脱R論

一般人の一般人による一般人のためのゆるくテキトーな音楽ブログ。ロックから脱却出来るその日まで音楽ネタを中心に書き綴ります。

音楽好きで自称リベラルな俺が、何故今回の衆議院選挙の結果を妥当だと思うのか


かく言う私もリベラルでね。


「でも誰もがみんな貴方みたいな事を考えながら生きる事はできないと思いますよ」

昔、とある先生に俺が言われた言葉なんだけど
この言葉は今の俺にも強く残っていて忘れられない言葉である。

そしてハッとさせられた一言でもあった。
自分の考えこそが綺麗で正しいとばかり思っていた俺に効いた言葉だった。

さて、選挙も終わったしたまには真面目な話でもしようかな~という気分なんで、またまた長文になるけど暇潰しに読んでくれ。



俺自身は思想なんて呼べるほど大それたもんは持ち合わせちゃいねーんだけど、
やっぱり大学生だったり若い頃には社会問題を多少学んでイキっていた時期もあったのよ。北欧のような高福祉の国は凄いなんて思っていた時もあったし、フリードマンを知ってそれが面白くて新自由主義に興味を持った時期もあった。


…おっとぉ、今メガデスが頭によぎりましたね??
これがメンタリズムです。

音楽好きは「フリードマン」と聞くとすぐマーティ・フリードマンを想像するからなー。

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ちなみにインテリ野郎はノーベル経済学者のミルトン・フリードマンを想像する。
「フリードマン」という単語をリトマス試験紙にすればそいつの属性が判明するから使ってみ。

まぁ多くの大学生は時間がある時期に大二病をこじらせて社会とか政治とかに意見し始めるわけよ。いっちょ前に語り出すわけよ。でもそれは悪い事ではない。むしろ大事なことなんだけど。


ただ今振り返ってみると昔の自分自身の主義主張なんて軸がブレブレブレブレぶれまくってて大したもんじゃ無かったななんて思うわけ。

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椎名林檎が「あたしの思想を見抜いてよ」なんて挑発的に歌ったのも分かる。
思想なんてそんな簡単に見抜けねーんだよ。特に俺の思想はブレまくってるからな。
だから今すぐ俺に此処でキスして。

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年齢と経験を重ねて色んな立場・状況になるにつれて考え方なんて変わるもんなんだ。
俺もガンを経験してからは大分丸くなったと言われるしそこは自覚もしている。
昔の俺を思い出すと恥ずかしくて枕に「ヴァー!!」したくなる事もあるもんな。


で、冒頭の言葉もそんな俺の思い出に残る過去の出来事の一つだ。

とある社会問題を知って自分が高尚な人間になれた気がして、
それをある機会に当時お世話になっていた先生に話した時のこと。

「それは大事な事かもしれないけど、でも今そんな事を意識できるのはある程度考えらえる余裕がある人たちだけだと思う。普通の人でそこまで考えながら生活できる人なんて殆どいないんじゃないかな。」


俺は当時も今も別に裕福なわけじゃないしそんなに暮らしに余裕があるわけでもない。

ただ、俺も人の親になってそれなりに色んな周りの人の声を聞くようになって見えてきた事もある。勿論まだまだ知らないことだらけだが、若かった時の自分の甘さというものが徐々に分かるようになってきたのだ。


すると面白い事に不思議と自分の中で腑に落ちる事も増えていく。
今回の衆議院選挙の結果もそんな出来事の中の一つって話だ。


芸術と言えばやっぱりリベラル・左翼というイメージ。


さて、俺は音楽が好きなのでこうやって音楽ブログをやっている。

そして音楽好きというかまぁ芸術関係や文化人は大体みんなリベラル左翼と相場は決まっている。

ハイ主語デカ案件。知ってる。いいんだよ。
だってそうだもん。音楽語ってる奴で日本第一党好きなヤツいるか?
いるわけないだろ。偏見上等だオラァ。

japan-first.net

昔っから映画とか音楽とか芸術系は基本的に左翼が強い分野だった。
確かビートたけしも「昔は芸能関係者は左翼が当たり前だった」みたいな事を言ってた。
それにネットとかで観察する限り今も傾向はそうなんだろうなとは思う。

洋楽でもジョン・レノンをはじめ歴史的にも左翼思想が強く、それに影響を受けた後進のアーティストたちはやはり左翼が主流だろう。しかしアートやロックが発展してきた経緯を踏まえればそれは自然な現象であって不思議な事でも何でもない。


勿論先日亡くなられたすぎやまこういち先生みたいな例外的な方もいるけれどもね。
そういや帰ってきたウルトラマンのOPがすぎやま先生の作曲だってこの前知った。

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ウルトラマンシリーズの中でもかなり人気の曲だし俺も好きな曲だ。
改めて聞くとシンプルながらも凄い曲だな。冒頭からのベースラインの高揚感とか、歌に入る手前でホーン隊(トランペット?)が一体となって鳴らす部分とか凄い完成度。


さて、やや強引に展開するけれども、日本でも芸術・創作界隈はやっぱり左翼思想の傾向が強いと思う。ただ昔に比べると典型的な左翼思想・マルクス主義の色合いは薄くなっているので、今の日本は左翼・左派=リベラルに直結というイメージがかな。


かくいう俺も自称はリベラルである。

一部リバタリアンかなと思う部分もあるけど、一応本来の意味でのリベラル、つまり自由主義・改革派だと思っている。

以前「自分の思想診断チェック!」みたいなサイトで数回判定した事があるけど
大体「左翼」「リベラル」と出てくるんできっと間違ってはいないハズ。

sakidatsumono.ifdef.jp


このサイトで今さっきやった結果も「リベラル左派」だった。


そうなんだよ!俺はリベラルなんだよ!!信じてよ!!

音楽に限らず芸術関係全般的に好きだし、みんなと同じリベラルなんだよ!
だから俺と仲良くしてよ!これ読んでるアンタもどうせリベラルなんだろ!?


ただ、言っておきたいのは日本の所謂リベラル政党(立憲民主党や共産党・社民党んど)は残念ながら俺は軒並み支持できないという事である。
そもそも彼らは本当にリベラルなのか怪しくなってくることすらあるんだもん。。。
そう、支持できないんです。ごめんな音楽好きのみんな。でも俺と仲良くしような。

だからいつも消去法的に自民党に任せるしかないなと思っているんですよ。
ちなみに俺は自民党がそんなに保守とも思ってない。
自民党はカバーする範囲が広すぎて最早正当な保守政党なんて言えない存在だ。


俺は基本的には無党派層なんです。

なんというかもっと真っ当な政党が出てくれば支持したいけど、正直日本でリベラルと呼ばれる政党がぜんっぜん好きになれないんだよね…。まぁリベラルの定義自体がもう最近ブレブレブレブレブレまくってカオスなんですけど。


しかし、音楽や芸術が好きな人からしたら
「自民党だけはありえない!お前はリベラルを名乗るな!」
なんて思うんでしょうど、いやマジでそういうトコなんだよオマエラ。
自分が気に入らないものはすぐに敵と見なして攻撃的になるトコ!

芸術が好きな癖に勧善懲悪の水戸黄門的なモンばかり観てきて育ったのか??
「善と悪はそんな簡単に分けられない」みたいな作品を観て悦に浸ってきただろ??
オマエラの好きなタヨウセイってヤツはどこいったんだ??あん??

そんなウソ塗れのタヨウセイばっか連呼されて俺はもう飽き飽きしたんだよ!
吐き気がする程ロマンチックなんだよ!

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だから今回の選挙はとても妥当な結果だと思う。
正直維新がこんなに伸びるのは予想外だったけど、立憲も共産も議席減らしてもしょーがないんだよ。



いいか、真のリベラルたる俺がなんで負けたのか教えてやる。

芸術には怒りのエネルギーも必要でしょうけど、まず一旦落ち着いてくれ。
音楽が好きなヤツ、芸術が好きなヤツ、自民党が嫌いなヤツ、
なんでこんな状況になっているか、俺が良い事を教えてやるからよーく聞け。


一言で言うと、あんたらがインテリだからなんだよ。

インテリは何も分かっちゃいない。


「理想を語るのはいいけど、みんながみんなそんな事を考えられない」

この意味が分かるか?分からんだろーなー。 だからお前はインテリなのだぁ! 

同性婚だの選択的夫婦別姓だのジェンダー平等だの非常に熱心に主張されていますね。
今回の選挙でもこういった事があたかも大きな争点のようにされてましたけど、ごくごく普通の国民の感覚分かってます??俺の周囲の人間の考え知ってます??

「とりあえず暮らしが楽になりたい」

以上です。「とりあえず」が非常に重要。このコロナの中にあってまず国民にとって一番大事なのは景気対策。正直殆どの人が選択的夫婦別姓なんか些末な事と思っている。


こんな事言うとすぐ「差別主義者だ!」とか「時代遅れだ!」とか言うんだろ。

だーかーらーお前はインテリなのだあああ!

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インテリな私が世界のトレンドを教えてあげる?ハイハイ良かったですね。
全くもって、インテリには非インテリの日常が見えてねー事が良く分かっちゃいますよね。

いいか。インテリ様が考えているような高尚な事を考えるような余裕なんて一般国民には無いんだよ。逆に言えば、そんな事を考える余裕があるような上級国民様には一般国民が日々どんな事を考え生活しているかが見えてないんですよ。


言っとくけど俺は同性婚も選択的夫婦別姓もジェンダー平等も賛成だからな。

いつか実現すればいいなと思っている。当然その先には近親婚やAIとの結婚もありえるだろうなと思っている。ジェンダーギャップを埋めるために女性議員と男性議員の数を一定数割り当てるクォーター性もアリだと思っている。そしてその先には今度は世代毎のクォーター制も議論されるべきだと思っている。どーだ、リベラルだろう?


ただ皆が政治に求めているのはだな、「今そのときに必要な政策」であって、どんなにそれ自体には共感できる公約だとしても、やはり重要度・優先度ってもんがあるんだよ。そこも知っている。そして国に今一番求めているのは経済政策なんだよ。

自分の考えと完全に一致する候補者も政党はいないんだけど、でも経済に重点をおいてその他譲れない政策等とのバランスで選ぶ。俺に限らず選挙ってのはそういうもんだろ。世の中の状況が変わればまたその時の課題に相応しいと思う人を選んでいくだけだ。

だからピンポイントでインテリチックな公約を掲げてそれがあたかも国の喫緊の課題のように争点にしても、そんな事を考えている余裕すらない国民の多くは「ん?」と思うだけなんですよね。

物凄く雑に言ってやるぜ。
「じゃあ選択的夫婦別姓が実現したら失業率は減るんですか?」
こういう事です。分かりますか?

生活に余裕のあるインテリさんは、きっとこの質問にも「それぞれ個別の解決策で…」なんて真面目に答えちゃうんだろうなー。


ネットで良く陥りがちな話だが、エコーチェンバー状態になっていると自分が抱いている理念をあたかも多くの人が共有しているかのように錯覚してしまうんだろう。
でも違うんだよ。そんなことはいいからとりあえず自分の暮らしが上向きになるようにしてくれと願っている国民が沢山いるんだ。マクロな話なんて二の次なの。それだけ。


アメリカでトランプ政権が生まれた時の事を覚えているか?
あれこそがまさにインテリに辟易した一般国民の抵抗だったじゃねーか。

今回の選挙も一緒。立憲共産が議席を伸ばすとか騒がれて蓋を開ければこの結果。そしてその結果に対して「国民が愚かだったから」とか言い出す輩までいる始末。情けねぇ。これだからインテリは嫌われるんだよ。分かったかインテリ共よ。

相手を悪い奴にして攻撃するのって気持ちいいんだろうなぁ。


もう一つ言ってやろうか。

リベラル共はな、やたら攻撃的なんだよ。

(…まあこれについては正直俺も言えたもんじゃないんだけど。)

攻撃力ばっかりにステータス振りやがってよぉ。AS252のデオキシスか。防御スッカスカなんだよ。ふいうちで確定1発だぞ。

「みんな仲良く多様性を大事に!」とかいいながら賛同しない奴を悪者扱い。そしてすぐ「弱い者の味方のヒーローVS金儲けしか頭にない悪」みたいな構図にしたがる。


あのー、今そういうの流行んないですから。
特に最近の若い人は穏便なのが好きなんですよ。知ってます?
外国の過激な運動とか見ると引いちゃうんです。

「弱者は弱い立場なんだから攻撃的になっても良い」と言うんですかあ??
「強者には暴力を振るっても罵声を浴びせても許される」んですかあ??

確かにアメリカの運動等を見て、目立つためにも強硬的な手段に出ないと話を聴いて貰えないなんて状況だと思えば、多少同情できなくもない。

でも、ではなんのために我々は教養を身に着けてきたのだ。

暴力・暴言を使わずに物事を平和的に解決するため教養を武器に選択したんだろう。
仮に弱者だとしてもやってはいけない事をやったときは制するべきである。しかし昨今のリベラル共ときたらやたら攻撃的でおまけに身内に甘い。


ここはどうだろう、もういっそヒプノシスマイクみたいにみんなラップバトルで決着をつける世界を目指すってのは。

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殺傷能力のある武器が禁止になって、代わりに人の精神に干渉するラップが武器になった世界だぜ。おまけに女性が国のトップに君臨し男性は追いやられている。リベラルが好きそうな要素てんこ盛りだろ??ラップは銃よりも強しってわけよ。


いずれにしても、存在もしない絶対的な正義や悪を作り出そうとすることがもう古いやり口なんですよね。

あとこれはリベラルに限らない話だが、みんな自分に都合の良いファクトばかり見つけて主張するでしょ。んで対抗する側は別のファクトを見つけて互いにぶつけあってファクトバトル。そして来る日も来る日もファクトチェックファクトチェックファクトチェック…。

もうこんなんファ〇クですよ。そこに異なるファクトがいっぱいあるだけでしょうが。視点や切り口が違うファクトがあるだけ。どっちも間違ってないから不毛な争いが続く。マウント取らなきゃ死ぬんですか皆さん。この世には0か1しかないんですか。マトリックスですか。


民主化が進んだと言われる古代アテネだってな、どんどん相手を言い負かそうとするレスバトル文化が盛んになったせいで衆愚政治と化した歴史があるんだ。それと現状が似ていません?最近論破ブームとか来てるんですか?ひろ〇きのせいですか??こんなんじゃまともな民主主義なんて成り立たない。ある意味民主主義の敗北だ。

少し話は逸れたが、相手を悪に仕立て上げて攻撃するのもうダセェよなって話。
どんな物事も単純な二項対立ではなく、実際はグラデーションなんだよ。

リベラルはナショナリストだったのか?


そして最後。俺が個人的にコロナ禍で感じたリベラルに対する違和感。

今でこそコロナは落ち着いてきたが、政府のコロナ対応は個人的には信用できない部分が多々あった。特に昨年は緊急事態だのGOTOだの言ってることがブレブレブレブレブレまくって多くの国民を混乱させてきた。

普段は俺も意見が変わる事自体はそこまで悪いとは思わんけど、政府みたいな多くの人間を振り回してしまう立場の人間が朝令暮改ってのは、さすがにもっと慎重になって欲しいと思うわけでして。

しかし、ワクチン接種がここまで進んだ点は良かったと思っている人が多いだろう。
ワクチンも色々と問題があって騒がれたが、なんだかんだでここまでのペースで接種が広がったのはまあ素直に結果オーライなんだろう。


ただ「世界みんな仲良く」「人類皆平等」とかが大好物のリベラル共が「日本は世界に比べてワクチンが遅い!」とか言ってるのを見聞きして、あれ?もしかしてこいつらナショナリストなの?と思った。


先進国ばかりがワクチンを独占している事が問題視されているのはリベラルの皆さんも当然ご存じでしたよね??

www.nikkei.com


そんな中で感染者数が圧倒的に少ない日本が率先してワクチン入手してたら、国際的に非難されるでしょう。むしろ俺みたいな真のリベラルは日本は被害が少ないんだからもっと大変そうな国を優先させてあげればいいのにと思ってたんだぞマジで。


それでも似非リベラル共から聞こえてくるのは「日本はワクチンが遅い!日本政府は無能!」という声。ヤダそれナショナリスト仕草や~ん。

普段から人道だのグローバルだの言ってるインテリの方々、感染者数が少ない日本が率先してワクチン確保した件については本来非難すべき立場ではないんですか??
なーんだ、やっぱみんなナショナリストだったんじゃないですかー。

クソがっ!
お前らやっぱ嘘つきじゃねーか!騙された!俺は騙されたぞ!

人生で初めて選挙演説を観てきた。


と言う感じで自称リベラルな俺が日本の仮面リベラル共が嫌いな理由を述べてきた。

分かりましたか?インテリの皆さん。今回の選挙結果はとても妥当なんです。
今回の選挙結果で日本のリベラルもまた考え直さないといけない部分があると認識できたのではないでしょうか。


まぁ正直言って岸田内閣も不安なんですけどね…。


実は今回の選挙、俺は人生で初めて選挙演説というものを観に行ってきた。
2回観に行ったんだけど、そのうち1回は岸田総理が直々に武雄に来た時だった。

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人生初の選挙演説ライブ


俺は多分、長引くコロナ禍もあってライブみたいな経験を欲していたんだと思う。

人生において音楽のライブは結構な回数行ってきた俺だが、選挙演説のライブは行った事がなかった。ましてや総理大臣のライブ演説なんて地方ではなかなかお目にかかれないので行ってきたわけだ。

これまで俺は選挙演説なんて行かなくても公約見ればいいじゃんとか思っていたが、よくよく考えたらそれは「CDとか聴いておけばライブなんて行かなくても良くない?」と言ってる事と同じ気がして、それは確かにライブも経験しておかねばと思った次第である。

というわけでピンク・フロイドの『狂気』のシャツを着て行ってきた。
会場でこんな柄のシャツ着た男を観た人、それ俺です。


演説ライブは意外と楽しかった。総理が来るとあって人も多かったし盛り上がってた。

そして候補者が街頭演説をする意味が分かった。ありゃ音楽のライブと同じだ。
今回はコロナで握手の代わりにグータッチだったが(俺も総理とグータッチした)、いつもなら握手会まであるわけだ。しかも全部無料である。あの空気を感じたら選挙に行って投票しようと思う人は増えるだろうなと理解した。ライブも演説もどっちも大事なのだ。


しかしだなぁ、岸田内閣の掲げる「新しい資本主義」って結局なんなんだろうか。
未だに良く分からない。あと「新自由主義からの脱却」って、いや日本っていつから新自由主義になったんだっけ?正直日本なんて全然新自由主義じゃないですよ。

つーか新自由主義という言葉も良く分かってない人が多いと思うんだけど、そんなスローガンかかげてたら「え、自由じゃなくなっちゃうの?」とか勘違いされそうな気もする。

それに選挙中だという理由でG20には参加しないし、中国とロシアの艦隊が日本をぐるっと周ったというのに特にコメントも出さないし、既に疑問符が色々とつき始めている。

21世紀になって小泉・安倍以外の首相はみな一年で退陣しているんだけど、果たして一年の壁を超えられるのか。来年夏の参議院選挙辺りでまた審判が下されるんだろうか。

とりあえずみんな次の選挙も行こうね。
選挙の日は投票行って外食するんだ。

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ちなみに今年の選挙、俺は子どもも一緒にハロウィンコスで選挙会場に乗り込みました。受付の人の「ハッピーハロウィン!」と言われました。うれしい出来事が増えました。

いつかは理想的な社会に辿り着くのだろうか。


このコロナ禍で色々な事が浮き彫りになってきた。

まだまだ人間の知らない脅威は沢山あるし、完璧な社会の仕組みなんてのは存在しないという事。医療に出来る事にも限界があるし、結局はみんな自分が大事だったって事。

一見成熟してきたかように思えた今の文明も実はまだまだ発展途上で、人類は社会の構造をずっと試行錯誤している段階なのである。そこに正解は無い。だが誰もが理想的な社会というものの存在を信じて突き進むしかないんだよね。


そして今の時代で、まさか20世紀で終わっていたと思っていた社会主義が再注目される事になるとも思っていなかった。

そう、中国である。

コロナのような非常事態においては、あそこまで強権的な政治体制が有効だったという事だ。中国は厳密には社会主義とは言えないものの、その権力集中・独裁という仕組みが緊急時には驚異的なスピードを発揮する事が実証された。

マイナンバーすら嫌う日本人は、ずっと国家から権力を取りあげていく事が良い事であるかのように考えてきたが、コロナ禍の中で今の日本の法制度では対応出来ない事が沢山ある事を知り、そして最近の中国の台頭を見てやはり少しずつ意識が変わってきたのではないだろうか。


昔、政治評論家の三宅久之さんが「とても長い時間がかかったとしても、民主主義を続けていく事こそが理想的な社会に繋がるんだ」といった事を語っておられた。当時は俺もきっとそうなんだと考えていたが、その考えすらもここにきて揺らいでいる。

やはり中国のような強権的な国家が覇権を握るんだろうか…??


リベラルは元来「大きな政府」を目指す思想なので、政府が色んな所に介入する事を認めるのが(定義的には)本来の姿だ。そして世界的にも大きな政府への回帰が進んできているように感じている。この波を日本のリベラルさん達はどう思う??


多様性多様性と謳われた祭典、オリンピックを終えて世界はどこに向かうのか。
もしかして民主主義は衆愚政治になり、社会主義が息を吹き返すのか。
そして日本はどのような国になっていくのか。


…なんだか今年は真面目な記事ばっか書いてる気がするな。

特に今日は多くの人を敵にまわしちゃった気がするけど…

読者さん、離れないでください!
年末にかけてまた色々書く予定なんで!よろしく!


というわけで最後にお送りしますは憂歌団の『お政治オバチャン』です。

テレビに差別はないかな
ラジオに差別はないかな
新聞に差別はないかな
レコードに差別はないかな
あたしゃ天下のお政治オバチャン

 

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ファスト映画がやられたらしいから次は俺のファスト音楽が相手してやる

人々はファストを求めている。

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ファストフード「ファスト映画がやられたか…」

ファストファッション「フフフ…しかしヤツは我ら四天王の中でも最弱」

ファスト音楽「業界圧力ごときに負けるとはファスト一族の面汚しよ…」


どーも、この度ファスト音楽を担当する事になりました。宜しくお願い致します。


暫く前にファスト映画というコンテンツで逮捕者が出て話題になった。
俺もこのニュースが出るまでファスト映画というものの存在すら知らなかったが、
なんでも「映画を10分程度に編集し、字幕やナレーションをつけて、結末までストーリーを紹介してしまうもの」というコンテンツの事を言うらしい。

俺は全く知らなかったわけだが実は結構流行ってたらしく…

調査の結果、この1年間で少なくとも55アカウントから2100本ものファスト映画が投稿されていました。

総再生回数は、4億7700万回にも上り、被害総額は約956億円にもなると試算しています。


うお、マジか。そんな人気になっていたのか…。

でも本来なら映画を観て欲しかった人たちが
この手の動画でインスタントに映画を消費していくのは
映画製作サイドからすればたまったもんじゃないのは分かる。

ただこうなると例えばブログとかでも映画のカットを使って
あらすじとかを説明しているブログとかも対象になるんじゃないかとか思うし
なんか俺も過去に似たような事をやった事がある気がして後ろめたい気もするんですが…

まぁでもニュースを見た感じファスト映画系の収益ってかなりの額みたいだし
これだとオリジナルの映画に明らかに損害がありそうなので逮捕に踏み切ったって感じか。
個人的には10分に圧縮した動画で果たしてどこまで映画を理解できるのかと思うけど。


そんな経緯でファスト映画はやられてしまった。


しかし、コロナの影響で巣ごもり需要も相まって
ファストフードのように消費して映画を観た気分になれるコンテンツというのは
この皆が効率化を望んでいる社会において確かに需要はありそうだ。

今の世の中は可処分時間の取り合いが苛烈であり、
「タイムパフォーマンス」所謂「タムパ」なんて言葉が生まれるくらいに
人は皆限られた時間でいかに効率よく楽しむかという事を意識している。



ぐふふ…なるほど、これは…

ひらめきましたぞ!!!


そういう話であればこの効率厨の私にお任せあれ。
短時間で楽しめるネタを提供する事には定評がありますぞ。

drr.hateblo.jp

 

「あーあ、短時間で消費出来てたファスト映画がなくなったよぉ~」
とお嘆きの皆様へ…


ファスト音楽をご用意しました。

ええ、このワタクシが皆様のためにあらたなエンタメを準備させて頂きました。

「名盤と呼ばれているアルバムも聴いてみたいんだけど
 ちゃんと聴こうとするとアルバムってめっちゃ時間が取られるんだよねぇ
 もっと気軽に短時間でアルバムを聴く事って出来ないかしら」

そんな現代人の飽くなき時短への欲求にお応えしまして、

アルバムを10倍速で聴けるようにしました。


かの有名なビートルズの名盤『Revolver』をファストに摂取できるように提供します。


こちらです。どうぞ。

Revolver / The Beatles 【1966】

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どうです?素晴らしいでしょう??

聴きたかったあのアルバムが、なんとものの数分間で聴けてしまうんですよ??
ファスト映画亡き今、次の時代のファストエンタメはこれに決定でしょう!

なんというああ、我ながら素晴らしいアイディア。
これで忙しい皆さんの時間を圧迫する事なく音楽を楽しんで頂ける…!!

ファスト四天王の最強の称号は我の手に!!!
ふはははははははははははは!!!



…なんか最近名盤いじりネタ多くない??

drr.hateblo.jp

 

…ええ、自覚してます。
べ、別にネタ切れじゃねーし!色々あるんだよこっちにも!!


というわけで上記Revolverも含めて全部で5作、ファスト名盤を準備致しました。

ご賞味あーれ☆


Pet Sounds / The Beach Boys 【1966】

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The Velvet Underground & Nico / The Velvet Underground 【1967】

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Thriller / Michael Jackson 【1982】

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Nevermind / Nirvana 【1991】


…またつまらぬものを生み出してしまった。


みんなちゃんとした形でアルバム聴きましょうね♪

drr.hateblo.jp

 

AIが音楽の名盤を要約してやるから長文が読めない現代人もちゃんと読め。


やはり俺の音楽レビューはまちがっている。

続きを読む

どんなものでも擬人化すればウケるらしいので名盤も擬人化すれば聴いて貰えるんじゃないか説

名盤もうまぴょいしたんだ!!


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さあ盛り上がってまいりました総理大臣ダーティプリティーダービー!!
見事に勝利を手にしてウイニングライブでセンターに立つのは誰なのか!?
人気は岸田・河野・高市の3連単!そして決選投票の本命はやはり岸田か!?

こんな感じのノリで報道すればきっとちょろいオタクみんなもニュースを楽しめると思うのね!というわけで俺もさいっこーにキモイ企画を思いついたぜ!
テンションと勢いのままいくぜっ!



えーいつもブログを読んでくださっている皆様ごきげんよう。
最近真面目な話ばかり続いていたんでね、
今日は久々に平常運転のさわやかクソ企画いってみたいと思います。


というか最近の反動でクソもクソでクソ恥ずかしい内容なんで
共感性羞恥の傾向がある方はご自分の身を守るためにここでリターンしてください。
どうか命を守る行動を!



さて、日本人という種族はなんでも擬人化すれば飛びついて興味を持ってくれるらしく
この世のありとあらゆる存在を擬人化していくという禁呪法が流行っているそうだ。
まだ法規制される見込みもなくこのままではそのうち俺も擬人化されてしまいそう


よし、ならばこの俺も今のうちに何かを擬人化しておきたい!

まだ擬人化されてなさそうなコンテンツ…それは

「ロックの名盤」

これだ。これでいこう!

擬人化については俺は完全に素人なのでこれが人生初の擬人化挑戦という事になるが…

やってやる。俺もついに禁断の日本の伝統芸能に手を出すことにするぜ。
これで擬人化することによって多くの人間がロックの名盤に興味を持ってくれるのなら、
それはとてもいい事なのではないか???


さて、となると擬人化する際の問題は男か女か…
ロックバンドは男が多いのでやっぱり美男子にするべきか…


いや、それは面白くない。

つーか男にするなら

バンドのメンバーそのままイラストにすればええやん。

っみたいな結論に行き着きそう。

せっかく名盤を擬人化しようってんだから、
ここは敢えてバンドのイメージから離れて美少女化しよう。


きみの愛盤が!
ずきゅんどきゅん走り出しー!!

美少女になるぞっっっ!!

そして萌えキャラ大好きなちょろい日本男児を釣りまくって、
いつの間にかロックの名盤を聴いてしまうようにうまく誘導してやる!


という短絡的で安易な発想から生まれて俺的ロック普及プロジェクト、
名盤擬人化シリーズをやってみたいと思います。

…まー萌えるかと言われれば正直自信は無い(というか萌え自体がもう死語)だけど
日々のスキマ時間で頑張って描いた4人の名盤擬人化キャラ、とくとご覧あれ!!

名盤擬人化プロジェクト第一弾に選ばれた4名をご紹介

 

リボルバーちゃん

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・クールで真面目なリーダー的存在
・意外と優しい一面を持ち面倒見が良い
・落ち着いた物腰で口調はちょっと男っぽい
・コーヒーと猫が好き
・高所恐怖症


※元ネタ)
The Beatles / Revolver【1966】
押しも押されぬビートルズの名盤。
ビートルズの数ある名盤の中でも近年では最も評価が高いのではないかと思っている。
ジャケットがパロディされがち。遠目で見るとどことなく特級呪物っぽさがある。

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ペットサウンズちゃん

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・やんちゃで天真爛漫
・人見知りしない明るい性格
・部屋はいつも散らかっているが気にしていない
・手先が器用で機械にも強い
・ハンバーガーが好き


※元ネタ)
The Beach Boys / Pet Sounds【1966】
押しも押されぬビーチボーイズの名盤。
名盤と言われている作品の中でも攻略難度が特に高い一枚とされており、
未だに俺も良さを理解できていない。故に良さが分かるヤツはハナタカできる案件。

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ネヴァーマインドちゃん

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・快活で好奇心旺盛
・少し天然だけど頑張り屋さん
・ときどき凄いひらめきを見せる
・涙腺が弱くドラマやアニメで良く泣く
・意外と大食いで何でも良く食べる


※元ネタ)
Nirvana  / Nevermind【1991】
ジャケットだけでも見たことがあるという人も多いであろう名盤。
90年代の音楽シーンをごっそり塗り替えてしまったと呼ばれる程のチート性能を誇る。
ジャケットのベビーが30歳になって、これは児童ポルノだと提訴している話題の一枚。

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オケコンちゃん

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・口数が少なく小声で喋る
・頭脳明晰な読書家
・自分に自信が持てない引っ込み思案
・ネットでは匿名で色々活動している
・ホラーやサスペンスが好き


※元ネタ)
Radiohead / OK Computer【1997】
こちらも音楽史上でもトップクラスの名盤でありつつ攻略が難しい一枚。
個人的にはペットサウンズよりかは理解は出来るものの非常に難易度が高い。
オケコンオケコンと略されて呼ばれる事が多くニックネームのように愛称化している。

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これでも俺も伝統芸能師。


以上、4名のキャラクターをこの世に生み出しました。

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やったぜ、これで俺も日本の伝統芸・擬人化の経験者だぜ。

どうだったでしょうか。一応これでも絵は得意な方ではあるんだけど、
ちゃんとしたキャラデザが出来る人ではないし技術も大した事ないので、
なかなか愛して戴くことは難しいかもしれませんが可愛がって上げてください。


…といいつつ各キャラの今後の活躍は全く考えてません

課金してもキャラクターがバージョンアップする仕様もありません。


でも擬人化キャラってそんなもんだよね?存在するだけで尊いんだよね?多分。

登場させる機会があればさせたいけど多分忘れているか黒歴史化していると思います。

という事で名盤擬人化企画第一弾とか言ったけど続編は期待しないで下さい。


はぁ~ウマ娘かわええなぁ~。
やっぱりメジロマックイーンしか勝たん。

【Song】椎名林檎と宇多田ヒカル / 浪漫と算盤 [2019]


エイイチ再評価の流れ。

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日頃から音楽を楽しまれている皆様におかれましては
「再評価」という単語は非常に馴染み深い言葉なのではないかと察します。

「○○が再評価!」「ここにきて再評価!」

緊急事態宣言等で最近実家に帰ってないという音楽ファンの方ならば
再評価という文字はひょっとしたら親の顔より見た言葉なのではないでしょうか。
ちなみに俺は親の家には15年くらい行ってません。

でも再評価って言葉いいよね。

単純に当時も評価されて時間があいてまた評価されたというケースもあるだろうけど
なんか当時はそうでもなかったけど後年になって報われたみたいな、
そういう再評価ってのもあるじゃないですか。再評価、皆が幸せになる魔法の言葉だ。

この「再評価」という現象は何も音楽に限った事ではない。
ちょっと前には田中角栄の再評価みたいな話もあった。
余程の極悪人でもない限り誰にでも再評価されるチャンスはあるという事だろうか。


そして近年、怒涛の勢いで再評価されている人物と言えば…

それはきっと渋沢栄一で間違いない!

www3.nhk.or.jp


先日も渋沢栄一がデザインの新一万円札のニュースが話題になった。

あれやこれや言われているけど外国人や視力が低い人にも考慮したデザインで
俺はそんなに悪くないと思う。
渋沢栄一の写真はもうちょっとイイのがなかったんかなとは思うけど。


ただ渋沢栄一は俺が中学校のときはギリ教わるくらいのレベルの重要度で、
一万円札になるほどのボスキャラ感がある人物だったかどうかは正直怪しい。
少なくとも俺がガキだった頃の渋沢栄一の知名度はここまで高くなかったと思う。

でも今NHKが大河ドラマで盛り上げているくらいだし…

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なんだか日本全体で「渋沢栄一推し」の流れを感じているんだぜ。


そんな渋沢栄一と言えば有名なのが著書の『論語と算盤』なわけである。

最近は漫画版とかもあるんやね。
子どもにまで渋沢栄一推しを広げていこうというあたり、
どうみても国家戦略か何かの圧力的なものを感じずにはいられない。


最近本屋に行ってないけど、
おそらく2021年の書店ではこの『論語と算盤』が平積みされて
店員がポップ広告をつけて激押しされているに違いない。
ああ、そんな光景が容易に想像できる。


これら最近の激烈な渋沢栄一再評価の流れによって
我々日本人に渋沢栄一イズムが押し寄せてきている。
これはこれである意味国家的な洗脳教育と言える。

これに対して大滝詠一イズムを刷り込まれてきた我々音楽好きとしては
渋沢栄一イズムの浸透によってエイイチズムの意味が塗り替わってしまう事を
危惧しなければならないのではないかと思う。

ちなみに大滝詠一も今年ロンバケの記念盤も出たし再評価の波が来てるけど、
さすがに渋沢栄一の再評価の勢いに押されてしまっている。悔しい限りだ。


というわけで、我々音楽陣営がバイブルとすべきは
『論語と算盤』ではなくこちら椎名林檎と宇多田ヒカル御大2名による
浪漫と算盤』ではないのだろうかという事になる。

俺らには論語は必要ない!必要なのは浪漫という事だ!
…でもどっちにしても算盤は必要みたいだから算盤は買ってこなくちゃ…


この曲は椎名林檎20年目にして初のベスト盤という事でかなり話題になった
2019年の『ニュートンの林檎』の1曲目に収録された記念すべき曲だ。

もう2年も前になるのか…ちょうど俺が病気の治療で苦しんでいた頃だな。
ううっ…苦しかった日々の思い出が思い出されて辛い…。


ベスト盤を嫌っていた椎名林檎がなんだかんだで出してくれたベスト盤。
ファンとしてもアルバム未収録だったシングルがようやく収録されたし
新曲も入っているしで正直買う以外の選択肢がないベストだった。

そんな大事なベスト盤の1曲目にセオリーにありがちな自身の代表曲ではなく
コラボの新曲、しかも宇多田のボーカルの方が先に始まる曲を持ってくるあたりが
椎名林檎っぽいなと林檎イズムに侵された俺はニヤニヤと思考を巡らせていた。

公開されたMVは、椎名林檎と宇多田ヒカルという日本を代表する
女性アーティストである二人がテトリスをやっていると注目され、
二人の姿が神々しい事もあって「神々の遊び」などという
モンスターエンジンのネタみたいな讃えているのかふざけてんのか
良く分からない言い方で持ち上げられていた。


まぁしかしさすが椎名林檎というべきか、流行に乗るでも逆らうでもなく
まるで「並行世界からお届けしています」と言わんばかりのセンスで
孤高の音楽観・世界観を見事にぶつけてくるのである。

いつも椎名林檎って俗世離れしたような雰囲気を纏っているしさ、
俺らの事も天界から見下ろしてハマーン様のように「俗物がっ」とか
言ってそうだし本当にパラレルワールドに生きているんじゃないかと思うんですよ。
あーやばい。想像してたらコレ変な性癖こじ開けちゃいそうでやばいです俺。


ちなみにこの曲はベスト盤に収録されている「LDN ver」と
別途配信された「TYO ver」が存在する。
それぞれロンドンで収録されたバージョンと
東京で収録されたバージョンという違いだが勿論アレンジも異なる。

個人的には東京verのバンドアンサンブルとスリリングな感じが好きだな。
ロンドンverは綺麗にまとまってて美しいって感じでそれもいいけど、
東京verは身近な匂いが感じられて我々俗物にとっては好物ですぅうぅぅハイィィ。

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そういやこの『浪漫と算盤』ってタイトル、
英語だと『The Sun&moon』になっているんですよね。

「サン&ムーン」って一瞬ポケモンかよと思ってしまうが、
まさか林檎様がそんな俗世間のお遊戯をご存じとは思えませんので
まぁこれは浪漫と算盤という日本国内向けのネタが通じにくいのもって
英語の題名にしたときにスッと入りそうな単語を選んだって感じでしょうか。

MVでは白のイメージが椎名林檎で黒のイメージが宇多田という
二人の対比が描かれているのだがこれにもそれぞれ浪漫と算盤の役割があるんだろう。

となるとあくまで俺の感覚だが
浪漫:SUN:宇多田ヒカル:黒
算盤:MOON:椎名林檎:白
だと思っている。

「なんかソースあるんですか?」と言われれば、そんなものは「無い」。
あくまで「っぽい」から。でも「っぽい」という感覚も大事だぞ。
SUNが黒でMOONが白はおかしい??んなこたあない。
椎名林檎様だぞ。あの方なら太陽が黒と言ってもおかしくないだろ?

ん??「ブラック&ホワイト」って…やっぱポケモンじゃねーか!!


そういや椎名林檎って昔もブラック&ホワイト感あるCD出してたな。


きっと黒と白みたいなのがお好きなんでしょうね。

ちなみにこちらのアルバム『唄ひ手冥利~其ノ壱~』の中でも
椎名林檎と宇多田ヒカルはカーペンターズのカバーを一緒にやっております。
(この二人は同じ東芝EMI出身という事でEMIガールズとしてデュエットしてた)


あとこの2人のデュエットと言えば何といっても『二時間だけのバカンス』。

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これも当時はかなり話題になったし忘れちゃあいけない。

あんまり2人でコラボしすぎると貴重さが失われてしまいそうだけど
今後もまたやってくれるとやっぱりなんだかんだで気になってしまう2人である。


しかし、この『浪漫と算盤』という曲は間違いなく『論語と算盤』の
「論語」の部分を敢えて意識的に「浪漫」にしているわけで、
それはつまり必要なのは「論語」ではなく「浪漫」だと宣言しているとも言える。

渋沢栄一イズムの勢力が拡大している現代において
こんな強気の意思表明をしてくる椎名林檎。大丈夫なんだろうか。
その姿勢はロックだけど、渋沢過激派に狙われたりしてないだろうか。心配である。


でもここまで煽っておいてなんだが、
椎名林檎って別に渋沢栄一に対抗しているわけではなく
渋沢栄一イズムの伝承者なのではないかとも考えられる。


実は俺の住んでいる街は『論語』をかなり進めている地域で
学校などでも論語を教えている。孔子を祭った文化財がある街なので、
その孔子が教えたとされる論語の普及にも力を入れているのだ。

そんな街に住んでいる俺も『論語と算盤』は読んだわけなんですが…

正直な感想、ちょっと考え方が古いかな…という部分もあった。
しかし全体としては現代にも通じる考え方が多くていい本だとは思う。


さて、椎名林檎のこの曲『浪漫と算盤』の冒頭の歌詞にある一節。

主義を以って利益を成した場合は
商いが食い扶持以上の意味を宿す


これって『論語と算盤』で渋沢栄一が言ってる事と同じなんですよ。


論語は所謂「道徳」的な要素、そして算盤とは「経済」「商売」の事。

商売をするならただ自分の利益だけを求めててはいけない、という意味であり
明確な哲学、誰かの為になりたいという意識、そういうものがなければならない。
もし利己の利益だけを求める者ばかりが商売を行えばいずれ国は衰退する。

だから商売するならば「論語」の精神も必要なのだと
そういった事を渋沢栄一は『論語と算盤』で主張していた。
世のため人のための精神で皆が働くからこそ、日本が、世界が良くなっていく。
うむうむ、いい事言うじゃん渋沢栄一。俺もこれはとても大事な考え方だと思う。


特にコロナ禍で皆が利己主義に陥りがちな時代において、
他の人のためになる事をすればやがては自分に返ってくるという考えは非常に大事。
そもそも人間って社会的な生き物なので人との関りが無いと生きてはいけないハズだ。

椎名林檎もその辺の事はちゃんと分かった上で歌にしているだろう。
「論語」が「浪漫」になっているはいるが論語を否定しているわけではないと。


ただ俺は『論語と算盤』の中でもこれはさすがに同意できないなと思う事もある。

例えば『論語と算盤』には「後輩を責め立てて少しのミスにも怒鳴りつける
先輩がいれば、後輩は隙を作らないよう心掛けて引き締まる」という話があったが、
それはさすがに令和の現代においては単純に信頼関係を失う事になるので
正直こういった昔のままの日本の価値観が今の世に広がるのはどうかと思っている。

元々日本は論語の影響が強い国なので、そのおかげで例えば子は親を敬うべきといった
今の感覚では古臭い思想も国家の統制に利用され役立てられてきた側面もある。
俺はやっぱり満場一致で『論語と算盤』を受け入れる事については疑問だ。


そこで「浪漫」の出番ってわけですよ。

論語もいいけどそれだけでは窮屈かもしれない。
浪漫とは理想を追い求める心である。特に漢字で書く「浪漫」は良い
カタカナだとラブロマンスのような匂いが出てくるが、漢字だとカッコよい。

屹度そう 浪漫抱えたら算盤弾いて
両極のど真中狙い撃って お願い勇気をおくれ


浪漫という非現実的で合理性のないものに対して
算盤という現実的で合理的な手法を用いてそのど真ん中へと狙いを定める。
なるほど、渋沢栄一の時代に比べて便利で豊かになった現代、
論語だけではなく浪漫を持つ事も人生を謳歌するには大事という事か。

つまり椎名林檎の『浪漫と算盤』は
現代版にバージョンアップした『論語と算盤』の精神だと言えるのかもしれない。


そして椎名林檎は多分宇多田ヒカルに浪漫を見出したのではないか。

椎名林檎はどちらかというよりロマンチストというより職人といったイメージであり
おそらく彼女自身も自分にはもっと浪漫が必要だと思っていたのだろう。
だからロマンチストな宇多田ヒカルをゲストに呼んでその高みを目指そうとした。

玄人臭 素人衆 皆の衆
賛否両論 頂戴
置きに行こうなんぞ野暮


いろんな人からの賛否両論があって大いに結構、
それでもなお高みを目指そうとする椎名林檎の熱いクリエイター魂を感じる。
…つーかコレ東京五輪開会式への意気込みにも感じられるな…実現しなかったけど。

だから『論語と算盤』を読んで満足している意識が富士山級の諸君。
それだけではダメだ。併せて椎名林檎も履修しておきましょう。
そうすれば君たちの意識はチョモランマ級に高まるぞ。


椎名林檎は止まらない。
渋沢栄一の再評価の波に乗って、この曲にも再注目して欲しい。

疑わしい相手ならいつだって
自分ずっと進化したいよね


やっぱポケモンじゃねーか!!


ポケモンの次回作は「浪漫&算盤」で。


【採点】
・間違いないデュエット   50点
・論語ブームに乗れ     30点
・エイイチの再評価      5点
・俺もいつか再評価されたい -3点
82点

 

【Song】Oasis / Don't Look Back In Anger [1995]

ルックバック笑顔の世界。

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7月に公開された『ルックバック』という漫画が話題である。

ジャンプの『チェンソーマン』が人気の漫画家藤本タツキ先生が描いた
読み切り漫画である。読み切りといいつつめっちゃページ数が多かった。


先日単行本化されて反響も大きい。

natalie.mu

※最初に公開された時とは内容は若干修正されているっぽい。
 話題になったが故に色々と意見も出てたからなぁ…


流行にしっかりキャッチアップするおっさんという事に定評がある俺も
ちゃんと7月に全編公開されているときに読みました。

その時はあまりにみんなが「名作」「感動」「これはヤバイ」みたいな
全米ナンバーワン並みの反応をネットに垂れ流すもんだからそりゃ読むよ。
これ読んで心を動かされない奴は人間じゃない」ばりの大絶賛の嵐だったし。


今は完全版がもう非公開になっているので冒頭部分しか読めないけど

shonenjumpplus.com



でも当時は大ボリュームに関わらず無料で全部読めました。さすがジャンプ+太っ腹。


読んだ感想。


面白かったけど

そんな名作名作と持ち上げられるほどでもないかな。


……………


いやいやいやいやいやまてまてまてまて!落ち着け!
個人の感想にいちいち目くじら立てるな!ブラウザ越しに中指立てるな!
あと逆張りとかでもないから!本当に素直に思った事を言っちゃっただけなの!!


分かってる。皆が言いたいことは分かってる。

「お前が紹介したアルバムだって
 そんな名盤名盤と持ち上げられるほどのもんでもなかったぞコラ」

だろ。うん、大丈夫。俺はいちいち個人の感想を否定しない大人だから安心しろ。



『ルックバック』はねぇ、いい漫画だと思うよ。
やっぱりストーリーだけじゃなくあの構成、見せ方、描写がいいし、
個人的にも好きな漫画だった。

ただなぜみんながこんなに騒ぎ立てているのかって話で。
ルックバックの他にもみんな色々面白い漫画を知ってるはずだろうに
この漫画だけが特別にここまで持て囃されたのはなんでだろうという事だよ。


まぁでもその理由は結構明白でこれが「無料で」「WEBで」読めた事ですよね。

ページ数も無料漫画としては破格の多さだしジャンプ作家という事もあって
WEBで公開⇒すぐに話題が共有される⇒瞬く間に大反響という流れ。
むしろこの流れがあったからこそ俺の元まで情報が届いたわけで。


こういう話って音楽でもありましてね、
レディオヘッドの『In RAINBOWS』って言うんですけど。

世界的に有名なバンドの新作アルバムが無料で聴けちゃうんだけど
購入する際にはなんと買い手側が好きな値段でダウンロードするという
価格設定をこちらに委ねてくる衝撃的手法で公開されたアルバムだ。


こういうのって内容以上に歴史に残るものなんですよ。

だから今回の『ルックバック』も漫画カルチャーを語る上での
歴史的な出来事としてきっとみんなの心に残ると思うんです。
実際に『ルックバック』はジャンプ+歴代最高の閲覧数を記録したそうですし。
勿論内容が伴ってないとダメだけど、「現象」もまた重要になってくるんですよ。


そして今後はWEB漫画でインパクトを与える作品がどんどん出てくるわけですね。
すでに同じジャンプ+で『ダダンダン』とかはもう凄い人気だ。

shonenjumpplus.com


はい、毎週楽しみに読んでます
ダダンダンの画力はすごいよね。シリアスタッチとギャグタッチのバランスも好き。
ただ「ダンダダン」だったか「ダダンダン」だったかいつも分からなくなる。

ちなみにだんだだんはアンパンマンですね。



あとインパクトという意味では俺は
『ルックバック』よりもちゃおの『笑顔の世界』の方がヤバかったな。

ciaocomi.tameshiyo.me


これはまだ全部読めるみたいね。これをちゃおが公開したという事実に戦慄した。



…ってなんか漫画紹介みたいになってるんですけど。


いかんいかん、本題を見失ういつもの俺のクセがでちまったぜ。


さて、この『ルックバック』が話題になると共に
注目された曲が今回の曲『Don't Look Back In Anger』なのである。


オアシスの名曲であり日本でも抜群の支持を集めるオアシスの人気曲であり
一応俺のカラオケのメインレパートリーの一つである。

…本当はオアシスなら『Morning Glory』の方が歌ってて気持ちいいんだけど。。。
みんな知らないんだもん。「やっぱドンルクだよねー」ってなるんだもん。。。
そこで周りの目なんか気にせず「私の歌を聴けぇぇぇぇ」とか言えたらなぁ。。。


『ルックバック』の漫画の内容を読めば確かに『Don't Look Back In Anger』の主題、
「怒りで過去を振り返らないで」というテーマを彷彿とさせる話だし
漫画のタイトルが『ルックバック』という事でも共通点はある。

でもルックバックはシンプルに「振り返る」という意味だし、
ルックバックだけならオアシスのこの曲以外に重なるものは色々あるし、
そこでオアシスのこの曲にこじつけるのもなんか無理矢理感が…


と思っていたら。


なんと『ルックバック』の漫画の最初と最後に単語があったんですね。

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これは…
間違いなく『Don't Look Back In Anger』だ!!


なるほど、だからみんなドンルクドンルク騒いでいたのね。
よし、ここからブリットポップの再ブームよ日本に到来しろ。


ただこの『Don't Look Back In Anger』という曲、
日本だけでなく世界的にも後から新しい意味を持った曲になっているんですよ。

今まさにアフガニスタン情勢でタリバンのみならず
イスラム国の動きも警戒されるようになってきている時だけど
そんなイスラム国が関与したとされる2017年に起きたテロ事件。

イギリス、マンチェスターで行われていた
アリアナ・グランデのコンサートのロビーで発生した爆弾テロ。
多数の死傷者が出てイギリスは騒然となった。

nme-jp.com


もう4年が経過して正直俺も「そんなことあったな」程度に忘れていたが、
『Don't Look Back In Anger』が注目を浴びた事で思い出した。


オアシスと言えばイギリスではみんな常識レベルで知っているバンドで
オアシスのアルバムは一家に一枚レベルで皆が所持していると聞いた事がある。

俺もオアシスのアルバムは全部持ってるんだけど、
やはりこのドンルクも収録されている2ndの『モーニング・グローリー』は
圧倒的な名盤で間違いなく俺の歴代洋楽アルバムのTOP5に入る素晴らしい作品だ。


そんな『Don't Look Back In Anger』はこの悲しきテロ事件をきっかけに
テロ犠牲者への追悼歌になりテロに対抗するアンセムとして広がっているのだ。


テロの犠牲者を追悼する式典でのこと。
黙祷が終わった後に一人の参列者がこの曲を歌い始めた。

すると周りの人も歌い始め即興で合唱が起こったのである。

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以来この曲は世界的にもテロ事件のアンセムという認識が広がっていった。


アリアナ・グランデはテロ後のチャリティーコンサートで
コールドプレイと共にこの曲を歌い、翌年の追悼式典でも歌っている。
2019年にもアリアナ・グランデはマンチェスターで開催された
LGBTQイベントのライブで大トリを務めるなど現地を想って活動している。

マンチェスターと言えばオアシスの故郷でもあるし、
また音楽においてもマッドチェスターなどのカルチャーを生み出してきた
歴史的にも非常に重要な場所で、特に地元民からのオアシスへの愛は凄まじいらしい。

集会で歌い出した女性も
「オアシスは子供時代の人生の一部だったわ。
 “Don’t Look Back In Anger”は……これこそが今の私たちにふさわしい歌だなって。」
と語ったそうである。

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こうなるとオアシスも再結成して欲しいんだけど…どうかなぁ。
弟のリアムは乗り気みたいだけど兄ちゃんのノエルがどうかなぁ。


そう、オアシスはあの暴言兄弟のキャラクターのせいで
色んな意味で人々の耳目を集めやすいバンドだった。
そのクセしてこの『Don't Look Back In Anger』のような
めちゃくちゃいい曲を作るもんだからそこがいつも不思議だった。

日本人にも馴染みやすいメロディに加えて終始無駄のない完璧なまでの曲構成で
人間ってこんなに美しい音楽が作れるのかと改めて思い知らされる程である。
イギリス本土以外でも大合唱が起こる理由が本能的に分かる。

そして今回の話で注目すべき歌詞。

But don't look back in anger
I heard you say


サビの終わりの歌詞である。

「怒りで過去を振り返らないで
 というあなたの言葉が聞こえた」

怒りにまかせて感情的になってはそれこそテロを起こした人間の思うつぼだ。
当然ノエルは当時はこんなテロの事を想定して書いたわけではないのだが、
この歌詞が持つ強力なメッセージ性が時代を超えて人々に響いているというわけだ。


藤本タツキ氏の『ルックバック』にもそんな意味が込められている。

漫画を読んだ方には分かるだろうが、
『ルックバック』では理不尽でどうしようもない事で失われるものが描かれている。
しかもそれは自分が引き金となっているかもしれない事だ。

これは誰もが心得ていなければならない事なのかもしれない。
自分もまたもしかしたら無意識的に誰かの人生を狂わせているのかもしれない。
また逆に知らないうちに誰かに人生を狂わせられているのかもしれない。

(無意識的に誰かを傷つけてしまうという点では、
 ちゃおの『笑顔の世界』も当て嵌まってしまうのがまた恐ろしいところだ)


アリアナ・グランデも自分のコンサートでテロが起きるとは夢にも思っていなかった。
もし自分がコンサートなんか開かなかったら死なずに済んだ人がいた。
そんな事を日々考えては想像を絶するような苦悩を味わったんだと思う。

しかしそれでも俺らは前を向いていかなくてはならない。
怒りに任せるのは良くないし自分を責めすぎるのも良くない。
そしてオアシスも「過去を振り返るな」とは言っているのではなく
過ぎ去った事に感情的になるな」という事を歌っている。

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ルックバックはしていいけどルックバックインアンガーはしないでくれ。
ノエルの歌声は俺たちの心にそう呼びかけているのだ。


『Don't Look Back In Anger』は元々名曲であったけれども、
こうした人々たちの想いによってさらなる名曲として伝承されていく。

本当は俺はね、気安く名曲とか名盤とかいう言葉を使いたくないんだけどね、
仕方ない。ドンルクは名曲だしオアシスの2ndは名盤なのである。
もうこれは否定しようがない事実として歴史に刻まれているのである。


そして2021年の日本、漫画『ルックバック』によって
また新たなストーリーが『Don't Look Back In Anger』に追加された。
こうやってじわじわと名曲が醸成されていく様を我々は目撃しているのであり、
後から振り返った時に我々が証言するのだ。こんな事があったよ、と。


誰しも過ぎ去った事にカッカしないで冷静でいられるようにしたい。
そして本当の意味で「笑顔の世界」を作っていけたらいいですね。

…とまぁこれを歌っていた張本人たちがいつまでも再結成しない事で、
曲の方ばかりが本来のパワー以上の意味を持ちすぎてしまって
なんだか超越した存在になったという事実も見逃せまないけど(笑)

冷静になったら再結成するんだろうか。どうだろうか。
でもオアシスって再結成しないのもそれはそれで彼ららしいと言えるが。


【採点】
・世界が頷く名曲  50点
・テロへの追悼曲  30点
・ルックバック加点 10点
・再結成への期待点  3点
93点

「愛しあってるかい?」の問いかけに今の音楽シーンなら多分絶句する

夏の終わり 夏の祈り

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早いもので9月に入り夏も終わりに近づく。

今日から新学期だったというところもあるだろう。
我が家も夏休み期間中は学童に行く上の娘のお弁当を毎日こしらえていたので、
給食が始まったお陰で俺はこのサマーウォーズから解放された。

ちなみに娘は現在学校に行きたくないとブルー全開であり、
彼女のサマーウォーズはまだ続いているようである。


そういえば9/1は全国的に自殺者が増える日らしい。

困ったもんだ。きっと人間は皆エンドレスエイトを望んでいるのではないか。
でもハルヒのような力が無い一般人は9月の到来に為す術もなかった。


よし、お前らバンド組め

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カナダの人気バンドSUM41は夏休みの41日目に結成されたバンドだ。
それがそのままバンド名の由来になっているというすがすがしさ。

終わってしまいそうな夏休みへの対抗策として行き着いた一つの答え、
それはバンドを組むという事である。最高な現実逃避である。


そうだ、忘れちゃいけないぜ。本来ロックなんて小難しいものでは無かったはずだろ。
アホっぽい衝動でつまんねー現実から目をそらすためにロックに走るのはむしろ王道だ。

「逃げちゃダメだ」なんて言えるシンジ君は立派だ。あんなのは90年代の亡霊だよ。
最近のうら若き陰キャ共は何が何でも逃げるが基本姿勢だ。逃げ上手の若者。


いいか。バカとブスこそ、バンドを組め!


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東大なんか行くな。行っても量産型インテリになるだけだぞ。


そんな2021年の夏の終わり。

コロナで自粛生活が続いた夏。

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小学生になった上の娘にはsecret baseみたいなイベントは起きなかった模様で
親としては来年こそはどこかに秘密基地を作るように仕向けたいところです。


そんな今年の夏は音楽関連の話題はホンットーに色々ありまして、
逐一触れるのがもう面倒なくらい色々あってニュース眺めているだけで
個人的には嫌な気分になる事が多い夏でした。


そして俺が思ったこととは


ただただ平穏に気持ちよく音楽を聴きたい。


これだけです。

むしろ一人の音楽ファンとしてこれ以上何を望もうか。

なのに、
なのにだ。


「えーこへいさんって音楽が好きなんですか??
 ライブとかも行くんですか??ひょっとしてコロナでもライブ行く人ですか?」


うっせぇわ×3!!!

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マジでやめろ。
音楽が好きロックが好きライブ行きたいって言うだけで白い目で見るな


「やっぱ音楽好きなヤツって自分勝手でクソだわー。
 好き放題やりやがって周りの迷惑とか何も考えてないわー。」


マジでやめろ。
なんなんだこの向い風はよ。TM西川でもこの向かい風には耐えられないくらいだよ。
最近「音楽が好きです」とかちょっと言いづらくなってんだけどコレどういう事だ。
俺が知覚過敏なだけか??いやでも間違いなく音楽への風当たり強くない??


ああ、どうしてこうなっちまったんだ。

一番の元凶はコロナのせいなんだけれども。しかし一人の音楽ファンとしては、
ちょっと最近の音楽関連の話題についてはホントどうかと思う事が多くて…。

正直な気持ちとしては、やっぱり基本俺は音楽が好きだから
アーティスト側の肩を持ちたがる傾向が強いと思う。そこは自覚している。

でも、いやむしろ音楽が好きだからこそ
それはやめてくれ」と言いたいときは言っていいと思うし。
じゃないと本当にみんなの音楽に対する目が悪化する一方なんだよ…。

こんな大変な時代だからこそ音楽には頑張って欲しかった。
そしてそういう音楽を俺も微力ながら応援したかった。


でも、現実はそううまくはいかなかったようである。


ちょっと今回はそんなブルーな話をしたい。
最近色々あってネットから暫く距離を置いていたけど、
またぼちぼち再開していこうかな。

あとまたもや深夜の真面目モードな文章になりそうなのでそこは先に謝っておきます。

Dragon Ashによってインストールされた自己責任論


さて、まず先にこんな話をしたい。

いつだったか忘れたけど
Dragon Ashを聴いていた層は自己責任感が強い」といった話を聞いた事があった。
それは結構あり得る話だなと当時思った。

そして今俺はそれを改めて感じているところなんだ。
だって何を隠そうこの俺こそが、このDragon Ashに強く影響を受けた層なのである。


中学・高校の時のDragon Ashの人気はそれはもう凄まじくて、
俺みたいなチー牛の選抜メンバーみたいな人間でもDragon Ashが好きってだけで
クラスのヤンキーみたいな陽キャの人間とも結構仲良く話せてたりしてね。

そしてDrogon Ashの曲の多くから感じ取れるテーマみたいなものって
「誰にも頼らねぇ、自分の道は自分で切り開く」ってスタイルだったわけよ。

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カッコ良く言うと”一匹狼”みたいな感じだ。

怖がらずに一歩踏み出してみようという背中をおしてくれる音楽。
ただ逆に言えば自分が決めた事なんだから腹くくれという力強さからは失敗もしくじりも
自分の行動の結果であるという一種の自己責任のようなそんな感覚も確かに感じていた。

そしてそんな曲を好んで聴いていた俺らは、
自然と「これも自分が選んだ道だ」という自信と同時に自分の現状に対する責任感、
人のせいにはしないという精神も併せてインストールされていたような気もする。


こういう自己責任論の話をすると今の時代なら
「そんなんだから権力者からいいように使われるんだ!」
という反論が来そうだけど、それとはちょっとニュアンスが異なると思っている。

Dragon Ash世代の自己責任感ってどちらかというかと、
”権力者が信用ならない”から自分は自分で守るというスタンスだと考える。
未来はどうなるか分からねぇ、だから偉いヤツに頼ってばっかりじゃいられねぇ、
だからむしろ体制とは距離をおいて俺は自分の道を進むんだ!という姿勢に近い。


まぁ俺も影響を受けたもんで敢えてDragon Ashを代表例に挙げたけど、
でも当時はこの「すべては自分次第」という感覚って”流行り”だったように思う。
んでもってこの感覚こそが俺の青春時代における”反体制”となっていたわけだ。

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そもそも俺らは国を当てにしていなかった


つーか俺が記憶している限り2000年代って、
こういう自分の事は自分で守るという意識が醸成されていった時代だった。

物心ついた頃にはバブルが崩壊してずっと上向きにならなかった90年代を過ごし、
未来は明るい!という気分をそもそも経験してこなかった俺らの世代は、
当然のように最後に頼れるのは自分だけだと言い聞かされるように生きてきたのだ。


当時の小泉政権は「小さな政府」を目指し中央の機能を縮小する方針だったし
どんどん国は国民の面倒を見てくれなくなるんだろうなと思っていたので、
自分の事は自分で守らなきゃ見捨てられる事もあり得るくらいの前提だった。

だがこの考えが進みすぎると自分を追い込んでしまう人もいるかもしれない
(そういう友人も俺は知っている)ので決していい事ばかりではないんだけど、
少なくとも当時の若者は俺と似たような意識を持っているんじゃないだろうか。


というか、この日本社会は元々国の権限が強くなることを嫌っていたはずなのである。

そして実際にそういう道を歩んできたんだよ。
マイナンバーがなかなか広がらなかったのも監視社会を嫌う人が多かったからだし。
(個人的にはマイナンバー賛成派なんでさっさと進めて欲しいんだけど。)


だがコロナ禍になって国の権限の無さで色々と弊害が出てきているのも事実。

人々の行動を禁じたり強制したりするのは今の日本の憲法・法律では到底無理だし、
マイナンバーが普及していないがために給付金の支給すらモタついてしまう。
国民の病歴だって一元的なデータで管理できていないがために
コロナで治療する際の判断に手間取ったりミスが発生してしまうわけで。

だからあまりに自己犠牲的な発想かもしれないが、
この現状は俺らが選んできた事の結果なんだよな…」とすら俺には思えてしまう。
(まぁだからといっていちいち不満を言うなというわけでは勿論ないが。)


そういやアフガニスタンでタリバンの復権が危険視されている問題で、
アフガニスタンからのアメリカ撤退は間違いだったのではという指摘がある。

ただあれも間接的ではあれアメリカの世論が撤退を後押ししていた背景があるわけで。
特にアメリカはベトナム戦争での苦い経験もあるので、軍の長期滞在については
嫌悪感を示すアメリカ国民がかなりの数いるんだろうなぁと推測できる。

ベトナム戦争の頃はアメリカ国内も反戦歌が盛り上がっていたしね。

www.youtube.com


そういう過去もあってアメリカのアフガニスタンからの撤退は時間の問題だった。
しかしここからまたテロ組織の再拠点化が始まってもおかしくない事態となった。


だから最近、俺はどうしてこうなっちまったのかなぁなんて考えたりするのよね。

確かに権力は極力集中しない方がいい。少なくとも俺は今でもそう思っている。

でも何だろう。
このコロナ禍で人々は「強い何か」を求めているようにも見える。
頼れる何かを。すがれる何かを。宗教のように自分を救ってくれる何かを。

コロナのような強大な脅威を前にして、
自分だけではどうにもならないシロモノを目の当たりにして、
自分以外に「決めてくれる存在」ってのをいつの間にか求めるようになっているようだ。

自分の事は自分で守る。
今起きている事は自分たちの選択の結果である。
でもそれだけでは割り切れない感情。

かつて俺が、俺らの世代が通ってきたこの価値観は、
実は今大きく揺らいでいるのかもしれん。

五輪反対してフジロック賛成ってやっぱりダメですよ。


そんなコロナの影響もあって人々の考えが揺れ動いている今、
音楽は一体どんな価値観を世の中にもたらしているだろうか。

2000年代にDragon Ashが俺らに教えてくれたように、
現代を象徴するようなそんなセンセーショナルな音楽的事件はあっただろうか。


…残念ながらここに関して俺は落胆している

音楽的事件はあったがそれは非常に残念な結果を残してしまったのだ。


先日開催されたフジロック

www3.nhk.or.jp


以前も言ったけど基本的に俺はコロナ禍でのイベント開催には賛成だ。
勿論オリンピックもパラリンピックも賛成。
しっかりと感染予防対策が出来るイベントは解禁していって欲しい。

ただ、正直フジロックは海外のライブイベントの参加条件と比較すると
かなり甘い部分はあると思う。それでも国のガイドラインに沿っているようだし
出演者、参加者それぞれが自覚を持って行ったのならば俺はそれで良いと思う。


ただフジロック関連で問題になったのはやはり
オリンピック等を批判しておいてフジロックに参加した方々
もう色んな人がツッコミいれまくって聖火リレーにも負けない炎上っぷり。

アーティストも参加者も五輪批判した奴らは
ダブルスタンダードだと批判される始末。そりゃそうだ。
そもそもフジロックに反対だった人間も乗っかってきて大荒れである。


しかし申し訳ないけどこれは「想像力が足りてなかった」話でしょうよ…。

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すまんが俺は音楽好きだからって擁護する気はないぞ。


五輪批判していたアーティストにしろ参加者にしろ、
ここでまた五輪とフジロックを比較してあーだこーだ辻褄合わせて理論武装して
「五輪には反対だけどフジロックには賛同する」事の正当性を何とか見出そうとして
自分の感情に必死に理由を後付けしようとしてなんかもうそういうの見てらんないの


カッコよくない。全くカッコよくない。
正しいとか間違い以前にそういうのがもう俺の中ではカッコよくないんだよ。
どっちも反対してくれたらまだ良かったのに。まだ良かったのにぃぃぃぃ!!


つーか最近さぁ、音楽クラスタの皆さん一丁前にインテリ気取ってませんか??

自分たちは頭がいいという錯覚。だから自分たちは文化を理解しているという傲慢。
違うから。どこをどう切り取ってもキモオタ部族だからね俺ら、自覚がないだけだよ。
音楽オタクだからってインテリの顔をすんじゃねーよ、ちゃんとキモオタの顔をしろ。

ハッキリ言って音楽、ましてやロックなんて今や他の趣味に圧倒的に侵食されて
追いやられまくって高尚でもなんでもないマイナーポジションにいる状態ですよ。
そんな位置にいる俺らの言説が客観的にどう見られているか分かりますか??


これはロジカルな話ではなくて捉えられ方・感情の問題。
昨年末に俺は今年は感情の年だと言ったぜぇ?? 

drr.hateblo.jp

 

「五輪は悪くてフジロックは正しい。その理由はくぁwせdrftgyふじこlp」
じゃねーんだよ!!そんな風にロジックをほじほじして弁明するのがもうダメ。
それがどんなにもっともらしい意見に見えたとしてもそれは負け戦なんだから。

まず単純に、シンプルに、普通に考えて、世の中の多くの人がその態度をどう見るか
分かりませんかね??ねえ??絶対「いやそれはおかしいやろ」ってなりません??
五輪ダメフジロック正解の理論、率直にどう受け取られるかって普通に無理でしょ。
インテリぶってあーだこーだ言ったところで、大多数の人間は受け入れないですよ。


だいだい今、音楽とかエンタメが大変な状況分かってるでしょ…。
そこでさぁ、周りから「これだからロックなんか好きなヤツは」とか思われたら
ますます誰も俺らの話をまともに聞いてくれなくなるじゃないですか。

フェスが色んな関係者やアーティストが関わって成り立っているように
五輪だって色んな関係者やアスリートが関わって成り立っているんですよ。
そしてみんな厳しい中でもなんとか頑張ってやってみようと考えてきたわけで。

そこんとこの想像力って働かなかったんかな??
少なくとも俺はアスリートの中でフェスに反対した人は知らんぞ。
どこかに敵を作るんじゃなくて「みんなそれぞれ頑張ろう」とはならんかったのかね。

エセタイマーズさぁ…本当にただのエセバンドじゃん…


さらに言わせてもらえば今年のフジロックで炎上したエセタイマーズ

…この歌、さすがに呆れちゃったよ僕。

「ネトウヨやめてよ」

「ガースーもうやめてくれ」

 
…は?何コレ??
こんなんtwitterのレスバやん。センスが絶望的すぎんだろ。
忌野清志郎が泣くぞマジで。スケールが小さすぎて面白くもクソもないんですけど。


あ、ちなみに俺は補助金貰って政府批判するのは別にいいと思ってます。

俺らはみんな日ごろから税金払って何かしらの公共サービスを受けているわけだけど
例えば「国から医療費の補助受けてんだから国を批判するなよ」とはならんでしょ。
国のインフラに支えられたうえで、でも改善して欲しい事を言うのは間違ってない。

それに俺だって今の政府のコロナ対応については及第点とは言えないと思っている。
外国に比べて死者数を相当抑え込めている点についてはいいけど、
コロナ問題発生から一年半もあったのに今まで何してたの??と思う事が色々ある。


でもこのエセタイマーズは正直言って観てられなかった。

ロックが政治批判ってのは昔からの事でなんも珍しい事ではないんだけど、
ただしその中でもやっぱりセンスを感じる時と感じない時があるんですよね。

特にカッコいいロックってのはですねぇ、
例えばとある問題について0か1とか白か黒とかみたいな話をするんじゃなくて
問題の本質的な部分になんかこう議論の外側から不意打ちを食らわせるような、
人々が見失ってしまっていた核心をついて「ハッ」とさせるような、
そんな事を表現したロックこそが最高に鮮やかでクールなんですよ。


なのに今年のあのエセタイマーズときたら、何ですかアレ。ため息しか出ない。
稚拙なワードチョイスでなんもうまい事言ってないし、
ロックに対する世間の嫌悪感を増幅させただけ。俺も被害者だよこんなん。

彼ら、というかアジカン後藤はこのタイマーズのテーマの替え歌を歌う少し前に
「世の中のいがみ合いがなくなって、愛し合って許し合って」みたいな事を
MCで言ってたんですよ??その後にデイドリームビリーバー歌って、
そこまでは良かったのにその後にコレ。はあ?ですよさすがに。

これも後から強引に解釈してあれこれ理由を肉付けする事も出来るだろうけど、
まず素直に最初に観たときの感想が「何コレ…」だったんだよ。
もう最初のストレートな感情がそれだった時点で終わり。理屈じゃないんですわ。


「愛し合ってるかい」ってのは忌野清志郎のスローガンみたいな言葉なのにさ、
今の時期にロックがこんな事で炎上してたらそれこそまた分断起きちまうじゃねーか。
とてもじゃないけどこんなんじゃ愛し合えねーよ。

さっきも言ったが、今は音楽シーンも含めてみんなで盛り上げていきたい局面なのに、
これでまた「これだからロックとか聴いてるヤツは」とか言われるわけやん。。。
ごめんマジで苦しい…。なんでこんな窮屈な思いをしなきゃなんないんだよぉ…。


ちなみにフジロックはyoutubeで適当に色々眺めてたけど、
ナンバーガールはさすがの貫禄やったね。
下の娘を寝かせながら音量を出来る限り小さくして観てた。それだけはいいOMOIDE。

どんどん嫌われていく俺たち…


あと愛知の「NAMIMONOGATARI2021」フェス。

www3.nhk.or.jp


これに関してはもうあんまり書く気も起きない。
つーかまた夜中に結構な長文書いてきたんで疲れたよ僕。


とにかくガイドライン・ルールは守れ!

以上。


もう最近の一連の報道でさ、
かんっぜんに音楽ファンが嫌われ始めてんのが困るのよ。

やんちゃだとか反体制だとかもう社会の厄介者扱いじゃん。
お気に入りのライブTシャツ着て近所の買い物すら行けないじゃん。
俺の普段着、ライブTシャツにかなり依存してるから由々しき事態なんだけど。


やめてよ、ボクは完全チー牛マニュアルにのっとった典型的なチー牛サンプルなのに
なんでこんな惨めな思いしなきゃいけないんだよ…。

「うるせぇ、いちいち人様を気にするようなヤツはロックにもヒップホップにも
 いねぇんだよ、俺らはいつだって大人や社会に抗ってきたじゃねーか」だとぉ?

いえもう沢山です。俺は今はただ平穏に好きな音楽を聴いていたいだけなのです。
つーか今のこの状況でそんなにイキれる根性ないっすよ。

もう俺を巻き込まないでくれ。こんな音楽村なら脱出させてくれ。
結局はここも身内に甘いムラ社会だったって事じゃん。
そういうのを一番嫌ってきたのが音楽だったってのに自分たちもそうなってんじゃん。

失ったものは取り戻せるか。


drr.hateblo.jp

 

過去に何回も言及してきたけどね、
「ロックは元々反体制だったんだ!ロックに政治を持ち込んでもいいんだよ!」
みたいな主張をする人良くいるけどさ、いやもうそれ分かってるんです。

ただ何が言いたいかと言うと
それって俺の感覚だともう古いロックの形式でしかないって事なんです。

別に今の時代だって体制批判したけりゃ勝手にすればいいけどさ、
ただそれは俺の中では少なくとも新しいロックじゃないんですよね。
「これは今までに無かったぜ!」的な新しさがない。過去のフォーマットなんですわ。


Dragon Ashの話に戻るけど、彼らが当時俺らにガツンときたのってやっぱり
「自分の事は自分で決める。自分を信じるしかねぇ」的なカッコよさだったわけで、
そこには旧来の政府批判のロックとはまた違った「自立」の美学があった。
他者を変えるのではなく自分を変える事、それが俺らにとってのロックだったのだ。

でもなんだか最近のこの窮屈なムード、
一番悪いのはコロナだと頭では分かっているのに、
みんながみんな誰か他人のせいにしたがっている。
これは果たして健全だと言えるのだろうか。

気持ちは分かる。自分が悪いとは誰も言いたくないもの。
でもなんだかそれはまるで自分の責任を放棄した子どものようにも見えてしまう。
誰かにコントロールして貰いたい。ハンドルを他人に任せたい。
そうすれば何か起きても自分のせいじゃないから。そいつが悪いんだから。


まぁ敵を作ってしまうのが一番楽なんだよね。
これは昔から歴史でも繰り返されてきたことなのだ。

選挙で簡単に勝つ方法は大多数にとって同意を得やすい少数の敵を作ることである。
そうすれば少数がいくら反対票を投じても大多数の投票数には敵わないから。
どこかに分かりやすい敵を作り上げる事が自分の陣営が勝つ近道ってわけだ。


今この国にはもう「みんなで頑張って盛り上げよう」という機運は無くなっちまった。

皆が自分の利害関係がある部分しか見ておらずその範囲でしか生きていない。
そしてまるで誰かが失敗するのを待ち望んでいるかのようだ。
そんな異常な雰囲気の中で消耗戦でしかないマスゲームが繰り広げられている。


こんな時だからこそ俺は音楽には皆を繋げる役割であって欲しかった。
でも分断が生まれてしまった。むしろ音楽側が生んでしまった事例もあった。
イキってる場合じゃなかったんだよ。もっと色々と知恵を絞るべきだった。

この空気の中で「音楽を救ってくれ!」と言ってももう誰にも聞こえないかもしれん。
思った以上に、ここ最近で音楽が受けたダメージはデカかったと思っている。


でもこれまで俺は音楽に助けられたことが何度もあるし、
きっと他にも音楽に助けられた人はいっぱいいるはずだ。

だから頼むからみんな今一度、音楽を救って欲しい。
いや、音楽「」救って欲しい。

CDを買おうとまでは言わない。
ましてやライブに行ったりグッズを買おうだなんて言わない。


ただ好きな音楽とかをみんなが共有して楽しんで、それだけでもいいからさ。

昔やってたように出来ないかなぁ…。

もうコロナ前には戻れないとしても、もっと別の道は無かったんだろうか。


じゃあもうこの際俺は嫌われてもいい。
どうせこれ以上俺が嫌われたところで、この世界にネオチー牛が爆誕するだけだ。

愛し合う事が難しくなってしまったんだとしたらだ、ならば
「俺の事は嫌いでも、音楽のことは嫌いにならないで下さい。」
と、俺がここで言うしかない。

あっちゃん、頼む。今宵俺に力を貸してくれーーー!!


なんて事を書いてたらもうこんな時間になっちまった。
最近こんなケースばっかりだぜ。

でも俺ももうちょっと頑張ってみたい。

そんな事を考えた夏の夜。

www.youtube.com