はほぼ一緒なのに、だ。
やっぱり邦楽は音楽に関してはもうダメなの…か…??

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世界を視野にいれるしかない。


なんだか結局ネガティブな話ばっかりですまん。

でも俺は「音楽の未来は明るい」なんて手放しに言えないんだよ純粋だから。
じゃあどうすればいいんだよって?
俺だって知りたいよ。つーか俺は本当は自分自身の未来を案じるのが先なんだよ。
でもな、利己主義に陥らずにちゃんと他の人の事も考えてるんだよ優しいから。

でも邦楽に関して言えば、一つ思う事がある。


もっと世界的に聴かれる邦楽アーティストが必要だ。


しかも今バリバリ現役の若手が世界的に聴かれる事。
近年ならBABYMETALみたいな存在は確かに出てきた。
でもまだだ。まだまだ世界で話題になるアーティストを輩出する事が大事なのだ。


韓国は(局所集中というやり方に賛否はあるものの)
元々の国内市場が小さかったが故に世界市場を狙って動いてきた結果
BTSという特大ホームランを放つ事に成功した。

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これは素直にアジアにとっても大きな出来事だと言える。

対する日本はこれまで国内市場が大きかったが故に国内だけを見ていても良かった。
でも前述の通り近年の音楽情勢の変化の中で邦楽の規模が縮小している。

これはもうやっぱり国内だけ見ていては厳しいんでは…??


「日本のシティポップが海外で来てる!」とかって反論もあるでしょうけど
でも海外で今注目されている日本の音楽ってさ、
結局は掘り起こされているものが大半なんですよね。

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言ってしまえば日本の過去の功績が再評価されているという形であって、
現在進行形で日本で人気があるアーティストが海外でも人気と言う例が
果たしてどれだけいるかというと…どうでしょう??

国内市場で国内向けにその場でウケるビジネスを続けてきた結果、
いざ海外に打って出ようとしてもうまくいかない。
これ、日本の家電が陥った状態と重なってきませんかね?


だから邦楽がそんな事態になってしまう前に、
邦楽が本気の本気で世界市場を狙いに行く。これしかないでしょう。
そしてそれを日本のメディアも含めてバックアップする。
海外で人気が出たアーテイストは日本でももっと紹介する。


確か80年代くらいまでは邦楽アーティストも結構世界を狙ってたらしいんですよ。

特に昔は国内では歌謡曲寄りな人と洋楽志向の人との分断もあったみたいで、
80年代に洋楽を聴いていた日本人はいろんな意味で国内に見切りをつけて
洋楽を積極的に研究して新しい音楽を発掘したりしてたんですね。

だから批評的な文化も今よりもっと活発だっただろうし、
アーティスト側も音楽批評と二人三脚みたいになって音楽市場が活性化していった。
でもここ最近ってやっぱり批評みたいなのってダサい的な風潮あるじゃん。
いちいち人が好きなものにケチつけんの意味分かんない的なさ。


それは確かにそうだ。俺だって好きなもの貶されたらヤだし。俺意外と小心者だし。
けどやっぱりさ、「自由にやればいいじゃん!」みたいなノリだけじゃ
もう何かを生み出すにも限界があるのかもしれんのだ。

「老害の意見は聞いてない!」「俺らが次の時代を作るんだ!」ばっかり言って
他の人の意見をミュートしてたらどうしても内輪の盛り上がりで終わっちまうぜ。
人口も減ってる日本では、若手なんてタダでさえ貴重なんだぜ?

韓国みたいにガッチガチのプロジェクトを組めとまでは言わんが、
このままドメスティックな状態だと邦楽市場全体が小粒化・ニッチ化してしまって
大きく外に出るアーティストが生まれにくくなってしまうのではなかろうか。

先人の知恵を借りながら世界的なアーティストを輩出する、
そしてそれを盛り上げて国内でもどんどん紹介してくれるメディア、
その辺りが邦楽を復活させるカギになるんだと思えてきた。

まだまだ邦楽だってやれるはず。こんなもんじゃないって事を見せてやろうじゃないか。

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音楽よ、流行れ。


そんなこんなで長々と書いてきたわけですが、
自分のためにもまとめると

①コロナの影響もあってみんな利己的な事が浮き彫りになった。
 こんなときこそロックの出番じゃない?

②ポリコレ的な創作物ばかりが増長してきて正直つまらん。
 インテリに寄せた音楽にもそろそろ飽きてきたしロックの出番じゃない?

③音楽を聴く環境はコンピュータに支配されて聴かれる音楽が固定化されがち。
 そして邦楽はドメスティック化が進み音楽市場が負けてる状態。

④音楽ファンは「今も熱い音楽がある!」と思っているが、
 一般にはまるで浸透していないし上記のような環境により
 音楽ファン以外はそんな音楽がある事を知る機会もない。

的な話です。なんだすぐ終わる話じゃん。
なんで俺はこんな事に10000字も費やしてきたんだバカタレ。
効率を意識しろって言ったじゃん。今の若者は100字でリターンするんだぞ。


思うにさぁ。やっぱり「J-POP」って表記が呪いだったんないかな。
確か80年代末期にラジオのJ-WAVEで生まれた言葉らしいけど、
当時は洋楽にも負けないおしゃれな邦楽のような意味も込められてたんだよ。

でもいつもまにかローカルでドメスティックなものになったんだよね。
「日本の大衆音楽」みたいにさ。日本国内で通用するならそれで良しみたいな。
J-」POPと冠すればそれがもう免罪符になっていた。本来は逆だったのに。


かくいう俺も長らくはそれでもいいのかなとも思ってた。
日本は日本らしい音楽があってそれを好きな外国人も一部いればいいと。
でも今、邦楽業界が厳しい中でずっとこのままではいられないのではと思ってきた。

土着的なのは悪くない。
しかし邦楽はこのままワールドミュージックの一端に甘んじるのか?
なんかやっぱそれは寂しくないか??もっと盛り上がった方が良くないか??


こんな事を呟いたところでどこにも銀の弾丸なんて無いのは知っている。
でもとにかく俺は新規の音楽ファンを広げていく事、
まずはそれが大事なんだろうなと思っているわけで御座います。


そんな事を改めて考えた本日2021年6月9日。


そして本日俺の元に東京事変のアルバムが届きました。

 

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タワレコからの配送メールに浮き足立って勘違いして
配送先のコンビニに2日前に取りに行って「まだ届いてませんけど」と
店員に軽くあしらわれたりという苦い経験もあったけど、
ロックな日に相応しい素敵なアルバムが届いたと思う。


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CDなんてもう流行らないだろう。

それに正直俺の家でも俺のCD棚が結構なスペース食ってるので
そろそろ真面目に考えないといけない時期に来ていると覚悟している。

でもまだ俺は止めない!
俺の頭の中ではまだCDが鳴りやまないんだっ!


みんな、音楽聴こうぜ!


これからのロックに、邦楽に幸あれ。